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ゴッグ・シンドローム  作者: Kentarou Tou


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ゴッグ・シンドローム 第2話「白き悪魔の呼び声」


**Aパート**


第二話「呼び声」


その日の前日、仮設ベースキャンプの一角

テント内の一室に威風堂々と立つ、黒の制服の男――


マティアス・クロイツァー大佐


その姿は、まるで“鉄の意志”を纏ったようだった


マティアス・クロイツァー大佐

「……諸君、今回の任務は隠密行動だ」

「目標はデルタ地点……ここだ」


ミナ・カワシマ伍長

「アマゾンの水底……濁流の中を潜航するのですか?」


マティアス

「ああ、敵の警戒網を抜けるにはそれしかない。慎重に行動しろ」


ハル・ノイマン軍曹

「隠密ですか、折角ゴッグを二機も持ち込んだんです」

「とはいえ、一機はまだ完成してはいませんが」

「どうせなら、ド派手に連邦の防衛網を食い破ってやりましょう」


マティアス

「はやるなノイマン軍曹、功名心は命を縮めるぞ」

「我々の任務は、あくまで本隊突入のための水道確保と、ソナーによる監視だ」

「“勝つ”ためには、まず“生き残る”ことだ」


ミナ

「……大佐、監視と言いますが、気になる情報があります」

「オデッサ方面からの敗残兵の証言です」

「連邦軍に、極めて危険な新型モビルスーツが存在するという噂が……」


ハル

「またその話か、ミナ」

「『白い悪魔』とかいうバケモノの話だろう?」

「そんな奴が現れても俺と大佐で何とかしてみせるから」

「だからそんなに心配するな」


マティアス

「……噂を軽んじるな、ノイマン軍曹」

「戦場では、臆病な奴ほど長生きする」

「『白い悪魔』が実在するかどうかは問題じゃない」

「重要なのは『それを信じている敵兵がいる』という事実だ」

「もし不測の事態が起きたら、迷わずゴッグの装甲を信じろ」

「あれは、ジオンが生んだ鉄の城だ」

「生きて帰ることだけを考えろ……いいな?」


ハル

「はい!了解しました!」


ミナ

「はい!了解しました……!」


ハル

「俺とあのゴッグ二号機で――」

「俺たちメンバーの誰一人として欠かすことなく守りきってみせますよ」


ハルはそう言って、優しく笑った

マティアス大佐、ミナとハル、そして私

頼れる上官と仲間たち

あのベースキャンプには、確かに私たちの”居場所”があった

そんな風なひと時が昨日までは確かにここにあったのかもしれない

それまでの私たちは自信に満ち溢れており

まさか今日になってこのような事態に陥ってしまうことなど

夢にも思ってはいなかったのです

あの一瞬の閃光が、全てを奪い去ってしまうまでは……





**Bパート**


水柱が上がり、ゴッグが大きく揺れた

ミナは頭を打ち、視界が白くなる

ハルが何か叫んでいるが、聞こえない


機体が傾き、泥が巻き上がる

私たちはどこまでも川底に沈み込んでいく


深度計を見ると深度62メートルを超えてもなお、このゴッグはどこまでも沈んでいるようだった

そうしていく内に、やがて視界が茶色に染まる

巻き上がった泥が外部カメラの視界を茶色く染め上げ

やがて何も映さなくなった。


ミナが目を覚ましたのは、それからわずかばかりの時が経った後だった


ミナ

「……ハル?」


隣を見ると、彼はうずくまっていた

肩の傷から、血が滲んでいる


ミナは自分の額に手をやり

ぬるりとした感触に気づいた



自分も、額から出血していた


「……生きてる?」


「……ああ」


かすれた声

それだけで、少しだけ安心する


ハルは痛みに顔をしかめながらも、ゆっくりと身体を起こし

そして、鋭い目つきでコンソールを叩き始めた


ハルもミナもまだ、戦場にいるのだということを忘れそうになっていた


ハル

「ミナ、状況報告」

「深度、機体状況、それから……友軍の信号だ」


ミナ

「えっと、そうね……」

「酸素残量:72時間14分」

「現在深度:91メートル」

「機体姿勢:不安定」

「冷却ラインは未封止状態にあるわ。」

「通信機は……一応は使えるみたいだけど……」


ハル

「……そうか、なら、第8水陸両用機動大隊の、マティアス大佐――」

「もしくはリゼット准将と連絡を取ることができないか、試してくれ」


ミナ

「了解」

「こちらサルガッソ02!」

「サルガッソ01、マティアス大佐、リゼット准将――」

「もしくは他の誰でもいいので応答してください!聞こえますか?」






**Cパート**



「こちら02、ミナ・カワシマ伍長」

「敵の奇襲を受け、現在ポイント・アルファへ着底!」

「誰か聞こえますか?」


以下の2行はボリューム小さめ

(「ノイズ多く、応答なし、本隊、受信できていないのか?」)

(「誰でもいい、応答してください」)


青髪ショートヘアの女性

「……あれ?」

「ジオンの通信、入ってきたかも…?」


赤毛風の巻き髪の女性

「えっ!?敵!?ついに来たのね!? これはもう――」


金髪ブロンドでショートシャギーヘアの女性

「落ち着けっての!まだ“来た”とは言ってないでしょ!」


青髪ショートヘアの女性

「……“サルガッソ02…ひよこを回収”…って聞こえた、気がする…」


赤毛風の巻き髪の女性

「ひよこ……!なんて可愛いコードネームなのかしら!」


金髪ブロンドでショートシャギーヘアの女性

「いやいや、可愛いとかじゃなくて、意味がわかんないんだけど」


青髪ショートヘアの女性

「……ひよこ型モビルスーツ、かも」


赤毛風の巻き髪の女性

「きっと丸くて黄色くて、でも火力はすごいのよ!」

「脚部は特殊なパーツだったりするのかしら?」

「逆に腕がないとかでも面白そうですわね! 腕なんて飾りです、偉い人にはそれが分からんのですわ!」


金髪ブロンドでショートシャギーヘアの女性

「……は? いや、ないでしょ。そんなの、あるわけ――」


ひよこ型のモビルスーツのようなもの

「はー!」


青髪ショートヘアの女性

「“ひよこ型モビルスーツ、要注意”…っと」

(メモには小さく『ノエルのメモ』と書かれており、この女性の名前が『ノエル』であることが伺える)


金髪ブロンドでショートシャギーヘアの女性

「ちょ、ちょっと待って。 ……ほんとに、ないよね? そんなの、ないって言ってよ…」


赤毛風の巻き髪の女性

「じゃあ、私たちも出撃準備、しちゃう?」


金髪ブロンドでショートシャギーヘアの女性

「出撃!? しないからね! そもそも許可出てないし」

 「ていうか、ひよこって何よ…! ひよこって!?」


青髪ショートヘアの女性

「……でも、もし来たら……可愛いかも」





**Dパート**

「こちら02、ミナ・カワシマ伍長」

「敵の奇襲を受け、現在ポイント・アルファへ着底!」

「誰か聞こえますか?」


(誰だか分からないジオンの軍服を着た人物が通信機を拳銃で撃つような映像が流れ、唐突にそこで映像が途切れ、薬莢が地面に転がるような環境音を残し画面が暗転。といった意味深なシーンを残して本編終了)

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