70 汚冥界:大聖堂前3
⬛システィーナの視点
鮮血のような赤い空がっ!
不気味に明滅するっ!
ミサの前兆なのっ!?
お願い! 早くミサ始まって!
お願い! コックリが! コックリが!
「ぬおおっ!」 ギィンッ!
ああっ! 彼が恐ろしい巨人の集団に囲まれ!
危ない! 危ないっ! お願い! 早くミサ始まってぇっ!
「ルシェリア! お願っ! あの人! 援護してぇっ!」
"はっはい! でっですが! どうすればっ!"
ルシェリアが揺れ動きっ! ああっ早く! 早くっ!
乱戦! 四体ものバルログに囲まれ! 入り乱れ!
分かってるっ! 迂闊に攻撃できないって!
ああでも! 危ないっ!
ゴアアアアアッッ!!
奥から! さらに二体が!
ダメェッ! ダメェッ!
「ルシェリア! 奥の二体を攻撃して! 近づけさせないでぇっ!」
"わっ分かりました! 雷!"
バリバリバリバリッッ!!
世界が白く!
巨大な稲妻っ!
でもバルログは寸でで! ああっ当たってぇっ!
ゴルルルッッ!!
コックリを囲んでいたうちの二体が!
私たちを睨み! ああっ!
ゴアアアアアッ!
ああ! 両端の二体が!
こっちに!
突進っ!
「させるかよっ!」 ダンッ!
コックリ! 波動で跳躍!
こちらに来かけたバルログの太腿にっ! 足首にっ!
キュイインッ! ドババンッ!
ギヤオオアアアアアッ!
一体のバルログの太腿と足首がざっくり裂けっ! 転倒!
でも無理な攻撃! 彼は背中が! ガラ空きっ!
別のバルロッ! ムチッ!
バチィンッ!! ボボゥッ!!
「ぐああっ!!」
嫌あっ! 炎のムチが!
燃えっ! ああっ! 背中が! 体が! 燃えちゃっ!
”聖水砲っ!” ボポッ! ルシェリアの鏡の中から! 巨大な水の塊! ”聖水砲っ!”
ボポンッ! 人より大きな水の球が!
ボボボンッ! いくつも立て続けに!
ドパッザババッ! 戦闘範囲で弾けて!
ゴアアアアッッ!!
「ぐうぅっ!」
ブシュシュウウウッッ!!
一帯が水蒸気で!
ああっ! コックリの体の火が消えっ!
ああっバルログの炎のムチも消えた! やった! やった!
さらにバルログが苦しみっ! 聖水だから!?
もっと早く援護できたんっ!
「ヌオオッ! 聖棍技!」
気合の声に私は気づく!
もう一体のバルログ!
こっちに突進!
ドドドドドッ! 大地が! 揺れっ!
怖いっ! 巨人の突進!
でもクラウが迎え討つように走り!
ゴオオオオッ!!
バルログが! 炎のムチ! ボボボゥッ!
クラウは手のひらを! 突き出しっ!
「波動砲!」 ダンッ!
ムチが途中で弾かれ! そのまま波動がバルログへ!
ドバッ! バルログの突進が止まる!
クラウはそのまま飛び込み!
「衝波の槌!」 戦棍を横薙ぎに!
グオオオオッッ!!
バルログ! 反対の手に持っていた棍棒を!
真上から! ひゃあっ! 私より大きなそれを!
クラウに! ゴゥッ!
横と真上!
ダメッ! 先に戦棍がバルログに当たっても!
棍棒もクラウに当たる!
「ヌアアッ!」 クラウが身を捻じり! 無理やり横から縦に! 真上に! 「リャアッ!」
戦棍と棍棒! 激突っ!
ドゴンッ!!
棍棒が球形に潰れ! 粉砕!
やったっ!
ゴアアアアッ!!
ああっ! でも根本しかない棍棒を!
そのまま! 大地にっ!
ドゴッ!!
瓦礫の地が! 大地が揺れっ! ドゴゴッ!
「ぐわあっ!」 瓦礫がクラウに! クラウが後ろに吹き飛!
「クラウッ!」 私はクラウの元へ!
”雷!” バリバリッ!
間髪入れず!
クラウと戦っていたバルログを直撃!
ッッッ!!! バチバチバチッ!
や、やった! 黒焦げ! 黒焦げっ!
一気に! 炭化して行っ!
私はクラウに駆け寄る!
クラウは片膝をついて!
「クラウ! クラウ!?」
「クオオッ大丈夫!」
クラウはわき腹を抑えているけれど! 手には聖魔法の光!
ケガはしたけれどもう治している!
「うおおっ!」 キュインッドバンッ!
波斬の太刀の音!
見ると変わらず四体に囲まれたコックリが!
一体のバルログの腹を裂いて!
ダンッ! 瞬時に離脱!
ああっ! 彼から白煙っ! 水蒸気っ!?
コックリも傷だらけ! たぶん火傷も!
そのコックリをバルログが追うっ!
けれど炎のムチはないっ! それだけでも救われる!
ああっ追うバルログたちが! 大きく息を吸い込む!
炎を吐き出す準備!
”聖水砲!” ボポンッ!
そのバルログたちに巨大な水の球!
炎を吐き出した瞬間、水の球がバルログを撃つ!
ジュワワッ! ブシュシュウウウッ!
ああっお願い! 早くミサ始まって! お願い! 始まってぇっ!
お願い! お願いっっ!!
早くっ!
始まってぇっ!
祈りっ願いっ天を仰いだその時!
ゴロゴロ……!
ゴロゴロゴロ……!
鮮血の空に……薄い雲が……
薄い雲が……!!
あと2~3話のハズです!




