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剣しか持ちえない少年の英雄譚  作者: 喜怒哀楽
イリス奪還編
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一分でも長く

ついに始まる、ラウゼンとファイデン王国軍の戦い。


一分でも長く戦線を維持できれば、その分だけ多くの民を逃がすことができる。


ザインたちは、避難を続ける人々を背に戦場へ立ちます。


敵陣の奥で、いくつもの杖が掲げられた。


先端へ集まった光が、薄暗い空の下で不気味に明滅している。


風が止んだ。


旗のはためく音も、鎧の擦れる音も消えたように感じる。


聞こえてくるのは、背後の王都から響く鐘だけだった。


民を逃がすための鐘。


今もあの城門では、次の避難隊が出発を待っている。


「……多いな」


見渡す限りを埋める敵兵へ、ザインは目を細めた。


「数だけなら、まだやりようはある」


隣で剣を抜いたガレスが、低く続ける。


「問題は、あの連中が全員、戦い方を知っていることだ」


ファイデン王国軍は、誰一人として隊列を乱していない。


前衛の盾兵。その後方に槍兵が並び、さらに奥では魔法兵が杖を構えている。


人の波ではない。


一つの巨大な生き物のように、号令を待っていた。


レオニスが兵士たちの前へ進み出る。


向き合ったのは敵ではなく、ラウゼン軍とエルグランド第1軍だった。


「我々が一分立っていれば、その一分で民が遠ざかる」


張り上げた声が、戦場を走る。


「勝つためだけに戦うのではない」


兵士たちの視線が、王へ集まった。


「生かすために、ここに立て」


敵陣から、低い角笛が響いた。


杖に集まっていた光が、一斉に放たれる。


炎。


氷。


雷。


無数の魔法が空を埋め、ラウゼン側へ降り注いだ。


「防げ!」


前列の兵士たちが盾を重ねる。後方から展開された防御魔法が、その上を覆った。


轟音。


光が弾け、地面が揺れる。


衝撃に耐えながら、レオニスが剣を掲げた。


「迎え撃て!」


ラウゼン連合軍が前へ出る。


ファイデン軍も動き始める。


土を蹴る無数の足音が重なり、大地そのものが唸った。


二つの軍勢が、正面から激突した。


*


盾と盾がぶつかる。


剣が鎧を叩き、槍の穂先が隙間を狙う。


一人のファイデン兵が倒れた。


その身体が地面へ着くより早く、後ろにいた兵士が穴を埋める。


攻撃を続けようとしたラウゼン兵へ、盾の隙間から槍が伸びた。


悲鳴。


別の兵士が倒れる。


空いた場所へ、さらに敵が押し寄せた。


押し返しているはずなのに、敵の圧力が弱まらない。


ザインの正面でも、三枚の盾が隙間なく並んでいた。


その奥から槍が突き出される。


身体が動いた。


踏み込んだ右脚へ、必要な分だけ魔素が集まる。


半歩だけ横へ。


穂先が脇を通り過ぎた瞬間、脚から魔素を抜く。腰の回転へ合わせて背中へ流し、肩から腕へ繋げた。


剣そのものには流さない。


握る指まで。


身体によって生まれた力を、そのまま刃へ伝える。


振り抜いた剣が槍の柄を断ち、盾の縁へ食い込んだ。


以前なら力任せに盾ごと兵士を吹き飛ばしていた。


今は違う。


盾を支える腕。その力が最も弱くなる角度。


そこへ刃を滑らせる。


盾が外へ流れ、背後の兵士の姿が晒された。


刃を返す。


首元へ一撃。


崩れ落ちる身体を避け、次の敵へ向かう。


左脚へ魔素を移し、必要な距離だけ踏み込む。攻撃へ転じる瞬間には、力はすでに腰へ移っていた。


二人目。


反撃の剣を受ける腕だけを強化し、刃を外へ流す。


