第2話 最弱勇者の秘密特訓、そして押しかけ大魔導師。
引き続きお読みいただきありがとうございます!
女神の布団に直撃されてから、トゥエンの異世界生活がいよいよ本格的に始まりました。序盤はかなり散々でしたが、幸いにもこの世界の両親はとても優しいです。
さて、これからの日々には何が待っているのでしょうか。どうぞごゆっくりお読みください。
「なに? 勇者様の属性が、なぜこんなにも低いのですか?」
あの神父が鑑定石を俺の額に当てた時、そう驚きの声を上げた。
その叫びに、そばで期待に満ちた顔をしていた両親と、修道女のエフィナがびくりと肩を震わせた。
力:E 速さ:E 体:E 魔:C 運:F。
その、俺にしか見えない(というか神父もかろうじて一部を感知できるらしい)惨烈なパネルを見ながら、俺は母の産着の中でこっそり白目をむいた。あの金髪女神が適当に設計したパネルのせいで、俺はこの異世界で最も弱い勇者になるのかもしれない……
「し、神父様、もしかして鑑定石が壊れているのでは?」修道女のエフィナが小声で慌てて尋ねた。
「いや、石に問題はない……」神父は額の冷や汗を拭い、今にも泣き出しそうな両親の表情を見て、無理やり咳払いをして取り繕った。「コホン、神様のお考えを我々が推し量れるはずもない……こ、これはきっと勇者様への試練なのです! それに、勇者様はまだ生まれたばかりの赤子、未来の可能性は無限大です!」
無限大なわけあるか。
自分でもわかっている。属性ポイントを振り忘れたこの勇者は、間違いなく歴代の転生者の中で最弱だ。このまま自然に育ったら、村の野良犬にすら勝てないだろう。ましてや魔王討伐なんて。
「今後は苦労しますね、勇者様~」
「冷やかすなよ、フランルーティスさん……」
本当に、迎えに来た女神がこんな調子だと知っていたら、転生前の準備をもっと慎重にやったのに。
儀式が終わると、地元の村人たちが俺の首に花輪をかけてくれた。香りがぷんと漂い、布団の中にあった女神の、あの温かくてミルクのような匂いを薄めてくれた。
こうして「神に選ばれた勇者」として、俺の迎生儀式は少し気まずくも賑やかな雰囲気の中で終わった。両親は俺を抱き、村人たちから贈られたチーズとベリーの瓶を持って、村の衛兵が用意した馬車に乗り、俺の家へと戻った。
「フランルーティス、俺がもし平凡な無能のままだったら、この世界で穏やかに老後を過ごせるかな?」俺は産着の中で、心の声で身についている布団の女神に尋ねた。
「もちろんダメですよ、トゥエン様~あなたは勇者なんですから、無為に歳を重ねたら、魔族が民を奴隷にしてしまいます。その時、勇者様にこの善良な両親を守る力が残っているんですか?」
その言葉を聞いて、俺は惰眠をむさぼる計画を諦めた。もちろん、資質が低いからこそ、勇者として子供の頃から訓練を始めなければならない。その、俺を朝から晩までこき使う狂気の計画が正式に始まったのは、俺が三歳になり、短い二本の足で歩けるようになった頃だった。
先天的な条件が悪いなら、早めにスタートを切るしかない!
——三年後。
晩秋の早朝、空がほんのり明るくなった頃。
田舎の一軒家の庭の隅で、粗布の寝間着を着た、頬にまだ赤ちゃんらしい丸みの残る三歳の男児が、かかとまで届くほどの毛布の布団をまとい、両手に小さな木剣を握って、庭の木の杭に向かって懸命に斬りつけていた。
「うんっ!」
「勇者様、もうすぐ夜が明けます。早く布団に戻らないと、ご両親に怪しまれますよ!」
「あと数分だけやらせてくれ、フランルーティス」俺は剣術の練習をしながら、木剣が木の杭に当たる音は小さく、鈍い衝突音は家の中の両親を起こさないが、同時にこの力Eの才能の力では、山の薬草すら抜けないだろうことを証明していた。
「転ばないでくださいね、勇者様」
「あっ——」
布団の端を踏んでしまい、俺は見事に転んだ。背中がしっかりと地面に打ちつけられた。しかし幸いなことに布団の柔らかさはカンストしているので、雲の上に落ちたような感覚で、無事だった。
どうやら、早く背中のこの布団の重さに慣れなければならない。でないと戦闘の時にこの布団に足を引っ張られる。
「私は重くないですよ~」
魔法のような霧が俺の背中から膨れ上がり、フランルーティスが人の姿になって、両手で俺の肩を押さえた。
「でもこれじゃあ面倒すぎるだろ? ほら、剣すらまともに握れないんだ、その上布団までかぶってるんだぞ」俺は右手に握った木剣を指さした。腕はすでに少し痛くなっている。「フランルーティス、もしマントみたいな形に変身できたら、布団の端を踏むこともなくなるんだけどな」
「勇者様、私だって変わりたくないわけじゃないんです。ただ、あなたの魔力が少なすぎて、一回変身する分にも足りないんですよ~」彼女はため息をつき、とても無垢な表情をした。
魔力……C級の魔力でも、女神の衣装を変えるには足りないのか?
