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第1撃 「始まりの雨」 ーSoi-même comme l'assassin

最初のうちは人間の生死に体が慣れてなかったが、5年の歳月が俺の心と体に耐性を与えた。

それと同時に、技術と経験も備わった。殺すことに戸惑いを感じなくなった。


感情は関係ない。


俺も大分と仕事が板に付いたようだ。協調性の欠片もない俺は、仕事も単独行動が多かった。

5年の乏しい記憶を思い返していると、携帯電話から着信を告げるメロディーが鳴った。

また仕事だ……。煩わしいが、すぐに出ないと他の連中に回されてしまう。


「・・・・依頼っすか? 了解、すぐ向かいます」


電話は予想通り、仕事の依頼だった。すでに飽きたボスの声は、いつも以上にダルそうにしていた。

月下の界隈を我が物顔で蹂躙する麻薬組織、その仲間割れの果ての裏切り。

それの後始末として、俺が担当する事になった。自分のケツぐらい、自分で拭けないのだろうか?

ターゲットは1人。この組織の社長だ。今は元がつくらしいが。中々腕が立つとボスが言っていたが、俺なら充分過ぎるとも言われた。


俺は眠りこける猫を起こして、別れを告げた。バイクに跨がり、体を包む気だるさを洗い落とすように雨の中を走り出した。

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