三人目。


大きく振りかぶる前に懐へ入り、鎧の隙間を斬る。


動きが止まらない。


それでいて、身体のどこにも余分な力が残っていなかった。


「……軽い」


全身を魔素で満たしていた頃とは違う。


一度の攻撃に使う量が少ない。


剣を振った直後でも、次の動作へ移れる。


息も上がっていない。


これなら戦える。


そう思った直後、側方から槍が迫った。


上体を捻って躱す。


「っ……!」


腹部の奥に、鋭い痛みが走った。


一瞬、息が詰まる。


傷口は塞がっている。それでも、フィルに貫かれた内側まで完全に戻ったわけではない。


動きの鈍ったザインへ、ファイデン兵が踏み込んできた。


炎が横から突き抜ける。


敵兵の身体が吹き飛び、後ろの盾兵へ激突した。


「余所見しない!」


少し離れた位置で、イリスが次の魔法を構えている。


「してねぇよ!」


「今、してたでしょう!」


言い返す間にも、新たな敵兵が迫る。


前へ出て、その剣を受け流した。


イリスが大きな魔法を撃つには、ほんの僅かな時間が必要になる。


その時間を作るため、敵前衛の中へ踏み込んだ。


盾の内側へ入り、一人を斬る。


突き出された槍を剣の腹で逸らし、柄を蹴り上げる。


隣の兵士が盾をぶつけてきた。


衝撃を受ける肩と脚だけを強化する。


耐えた直後には力を抜き、押し合おうとせず身体を沈めた。


盾が頭上を通る。


敵の懐へ潜り込み、下から斬り上げる。


隊列の一角が崩れた。


「イリス!」


返事の代わりに、肌を焼くような熱が背後から押し寄せる。


屈んだザインの頭上を炎が通り抜け、崩れた隊列の奥へ突き刺さった。


爆炎が広がる。


数人の敵兵がまとめて吹き飛び、前線に穴が開いた。


ザインがその穴へ踏み込む。


イリスも詠唱を終えた直後には次の敵へ視線を移していた。


相談する必要はない。


どちらが前へ出て、どちらが隙を広げるのか。


互いの動きを見れば分かった。


だが、ファイデン軍も崩れたままではいなかった。


短い号令が響く。


後列の兵士たちが前へ出て、開いた穴を塞ぐ。


弓兵が同時に構えた。


放たれた矢が、ザインとイリスの間へ降り注ぐ。


二人は左右へ分かれた。


その隙間へ盾兵が流れ込み、分断する。


「やっぱ、面倒だな……!」


ザインは剣を握り直し、目の前に重なる盾へ踏み込んだ。


*


前線の一部が、じりじりと押し込まれていた。


盾を砕かれた兵士が後退する。


その背へ別の兵士がぶつかり、隊列が乱れた。


ファイデン兵は、揺らいだ一点へ攻撃を集中させる。


一歩。


さらに一歩。


ラウゼン側の戦線が後ろへ下がった。


「崩れるな!」


レオニスが、自らその場所へ飛び込んだ。


迫る槍を剣で払い、前へ出た敵兵の肩口を斬り裂く。


「まだ我々の後ろには、民がいる!」


その声が戦場へ広がった。


目には見えない何かが、兵士たちの間を駆け抜ける。


恐怖に固まっていた足が動いた。


呼吸を乱していた兵士が、再び盾を持ち上げる。


傷を負い、膝をつきかけていた者が、隣の兵士に肩を預けながら立ち上がった。


失われかけていた足並みが揃う。


誰も操られてはいない。


命令だけで立たされているわけでもない。


自分たちの後ろにいる者を守りたいという意思。


その火を、王の声が再び燃え上がらせた。


「前へ!」


レオニスが敵陣へ剣を振るう。


兵士たちが続いた。


押し込まれていた盾の列が止まる。


一歩を取り戻す。


さらに一歩。


ラウゼン軍と第1軍が声を上げ、ファイデン軍を押し返した。


その間にも、王都の鐘は鳴り続けていた。


