表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/80

50 クズ石


「私の瞳は、宝石などではなく、クズ石なのです」


 王族専用の個室の中、サクラと二人きりではあるが、私の瞳の色が変わることに、気付かれたくはなかった。見つからないようにと、いつもベールで隠してきたのに。



「私の、エメラルティー侯爵の領地は、美しい緑色のエメラルドが産出し、外貨で潤っていました」


 これ以上は隠し通せない。仕方ないので、私の秘密を話すことにした。サクラなら口外することはないだろう。


「しかし、私が生まれたころから産出が減り始め、エメラルドとして価値がない石……ローソク魔法の下では紫色に変るクズ石……しか、出ないようになったのです」


「私のイヤリングに付いている小さな宝石……これがクズ石です」


 イヤリングを外して、サクラに見せた。

 今は、日光の下、エメラルドの様な緑っぽい石だ。



 個室の中、ローソク魔法のランタンを灯し、遮光カーテンを閉める。


 イヤリングのエメラルドの様な緑っぽい石が、紫色に変わった。


 私の瞳も、青緑から紫に変わったはずだ。サクラが、イヤリングと私の瞳を交互に見ている。嫌われるかな。


「これでは、エメラルドとしての価値はゼロ……」


 自分で言いながら、領地の将来を思うと不安で、悲しくなってしまう。



「瞳の秘密がバレると、私は貧乏神だと陰口をたたかれるので、絶対に言わないでね」


 うなずくサクラ……でも、何か納得がいかないようだ。


「父は、美しいと言ってくれたけど、隠せと命令されました」


 それほど、この瞳の色は、ひどいのだろう。



「オレは、フランの瞳は、宝石のように美しいと思う」


 サクラは、美しいと言ってくれた。ウソでもうれしい。



「勇者パーティーは、瞳の色と同じ色の宝石を所持していたことは、知っているか?」


 元女王コノハ様も、勇者パーティーたちは異世界の宝石を持っていたと言っていた……




お読みいただきありがとうございました。

よろしければ、下にある☆☆☆☆☆から、作品を評価して頂ければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