今のこの小僧の体で何かを変えるには、まだ長い訓練が必要だな。
そんなことを悩んでいると、フランルーティスが急に俺の髪を撫で、それから目を閉じて、わざと恥ずかしそうな顔を装い、語尾を伸ばした。
「勇者様ったら~、少しもわきまえがないんですから」
俺は一瞬呆けて、彼女のその「早く頼んで」という芝居がかった様子を見て、すぐにその小さな心の内を読み取った。直接名前を呼ぶのは、彼女の「尊い女神の身分」に傷がつくと思っているのか?
「女神様、お願いします!」
「えへへ、勇者様がそんなに私の助けを必要としているなら、この私も考えてあげられなくはないですよ~」彼女の口角が上がった。やはり小賢しいことを考えていたな……
霧が再び膨れ上がり、今度は巨大で分厚い布団ではなく、ちょうど俺の肩にかかる、柔らかくて暖かい小さな毛布に変わった。重さは以前の半分以下で、足を取られる危険はまったくなく、甚至マントのように動きに合わせてなびくことさえできた。
「どうですか? あなたのためにわざわざ変わった『女神印の肩掛け』ですよ~」肩から彼女の得意げな声が聞こえた。
俺は試しに木剣を振ってみた。確かにずっと楽だ。
「じゃあ女神様、さっき言ってた魔力の消費って——」
「あれは嘘です~」
まったく……
それから俺はさらに三十分練習を続け、自分の勇者レベルが1に上がるまで続けた。
「おお! 進歩したな!」
「おめでとうございます、勇者様」
俺がこっそり寝室に戻った頃、両親もそろそろ起きて農作業に出る時間だった。今、寝たふりをしておけば、きっと異変に気づかれないだろう。
【全能】……このスキルは?
目を閉じながら、心の中でスキルパネルを感じ取る。素早く能力を上げるには、やはり戦闘用のスキルを多く覚えるべきだろう。
勇者が魔王を倒すには、まず戦力が重視される。俺は一通り眺めた後、いくつかのスキルを決めた。
【鈍撃】、【剣反】、あと【蹴撃】も覚えよう……
これって前の世界の戦闘とあまり変わらないな。
肩の小さな毛布が微かに動いた。「勇者様、何か失礼なことを考えていませんか?」
「別に」
「ベイビー、誰と話してるの?」
「えっ?!」
目を開けると、母が戸口にもたれかかって、不思議そうな目で俺を見ていた。
しまった、さっきレベルアップに興奮して、心の中で「默念」するのを忘れて、直接声に出してしまった。
俺が冷や汗をかいて、三歳児の言葉でどう説明しようかと焦っていると、母が突然何かに気づいたように手を打った。
「なるほど、女神様だったのね。トゥエン、たとえ勇者の使命のためでも、寝ないのはダメよ~ちゃんと体を休めないと」
今の俺は母に抱かれていて、眠気はまったくない。彼らが俺の秘密訓練に気づいた以上、やはりちゃんと話し合うべきだろう。
俺は深く息を吸い、彼女と話す準備をした。しかしその時、頭の中に突然前世の記憶が浮かんだ:
「お前にお前と条件を交わす資格があるのか? 勉強はちゃんとやったのか——」
俺は眉をひそめ、本能的に顔が青ざめた。母は俺の異変を見て、額を撫でた。
「大丈夫だよ、トゥエン。どんなことでも、ママもパパもちゃんと話し合いたいと思ってるから~」
そうだ、俺は今異世界で生きている。昔のことはもう過ぎた。今は、しっかり勇者をやろう!