*


遠くで響く轟音に、魔獣車の窓が震えた。


避難民たちが一斉に身を縮める。


泣き出した子供を母親が抱き寄せ、老人が不安そうに王都の方角を振り返った。


「前へ進んで!」


ノアは列の脇を走りながら声を張った。


「立ち止まったら、後ろの人たちも逃げられなくなる!」


一台が動けば、その後ろにいた魔獣車も進める。


だが、僅かでも止まれば、城門まで続く列がすべて詰まる。


家族と離れた者が名前を叫んでいる。


置いてきた荷物を取りに戻ろうとする者もいた。


兵士たちは一人ずつ説得し、魔獣車へ乗せていく。


そこへ、前線から伝令が駆け込んできた。


「戦線は維持されています!」


ノアは振り返った。


遠くの空へ、火と煙が上がっている。


その下でザインたちが戦っている。


一分でも長く。


その一分を無駄にはできない。


「なら、今のうちに次を出す」


御者へ合図が送られた。


魔獣車が動き始める。


一台。


また一台。


子供と老人を乗せた車列が、ラウゼンを離れていく。


避難担当の兵士が、手元の名簿を抱えて駆け寄ってきた。


「ノア様、名簿にない者たちがいます」


兵士が示した先に、泥に汚れた一団がいた。


王都周辺の村や、街道沿いから逃げてきた者たちだ。


誰もが疲れ果て、怯えた顔をしている。


「村の記録と照合しなければ、身元を確認できません」


再び轟音が響く。


一団の中で、幼い子供が耳を塞いだ。


兵士が迷いながら尋ねる。


「確認が取れるまで残しますか?」


ノアは人々の顔を見た。


本当に全員がラウゼンの民なのか。


確かめるには時間がかかる。


けれど、その時間を待っている間にも、敵は近づいてくる。


「乗せて」


「ですが――」


「確かめるために、ここへ置き去りにはできない」


兵士は一瞬だけ黙り、すぐにうなずいた。


「分かりました!」


空いている魔獣車へ、一団が誘導される。


ノアも次の列へ走った。


その選択によって生まれた僅かな隙が、何を運び込むのか。


今はまだ、誰にも分からなかった。


*


一度押し返されたファイデン軍が、隊形を変えた。


盾兵が横へ広がる。


その隙間から長槍が伸び、ザインの間合いの外から攻撃を繰り返した。


踏み込もうとすれば、矢と魔法が進路を塞ぐ。


右へ避ければ盾兵が待ち、左へ動けば槍が追う。


ザインを倒そうとしているのではない。


動ける場所を、少しずつ奪っている。


さらに別の部隊が戦線の端へ移動し、王都側へ回り込もうとしていた。


そちらへ向かおうとした瞬間、盾が前を塞いだ。


斬り崩す。


次の盾が出る。


もう一枚。


その後ろから槍が迫った。


刃を弾き、無理に身体を捻る。


腹部が熱を持った。


「っ……邪魔だ!」


敵を斬っている。


一人ずつなら、負ける相手ではない。


それでも、別の場所では敵が前へ進んでいる。


ザインが一つの穴を塞いでも、戦場の反対側に新しい穴が開く。


ガレスの声が飛んだ。


「右翼、三歩下がれ! 中央と線を揃えろ!」


乱れかけた兵士たちが、指示に従って動く。


ダリオが戦場の端へ顔を向けた。


「側面へ回る部隊がいる! 王都へ抜ける気だ!」


その声を受け、リナが敵の魔法兵へ向けて術を放つ。


発動しかけていた魔法が空中で揺らぎ、狙いを外れて地面を抉った。


空いた僅かな時間に、ジグが押し込まれた前列へ飛び込む。


肩口から血を流しながらも、大きく足を開いて敵の盾を受け止めた。


「ここは通さねぇ!」


ダリオの警告で向きを変えたラウゼン兵が、その両脇を固める。


後方ではミレイアが負傷者の間を走っていた。


