78 婚約発表
「王女ルナは、エメラルティー侯爵の息子、エリアルと婚約する。いいな、カイゼル?」
国王は、謁見の間にいた護衛兵の一人に視線を移した。
「バレていたか……結婚なんざ、父親ではなく、二人で決めるものだ、俺は関係ない」
カイゼルヒゲが見えた! クソ親父が、護衛兵に化けて、全てを見ていた。
「そうだな」
国王が、政略結婚ではなく、恋愛結婚であると認めた。
「あ、クロガネの婚約も発表しようか?」
国王が、思いついたように言った。
「なに?」
王弟殿下が、キョトンとしている。
「クロガネは、かねてから愛し合っていた女神フランソワーズと婚約させる」
「「え?」」
私と王弟殿下の声がハモった。
しかも、公の場で、私の称号を「女神」と言ったし……
「これからプロポーズしようとしていたのに! ぶち壊しじゃねぇか!」
王弟殿下が真っ赤な顔をして怒っている。
「私は、幼い頃に、王弟殿下から愛を告白され、その時に結婚したいと答えています……覚えていませんか?」
王弟殿下の目を見て、言った。
それがあったからこそ、一緒に王国のために身をささげることを決意したのだ。
「俺が、留学から帰ってきた時のことか……」
覚えていてくれたんだ!
「約束は、守ってくれますよね?」
「約束は守る……しかしだな」
まだ、決心がつかないの?
「図書室で、私に忠誠と永遠の愛を誓いましたよね?」
「確かに、誓った」
「わがはいに、娘もできたのか。これはめでたい!」
コノハ様が割り込んできた。喜んでいる……いや、タイミングが早いって。
え! 王令殿下が私を抱きしめてくれた。
「フラン、大きくなったな」
温かい胸の中に顔を埋め、私は大粒の涙を隠した。
めでたし、めでたし……な、わけがない!
大事なことを忘れるところだった。
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