………
俺が六歳の時、才能が低すぎて、勇者レベルもわずか3だった。
【初級水魔法】
ある日、俺は手のひらに水の塊を作り、力を込めて家の畑に投げつけた。
「成功した!」
千回以上の試行の末、俺はついに初級魔法を覚えた。
「うちのトゥエンがついに魔法を覚えたわ! おめでとう——」
俺の父、ブリン・ドレイクは、正直な農民だ。各地で勇者が彼の息子だと知られても、彼は多くの人からの贈り物を断った。
「父さん、まだもっと練習が必要だよ。たぶん今回は偶然だ」
「本当に勤勉ですね、勇者様~」
フランルーティスは、相変わらず冗談好きの女神様だ。首にかけられている彼女にくすぐられることもあるが、仲間として常に俺のことを考えてくれている。
【引曳】
俺はまた左手を上げ、そばの小さな木の葉を遠くから摘み取り、手のひらに引き寄せた。
これは前に選んだ【全能】の利点だ。物理攻撃は可怜な【鈍撃】と【蹴撃】しかないが、十分な努力を払えば、さまざまな基礎スキルを覚えられる。身を守るだけでなく、秋の収穫時には父の果物を遠くから摘むのを手伝える。
「まるで手品みたいだ」
「手品じゃありませんよ、勇者様」毛布の中から軽い笑い声が聞こえた。「これはあなたの努力の報いです。でも——千回以上もかけてやっと水球を出すなんて、異世界でもなかなか『珍しい』ですよね~」
「そんな珍しさ、いらないよ!」
「そうだ、トゥエンちゃん、そろそろ学院に通う年頃ね。最近、村長さんがよくうちに聞きに来るのよ~」
「母ちゃん、トゥエンはやっぱり農地にいた方がいいんじゃないか? 自分を守る力がつくまでは、一人で旅をさせるのはやめた方が」
そうだ、そろそろ家の外に出ることを考えるべきだ。勇者として、旅と冒険は必要だ。
しかし、人付き合いは得意ではない。もし学院が、太陽のように眩しくてどこでも仲間を集める「リア充」ばかりだったり、やたらと「平民ごときが」と傲慢な貴族ばかりだったら、俺は絶対すぐに引きこもるだろう。
「勇者様、何を心配しているんですか?」首の毛布から微かなくすぐったさが伝わり、女神の声には笑いをこらえる気配があった。「今のあなたの身長は1メートル20センチにも満たないですし、このぷくぷくの頬っぺたじゃ、学院に行っても女子生徒にマスコット扱いされるだけですよ~」
「誰がマスコットだよ……」
こいつはいつも余計なことを言うが、よく考えれば、学院に行くのは村で独学するより確かにいい。
「そういえば、俺って村で友達何人できたっけ……」
社交恐怖を克服してこそ、魔王を倒せる。
「行きたい」俺はため息をついて、両親を見た。「父さん、母さん、学院に行ってみたい」
「え? でも……」
「大丈夫」俺は拳を握りしめた。「もし誰かいじめたら、水魔法で顔を洗ってやる」
俺の笑顔を見て、両親もそれ以上争わなかった。この世界の勇者は、やはり無為に時を過ごすわけにはいかない。
——翌日の早朝。
「トゥエン、学院の大魔導師が迎えに来たわよ~」
気合い、気合い……
今の俺は寝室のドアの後ろに立ち、深く息を吸って、ドアノブに手をかけた。昨夜はあれだけ威勢よく言ったのに、いざこの時になると、また怖くなってきた。
誰だろう? 王都からの大魔導師。初級魔法を教えるのは、なんとたった二人だけだという。【土封詠者】ヴィス・テクリと【星渡術師】アパティ・ヴィルズ。
「どちらの先生になっても、絶対に完璧なスタートですよ~」首にかかった毛布の中で、フランルーティスが面白がるような口調で小声で言った。
俺は歯を食いしばり、家の外へ出た。しかし、農家の門口に立っていたのは、少し戸惑った様子の両親の他に、銀髪をなびかせ、魔法紫のローブをまとったお姉系の魔法使いだった。
アパティ・ヴィルズ!
今回は三年後の物語です。
とある布団の女神からのこっそりメッセージ:「勇者様はこの三年間、本当に必死でしたよ~。初級水魔法を覚えるのに千回以上かかりましたけど、一番の功労者はこの私です! だって私、こんなに暖かいんですから~」
学院生活がだんだん近づいてきました。この奇妙なコンビが気に入ったら、ぜひブックマーク登録をお願いします!