倒れた兵士へ手をかざし、傷を見る。


「この人は後ろへ! そっちはまだ戻せる、止血を優先して!」


全員を同時には救えない。


前線へ戻せる者。


下げなければ死ぬ者。


今この場で治療しなければならない者。


迷っている時間すらない中で、判断を繰り返していた。


イリスの魔法が敵の一団を飲み込む。


炎が晴れる前に、次の詠唱へ入った。


呼吸が荒い。


額には汗が浮かび、杖を握る手にも疲労が見える。


それでも退かない。


負傷した兵士の前へ立ち、迫る敵へ魔法を放ち続けている。


その横顔を見た瞬間、胸の奥に嫌なものが沈んだ。


自分は、この戦争で死ぬかもしれない。


未来が見えたわけではない。


フィルに敗れ、腹を貫かれた。


一度は、自分の身体へ戻れなくなりかけた。


傷はまだ残っている。


これ以上の魔素を取り込めば、人間のままでいられる保証もない。


そして今、周囲では次々と人が倒れている。


ここで死ねば。


イリスへ何も伝えないまま、終われば。


「ザイン!」


声に反応し、振り向く。


敵の剣が迫っていた。


腕へ魔素を集め、刃を受け流す。腰へ繋ぎ、返す剣で敵を斬った。


今は考えている場合ではない。


それでも、胸に生まれたものは消えなかった。


戦争が終わってからでは、遅いかもしれない。


*


戦闘が長引くにつれ、地面を覆う倒れた兵士の数が増えていった。


レオニスの力を受けていても、傷が消えるわけではない。


尽きた体力が戻り続けるわけでもない。


ひび割れていた盾が砕ける。


前列の兵士が槍に貫かれ、後ろへ倒れた。


空いた場所へ敵兵が殺到する。


「穴を空けるな!」


ガレスが叫ぶ。


ザインとイリスが同時に動いた。


だが、崩れた場所は一つではない。


右翼。


中央。


さらに王都へ続く街道側。


三か所で敵が前へ出ていた。


イリスの魔法が一つを押し返す。


ザインが別の一つへ斬り込む。


残る部隊が、その間にも王都へ進む。


追おうとしたザインの前へ盾兵が重なった。


矢が降り、長槍が逃げ道を塞ぐ。


腹部の痛みが強くなる。


呼吸も、戦い始めたときより重い。


前へ出なければならない。


だが、身体は一つしかない。


王都へ向かう敵兵たちが速度を上げた。


その足元が、突然盛り上がった。


地面を突き破り、巨大な土壁が現れる。


先頭の兵士が激突し、後続が立ち止まった。


別の場所では地面が沈み、敵兵の足が取られる。


土の棘が左右から突き出し、広がっていた部隊を一つの狭い通路へ追い込んだ。


無秩序に壊したのではない。


敵の進路だけを削り、味方が迎え撃てる場所へ誘導している。


ザインは、その戦い方を知っていた。


狭められた通路へ、大柄な男が飛び込んでくる。


剣を振り下ろした敵兵の腕を素手で外へ逸らし、その懐へ潜り込んだ。


拳が鎧へめり込む。


鈍い衝撃音。


殴られた兵士が宙へ浮き、後ろにいた二人を巻き込んで倒れた。


「こんな狭いところに固まってりゃ、殴ってくれって言ってるようなもんだろ!」


「ロイド……?」


敵部隊が左右へ回り込もうとする。


その間を雷光が駆けた。


一人目の脇を抜けざまに斬る。


二人目の槍を双剣で弾き、すれ違いざまに鎧の隙間へ刃を通す。


三人目が振り向いたときには、男はすでに別の場所へ移っていた。


身体と二本の剣へ、青白い雷がまとわりついている。


「久しぶりに会ったってのに、歓迎が随分と物騒じゃないか!」


「こいつらに言え!」


敵を斬りながら返す。


「無理無理! 俺、人見知りだから!」


「どこがだ!」


軽口を叩きながら、カイルは孤立しかけていたラウゼン兵のもとへ駆ける。


