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奥山さん、困る

皆さんこんにちは、奥山です。今日の天気は爽やかな快晴です。


「はぁ…『おや?どうしたんでしょう。フランソワ様が柄にもなくため息をついています。何かあったのでしょうか。』聞いてくれる?奥山さん!」


「何勝手に人の頭の中改ざんしてんですか…はいはいなんですかフランソワ様。」


「私ね、恋愛ってしたことないのよ。ずっとお城育ちで男性のお友達がいなかったから。」


「そうなんですか。王国のお姫様なら色んな男性と交流してるものだと思ってました。」


「私の場合父親が過保護だったのかもね。でも知らないものには興味が湧いてくるのよ。だから奥山さん、今日だけでいいから私の恋人になってくれない?」


少々面食らってしまいました。普段からめちゃくちゃな行動をしているフランソワ様にこんな乙女な一面があったなんて。

まだまだ中身は年相応の女の子なんだと思うと思わず微笑んでしまいました。こんなことを聞いてしまったら答えは1つに決まっています。


「お断りします。」

=====

「えぇ?!嘘よ!なんでここで優しくしたら逆に好感度下がるのよ!」


…今度はなんだ?おそらく今フランソワ様はゲームをやっているのでしょう。でもなんだか格ゲーとか対戦ゲームとはリアクションが違うような…


「どうしたんですフランソワ様。またゲームですか?」


「あ、聞いてよ奥山さん!今ね、最近話題になってる『サクラときめきTo-Heart大戦メモリアル〜この世の果てでラブをプラスする少女〜』ってギャルゲーをやってるんだけどね。」


「なんで毎回毎回そんなゲテモノみたいなタイトルのゲーム買ってんですかあんた!もう方向性見えないですよ!」


「でも出てくる子達がいちいち私の好みどストライクなのよ!難易度は高いけどやりたくなっちゃうのよね。」


そんなもんなのかなぁ。ギャルゲーは全く手の出したことのない領域だからなぁ。


「あ!また次の選択肢よ!奥山さんも手伝って!」


「いやぁ、僕役に立つかわかんないですよ?」

=====

綾小路芽衣子(あやのこうじめいこ)

『おはよう、フランソン12世君!今日もいい朝ね。…ねぇ、私どこか変わったと思わない?』


1、初めまして!


2、まるで針金のようなストレートパーマだね!


3、髪留め変えた?とてもよく似合ってるよ!


4、無言で去る。

=====

なんだこの選択肢!こんなの選ぶ余地ないじゃん!


「…1、かしら?」


「ないないない!何言ってんの?あんな親しく話しかけてくる子に『初めまして』はおかしいでしょ!他の選択肢も3を除いたら主人公壊滅的なクソ人間ですよ!あとなんだよ12世って!」


「うーん…じゃあ…4?」


「無視しちゃダメですよ!あんたことごとくダメな選択肢選ぶな!ここは3ですよどう考えても!」


「えー?3は一番ないと思うなぁ。」

=====

→3


綾小路芽衣子

『は?そこは無視してよ!私がMだってこと忘れたの?本当最悪だわ!』


好感度↓

=====

「あっちゃー、4かぁ。私達両方ダメだったわね。」


「そりゃ外すわ!公衆の面前で自分の性癖暴露するような女の気持ちなんて分かるわけないでしょ!」


フランソワ様が目をつけるだけあって、このゲーム相当クレイジーみたいですね。プレイしてるだけで脳内が汚染されそう。


「あ!この子!私がこのゲームで一番推してるヒロインなの!よーし、この子は絶対攻略するわ!」


「フランソワ様の推し?嫌な予感しかしない…」

=====

二階堂美咲(にかいどうみさき)

『ようフランソン12世!昼休憩だぜ!な、なぁ。今日さ、弁当作ってきたんだけど食べてくれねぇか?』


1、自分潔癖なんで他人が触ったもの食えないっす。


2、だし巻き卵が入ってなかったら僕は嫌だなぁ。


3、本当に?嬉しいな!是非食べてみたいよ!


4、無言でお母さんの弁当を食べる。

=====

相変わらず3以外の選択肢がクズすぎる…いやでも、さっきのことを考えると…


「ここは3一択ね。」


「え?」

=====

→3


二階堂美咲

『お、おう!結構自信作なんだぜ!食べたら感想聞かせろよな!』


好感度↑

=====

「くぅぅぅ!やっぱり美咲ちゃんは可愛いわ!私のハート鷲掴みにしてくるもん!…どうしたの奥山さん?」


「完全にこのゲームの空気に呑まれてた自分を恥じてるんです…なんでいきなりまともになんの?」


「様々な個性を持ったヒロインが登場することこそ、ギャルゲーの醍醐味でしょ!さぁ楽しくなってきたわ!」


よくこんなに盛り上がれるなこの人…

=====

その後は幽霊女子や侍系女子、宇宙人系女子などもう悪ふざけとしか思えないキャラが登場してきては奇想天外な選択肢を突きつけられるという魔のスパイラルに飲み込まれました。


「はぁー、はぁー。なかなか楽しませてくれるじゃない。こっちはまだまだ…奥山さん!」


「なんですか…もう僕そのゲームのBGM聞くだけで吐き気がしてくるんですけど。」


「来たわよ最難関の女の子!生徒会長の鬼塚真綾(おにづかまあや)が!」


「やだなぁ、ただでさえ厄介者しか出て来てないのに、それの最難関って。」

=====

鬼塚真綾

『あら?フランソン12世君。まだ生徒会室に残っていたの?仕事熱心…とでもいうと思った?なんでまだ仕事が終わってないのよこのノロマ!』


1、もう終わってますよ。ただ時間があったから寛いでいただけです。


2、そんなに怒ってたらシワが増えちゃいますよ?


3、ごめんなさい。でもこうしてたら会長に会えるかなって…


4、यह सुंदर हैअच्छा

=====

「くっ、さすがは鬼塚ちゃんね!一筋縄じゃいきそうにないわ!」


「ちょっと待って、4番なんなんですか?!一文字たりとも読めないんですけど!まさか最難関って言語的な意味だったんですか?!」


「言語…?そうよ!答えは4番だわ!」


「どうしてそうなるの?急に目の前の男子が異国語を話し始めたらみんな逃げますよ!」


いよいよ主人公の変態度がMAXになってきたところでフランソワ様のテンションの壊れ始めたようです。


「真の愛の前では言語の壁などなんの障害にもならない!4番にはきっとそういうメッセージが込められているのよ!」


「このゲームにそんなメッセージがあるとは思えないんですけど…まぁフランソワ様が選びたいものを選べばいいと思いますよ。」


「じゃあ4ね!届け、私の愛!」

=====

→4


鬼塚真綾

『え?なにそれ、どこの言葉?急に異国語で話しかけてこないでよ、気持ち悪い!』


好感度↓↓↓

=====

「「………」」


なんだろう、予想通りなのになんだかすごく胸がモヤモヤするシーンでしたね。


「奥山さん…これクソゲーだわ。」


「遅いですよ…」

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