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35歳の俺が上司ざまぁするまでの物語  作者: VANRI


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32/52

一年間という時間、久々の集結

一年間の時を経て、何が起こったのか、

そしてこれから何が起こるのか。

人間関係、仕事関係の話メインになり、

タイトルのざまぁどこ行った?

 高橋と俺、他数名は如月の営業所に異動した。

高橋は副所長、俺も会社都合の異動になったからと役職は副所長のままだった。副所長二人体制だ。


 元々、俺たち二人とも出世欲がなかったので、

高橋は給料が減っただろうが大して気にしていなかった。


 俺が気にしていたのは、以前この営業所に来た時に灰色のイメージが強かったこと。

俺たちピンク? 組が混ざるとどんな色になるのだろうと、さぞ汚い色になるに違いない、と思っていたがそうでもなかった。


 ここの人たちも完璧に無視する訳ではなく、俺たちの出方をそっと見ている感じで、話せば話してくれるし、わからないことも教えてくれる。


 俺たちは積極的な仕事の仕方を学べ、ここの人たちは手の抜き方を学んでいるようだった。

 混ざった結果、コンクリートの中にポツポツ花が咲いているようなイメージになった。

 これはこれで互いの成長になっていい効果だと思う。




 異動して最初数カ月は元の社員たちとやり取りをしていたが、それぞれの仕事が忙しくなり次第に減っていった。一緒に働いていた社員たちのことを考える時間すら少なくなっていくのを感じていた。



 だから高橋からまた営業所を再開出来る、と聞いた時は夢かと思った。あまりのことに耳を疑った。

 ずっとそれを目標にしていたが、時間が経つにつれ現実味が薄れていたからだ。


 本当は、子供のように飛び跳ねて喜びたかったが、さすがにそれは出来なかったので高橋と強く抱擁を交わした。


 また皆に会える。心に秘めていた想いが一気に溢れ出てくる。



――――――



 営業所の再開前にみんなで集まろうという話になり、飲み会が行われることになった。

 まあ、ただ単に久しぶりにみんなで飲みたい! 

ってのが本音だろう。


 居酒屋に入ると懐かしい顔の面々が目に映る。

やはり長年一緒だったこともあり、安心感がある。

皆もそうなのだろう、笑顔が絶えない。


 簡単な乾杯をして宴が始まった。

佐伯さんは変わりなさそう。少し髪が伸びたかな?


「え〜! 佐伯さん彼氏出来たんだ〜!」

「う、うん。異動先の人で……」


 名前にすぐ反応してしまう。


 へー彼氏出来たんだー。出来るよなぁ〜、

一年ありゃなんか起きるよね……

まあ、正直ショックだけど。



 阿部がどこからか飲み会を聞きつけて颯爽と現れる。

 「おつかれ〜」とみんなに愛想を振りまいて、迷わず俺の目の前に座った。


 そして机をバン! と叩き、目を吊り上げる。



「で? なんで俺に離婚したこと教えてくれなかったの?」


「ええーーー!?」

思わず隣にいた藤田が叫ぶ。

居酒屋に到着したばかりの安田も飛んで来た。

高橋はすでに知っているので、こちらの様子を遠目で見ている。


「え〜成瀬さん浮気しちゃったんですか〜?」

藤田がニヤニヤしながら聞いてくる。


「違ぇよ……されたんだよ……」

「え!? ガチですか!? エグいですって!」

藤田だけでなく周りも明らかに引いている。


「なんだー。知らなかったの俺だけじゃなかったのかー」

阿部の怒りが収まり始めているようで良かった。


 高橋がグラスを持って近くに座ってきた。

「もう聞いてくれよ〜こいつめちゃくちゃ可愛かったんだから〜」

「え! なになに!? 仕事でミスとかしてた?」

阿部が興味を示し身を乗り出してきた。


 酒が入った高橋は饒舌に話し出した。

「ぜーんぜん。仕事とプイベートは分けるタイプじゃん、こいつ。

 離婚のショックとかないのかな? とか思ってたわけ。そしたら外回り行った時に、娘と同じ年の子見たらもう、瞳うるうるさせて眉も八の字にして俺の顔見るんよー! もう押し倒しそうだったわ!

アハハ……」


「えー! そんなとこあるんですかー! 

見たい見たい! 

してくださいよ〜、おめめをうるうるに!」

藤田が肩を揺さぶってくる。


「今は大丈夫なんですか?」

安田は横に座って、心配そうな顔をしながら覗き込んでくる。


「安田ぁ〜!!」と言いながら安田に覆いかぶさり熱く抱き締める。

「もうお前だけだよ〜! ちゃんと心配してくれるの〜!」


「いやいや、俺たちも心配してるって〜

ただちょっと面白がってるだけだって〜アハハ……

なあ、高橋」

「そうそう! 俺がどんだけ慰めてやったか〜ハハッ」


 安田と藤田は他の席に呼ばれたらしく席を離れた。

三人になったので声をひそめて話を始める。


「で? 離婚した時に佐伯さんには言ったんだろ?」

阿部が周りを気にする素振りで俺を見る。


「いや……言ってない」

「なんで!?」


「卑怯じゃないかなって……

それ言われれば、自分の都合関係なく俺に会いに来ないといけなくなるだろ?

別に付き合ってるわけでもないし……」

「まじめだね〜」


「もう伝わったみたいだな」

高橋がチラッと佐伯さんの方に目をやる。


 安田と藤田が佐伯さんの近くに座り数人で話している。佐伯さんを含め数名は驚いた顔でこちらを見るが、すぐに目を戻して話を続けている。


 これは伝わったな……

別にいいや。そのうち伝わると思ってたし、本当のことだし……


「それより、如月さんとは上手くいってんの?」

阿部に投げかける。

「え? うん、普通に……

え!? 何!? 俺の彼女狙ってんの!?」


 わざと遠い目をして答える。

「そうだな……それもいいな……

前と違ってバツイチになって魅力も増してるからさ……

一人寂しいし、狙ってもいいかな……」


「何言ってんだよ!! ちょっと高橋!!

こいつ自分が不幸だからって俺まで巻き添えにしようとしてるって!!」

「阿部……諦めろ……成瀬は離婚して色気が溢れてる……もう誰にも止められないだろう……

可哀想だから譲ってやれ……」

「はぁっ!? ちょっと!

 二人してやめろよ〜!!」


 高橋と二人で思わず吹き出す。

「アハハ……さすがの俺も同期の女奪うほど落ちぶれてねえわ!」

「阿部はすぐ本気にするもんな〜!」


 阿部は少し怒った表情を浮かべる。

それに対し言葉をかけた。

「俺さ、お前に離婚したこと言おうとしたんだよ、何度も。なあ?」

「そうそう、それで飲みに行こうって誘ってたのに、毎回如月さんと会うとかで会えなかっただけ」

「だって……」



 阿部は気になったことがあったようで、パッと顔を上げる。

「本当にバツイチってモテるのか?」

「あ〜……モテる? かな?

女から言い寄られるとかより、飲みに誘いやすいらしくって、離婚してこの半年はよく飲みに行ってたかな。家に帰っても一人で暇だし。

 まあこれからは営業所再開で忙しく出来そうだから、彼女作るどころじゃなくなりそうだけどな〜」

「そうそう、女が全てじゃないって。俺ら仕事もあるしさ!」

高橋が背中を軽く叩いてくる。


「まあね……」

阿部はどこか不服そう。





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