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十年間、異世界の女騎士に片思いしている33歳医師、告白の瞬間に勇者帰宅。  作者: 有栖賀馬頭(TL名義は朱里雀)


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「せ……宣誓、私達は本日改めて女神様に誓います! 沢山食べて沢山学び、良き信徒として困っている人がいれば助け、いつも笑顔でいて、授かった力を正しいことに使います!」


 凄い。

 難しい言葉なのに、最後までちゃんと言い切った。

 思わず保護者のような気持ちになり、涙腺が緩みそうになる。


 魔法学校で校長を務めていそうな、髭の長い優しげな老人、神官長が前へ出てきた。

 そして本当に校長先生のように、子どもたちへ長く、ありがたい言葉を贈る。

 それが終わると、いよいよ魔力適性を測る儀式が始まった。


「うむ。それでは一人ずつ順番に並ぶように」

 神官が水晶の前へ立ち、子どもたちが一人ずつ名前と年齢を名乗って、適性を測ってもらう。


 一番後ろに並んでいる宏一は、前の様子を眺めた。


 背筋をぴんと伸ばして立つ子。

 緊張でそわそわしている子。

 落ち着きなく足をもじもじさせている子。


 皆、緊張していることだけはよく伝わってくる。

 測定を終えた子は親元へ駆け寄り、

「ぼく火だった!」

「わたし治癒だったー!」

 と、嬉しそうに結果を報告している。


 子どもの将来を左右しかねない儀式なら、もっと悲喜こもごもかと思っていた。


 だが、どの親も笑顔だ。


 そこで気づく。

 教えられているのは適性だけで、魔力量までは伝えていないのだ。


「橋本宏一。三十三歳、よろしくお願いいたします」

 社会人らしく、名刺こそ渡さなかったものの、ぴしりと頭を下げる。


「う、うむ。では手をかざしたまえ」

「はい」


 水晶へ手をかざすと、ゆっくりと色が変わっていく。


「ほう、なかなか良い適性ではないか」


 一瞬、笑みがこぼれそうになる。

 だが、自分の前にいた子どもたちも、皆それぞれ褒められていた。

 きっと励ますための決まり文句なのだろう。

「ありがとうございます」


「ふむ……そなたの適性は『鑑定』じゃ」

「鑑定……ですか?」

「うむ。大切にその力を伸ばしていくように」


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