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69 呪いの解除


「あらら、裏ボスに気付かれちゃった」


 聖女ソフィアが、召喚の聖堂に突然入ってきた元女王コノハ様に、軽口をたたいた。

 まるで、来ることが分かっていたような対応だ。



「聖女ソフィア、このメトロポリテーヌ王国へ足を運んでくれたことに感謝します。でも、その冒険者みたいな服装はどうした?」


「急いだ方が良いと思って、馬を飛ばし、一人で来たからね」


 聖女なのに、お供を付けないで……呆れるというか、逆に、その行動力に憧れてしまった。



「コノハ様も、王弟殿下の顔が、封印された魔王だと気が付いていたのでしょ?」


 聖女が元女王に、軽く笑いながら、探りを入れた。


「魔王の顔だとは気が付いたが、中身がクロガネだとは……いまだに信じられない」


 元女王はキリっと前を見据えている。私なら、見透かされたようで、うつむいてしまうところだ。



「私が見たところ、儀式で開けた空間は、異世界の扉ではなく、魔王を封印した別世界の扉だね」


 魔王を封印した別世界の扉を開くって、よく考えれば危険な儀式だったようだ。


「しかも、その扉は、閉まりきっていないね」


 聖女ソフィアの言葉に、コノハ様が凍り付いた……そっか、魔王が復活して、扉から出てくるかもしれないんだ!



「さて、クロガネを元の姿に戻しましょう。その魔王の姿だと、落ち着かないからね」


 軽く言うが、大変な儀式になるのでは?


「クロガネ、六ボウ星の中心に立って」


 いきなり、床の六ボウ星が輝いた。

 早いって! 期待を持たせるタメが必要でしょうが。



 聖女ソフィアの胸のあたりが赤く光っている。あの宝石だ。


「フランソワーズ?」


 コノハ様が私を見ている……私の胸のあたりが紫色に光っている。あの宝石だ。


 しまった、瞳の色を隠すことを、忘れていた。しかも、宝石を隠し持っていることも、コノハ様にバレた。


「フランソワーズ様の持つ宝石のおかげで、膨大な魔力を使う事ができ、楽に、素早く魔法を展開できる。これはクセになるね」


 聖女ソフィアは、楽しそうに、儀式を進める。


 そっか、私の持つ宝石は、魔法を増幅するアンプと、膨大な魔力を貯えて供給するタンクの力があるんだった。



 サクラ姿の王弟殿下が、光の渦に包み込まれた。


「王弟殿下……」


 光の渦が、消えていく。


 ◇


「成功のようね」


 聖女ソフィアが、安どしている。


 この横顔は……六ボウ星の中心で、王弟殿下が片ヒザをついている。元の顔に戻っている、成功だ。


 さらに、衣服が弾け、王弟殿下の前で、一冊の本に変化している。


「俺は、帰ってきた……」


 この渋い声は、王弟殿下だ。本当に無事なのだろうか?



「あ、どうしよう……これ」


 王弟殿下が何かを見せてきた。彼の手には、黒いけど、私たちの持つ四角い宝石と同じ宝石があった。


「「……」」


 私と、聖女ソフィアは、言葉を失った。その宝石は、勇者パーティーが持っていた宝石だから。



 王弟殿下が、宝石をどうしたら良いかわからず、立ち上がる。


「まず、パンツを履け!」


 コノハ様が、衣服が弾け飛んでいる王弟殿下を、一喝した。




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