69 汚冥界:大聖堂前2
⬛コックリの視点
何てこった!
あと数分でミサッ! 現世に戻れる!
と思っていたらまさかバルログが! こんなに!
うおおっ!
一秒が! 果てしなく長い!
走馬灯を見る感覚か!?
縁起でもない!
だが向こうから押し寄せる巨人の群れによって!
俺の集中力は極限まで高まる!
ゴオオオオオッ!!
くおおっ! 俺はバルログへ向かいながら!
瞬時に向こうの戦力を把握する!
三十メートル先! 先頭は二体、両者とも炎のムチと棍棒!
二列目は三体! やはり炎のムチと剣、剣、斧!
三列目はだいぶ離れて二体! 炎のムチのみ! おそらくこの二体が鎗を投げた!
ルシェリアは危なかった! 修道院の守り神とはいえ、近接戦闘や速攻は弱いということだ!
七対一! 正面からぶつかるのは自殺行為!
しかし引けない! 正面から当たらなければ!
魔の巨人はシスたちに向かう!
「させるかっ! 聖剣技っ!」
刀身が輝く! 波斬の太刀の準備に!
星流れは行けるか!? いやダメだ! 溜めに時間を要するのと! 通常十太刀振れる剣を一撃で使い果たす!
この距離だと余裕で避けられる!
ゴアアアアッ!!
凄まじい敵意!
くおおっバカでかい上半身から黒煙!
直感でヤバイ! あの煙は吸ったらヤバイ!
あと二十メートル!
先頭二体のバルログがムチを振り上げる!
恐らく射程は七~八メートル!
刹那、背後のそれを察知! ルシェリアの霊力の高まりを!
「うおおおっ!」 俺は光る剣を横に! 瞬間バルログの視線が剣に! ヨシ!
”雷!”
バリバリバリッ!
ヴェセルドラゴンにダメージを与えた稲妻!
俺の後方から! 周囲が白むほど!
同時に左先頭のバルログが!
ゴアアアッ!!
うおおっ! 何てこった!?
稲妻を! 横に跳び! 避けた!
何て反射神経! いや、見てからの反応じゃない!
ルシェリアの攻撃の意思を感じ取って事前に跳んだんだ!
高い戦闘センス! 強いぞ!
だが避けたことで! バランスを崩した! 転倒するっ! 手をついて体を支えてるが!
俺は見えた! 一体を仕留め、三体を足止めするプランが!
俺はバランスを崩したバルログに!
左下から右上へ波動砲を! 「波……っ!」 刹那!
ボボボボボボッッ!!
「っ!?」
正面! 一列目の右にいたバルログが!
蝙蝠のような潰れた鼻から炎をっ!! 予想外!
振りかぶったムチは囮か!? 熱っ顔面直撃っ!? ヤッベエッ!!
「……動砲っ!」 ダンッ!!
俺は! 波動の発生先を変更!
向かってくる二本の炎に!
左下から右上へ掬い上げるように!
ドバッ!
波動は散乱する瓦礫を巻き上げ! 瓦礫がバルログへ!
さらに波動は炎を霧散させ!
ゴオオオオッ!!
ドゴゴゴッ! 瓦礫がバルログへ!
クソッ! クソォッ!
左のバルログに! 瓦礫と波動をぶつけて後ろへ吹き飛ばしたかった!
後ろに吹き飛べば! 二列目真ん中が足止めできたのに!
プランが変わった!
だが、まだだ! まだ何とかなる!
炎を噴き出したバルログに! 瓦礫が炸裂し! 動きが止まった!
「波斬の太刀っ!」
俺は一気に加速! 瞬間的にバルログへ移動し! 剣をがら空きの胸へ!
キュイイッ!!
波斬の太刀特有の甲高い音!
ヨシ! 熱したナイフをバターに当てるように! 剣が吸い込まれていくっ!
イィィ……ガキイィンッ!
何っ!? 何ぃっ!?
硬っ! 硬いっ! 胸骨に剣がぶち当たり! ガリガリと拮抗しっ!
ヤベェッ! 折れる!? 俺は手首の力で刃を滑らせるようにっ! 肉だけを斬り裂いていく!
キュイイイインッ!
肉だけ! 大胸筋からわき腹に! 胸骨を滑らせるように!
だが剣がガリガリ嫌な音を!
「うおおっっ!!」
剣を振り抜く!
次の瞬間!
ドバンッ!!
バルログの肉が! 斬り裂いた傷口が広がり!
巨体が宙に浮く!
何てこった! 宙に浮く程度か!?
後ろに吹き飛ばないか!?
うおおっ! 切り口が広がって見えたその胸骨が!
それは黒い鉄のような骨!
分厚く、太く、硬い骨!
これが骨か!? 天然の鎧だ!
「クソッ!! 」
何てこった! 俺の考えではこれでバルログ一体を倒して後ろに吹き飛ばし二列目右のバルログにぶつけることで、さらなる足止めを計画していたのに!
倒せないどころか、二列目までも吹き飛ばせない!
ヤバイッ! 剣が効かない!? 最悪の敵!
俺の背筋に悪寒が! その時!
「聖輝光!」 ゴバッ!
おおっ背後から! 圧倒的な聖なる力と光が! ヨシ、ナイスタイミング!
周囲を一気に包み込み! バルログどもが!
固まった!
「おらああっ!!」
俺は! 剣を振った遠心力を利用!
宙に浮いたバルログに! 回し蹴り! 当たる瞬間!
ダンッ! 波動砲!
ゴッ!!
吹っ飛べ! 後ろに!
後ろには二列目真ん中のバルログ!
当初の予定では二列目右へ吹き飛ばしたかったが、真ん中へ!
聖輝光で反応が悪い! ヨシ当たる!
これで五体中三体足止めっ! と思ったら!
グオアアアアッ!! ズグンッ!!
何!? 真ん中のバルログが!
持っていた大剣で! 吹っ飛んだバルログを串刺し!
胸から剣! あの鉄のような骨を貫通!
さらにそのまま真上に振り上げ!
ゴギギギギッ! ドバンッ!!
マジかコイツ!?
吹き飛ばしたバルログが上半身真っ二つに!
何て力!
だが! 隊列が乱れた!
先頭一列目、左のバルログは真横に飛び、四つん這い状態! 距離十五メートル!
二列目、左はそのバルログを避け! 十二メートルまで接近!
真ん中は吹き飛ばしたバルログが邪魔で足が止まってる!
右側がまだ走り寄ってくるっ! 距離十メートル!
斧を振り上げっ!
次はコイツだ! っと!
"雷!"
バリバリバリッ!
うおおっ!? 俺が右へ向かいかけた時!
ルシェリアから稲妻!
右側のバルログが! さらに右に飛び退く! おおっ遠くなった!
マズイ! 遠間はムチや炎の息を持つバルログ有利!
うおおっ!
攻撃してくれるのはいいが!
連携になってない!
ヤバイ! ヤバイ!
ゴオアアアアッ!!
二列目左にいたバルログが!
炎のムチを!
「うおおっ!」 ダンッ!
すんでのところで弾き飛ばす!
ヤバイッ! 剣では倒しきれないがその剣さえ届かない!
ルシェリアの攻撃は有効だが当たらないし連携にもなってない!
どうする!? ヤバイッ! ヤバイッ!
その時だった!
京都に紅葉を観に行って来ました。
良い時期になりました。