敵兵を二人斬り、反撃が集まる前に雷光となって次の場所へ消えた。


その直後。


風を裂く鋭い音がした。


ザインの死角から放たれていた攻撃が、横から飛来した矢に射抜かれる。


続く二本目が敵兵の肩へ。


三本目は風をまとい、味方の間を縫うように軌道を変えて別の敵へ突き刺さった。


矢が飛んできた方向を見る。


離れた丘の上。


弓を構えた女が、すでに次の矢を番えていた。


「……セレナ」


「戦場で突っ立ってると、次は助けないわよ」


「突っ立ってねぇ!」


「返事をしてる暇があるなら動きなさい!」


言われる前に、ザインは踏み込んだ。


ロイドの土壁で分断された敵へ剣を振るう。


カイルの雷がその横を駆ける。


頭上を越えたセレナの矢が、後方の敵魔法兵を射抜いた。


「ロイド……カイル……セレナ……」


第1章で共に戦った三人。


その後ろから、さらに大勢の足音が迫ってくる。


冒険者たちだった。


装備も、戦い方も揃っていない。


それでも、自分が何をすべきかは分かっている。


誰一人としてザインの周囲には集まらない。


崩れかけた場所。


敵が抜けようとしている場所。


負傷者が取り残された場所。


それぞれが必要な戦場へ散っていく。


その先頭に、ギルド長がいた。


「随分と派手にやってるじゃねぇか!」


「来るのが遅ぇんだよ!」


「間に合ったんなら文句言うな!」


言い返した直後、イリスのいる方角から激しい衝撃音が響いた。


魔法を放った直後のイリスへ、複数の敵兵が迫っている。


正面だけではない。


別方向からも一人が斬り込んでいた。


イリスが杖を向ける。


だが、次の魔法はまだ間に合わない。


一人の男が、その前へ割って入った。


敵の刃を受け流し、続く兵士を退ける。


具体的な動きを目で追うより早く、イリスを囲んでいた敵の一角が崩れた。


男が娘を庇うように立つ。


イリスの唇が、小さく動いた。


「……お父様?」


男は一度だけ、娘へ顔を向ける。


「話は後だ!」


すぐに次の敵へ向き直った。


「まず、こいつらを片付けるぞ!」


一瞬だけ目を見開いていたイリスが、杖を構え直す。


「……はい!」


父と娘が並び、迫る敵へ向き合った。


援軍によって、崩壊しかけていた戦線が止まる。


土壁が敵の流れを分ける。


雷光が開いた穴を駆け抜ける。


矢が味方の頭上を越え、敵だけを射抜く。


冒険者たちが各所へ散り、ラウゼン兵と肩を並べる。


勝ったわけではない。


ファイデン軍はまだ目の前にいる。


敵の隊列も、完全には崩れていない。


取り戻せたのは、ほんの僅かな余裕だけだった。


けれど、その僅かな時間で、また一台の魔獣車が王都を離れていく。


ザインは昔の仲間たちを見た。


次に、父親と並んで戦うイリスを見る。


この戦争で、自分は死ぬかもしれない。


イリスも死ぬかもしれない。


何も言わないまま、次の機会があると信じたまま。


その機会が永遠に来なくなるかもしれない。


剣の柄を握る指へ、力がこもる。


戦争が終わってからでは遅い。


胸の奥にあった言葉が、ようやく形を持ち始めていた。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!


ついにラウゼンでの戦いが始まりました。


ザインも精神世界で学んだ力の使い方を、初めて実戦の中で使い始めています。

力そのものが増えたわけではなく、今ある力を無駄なく使う――あの経験が、少しずつ戦い方へ繋がってきました。


そして、ロイド、カイル、セレナ。

懐かしい三人をはじめとしたギルドの冒険者たち、さらにイリスの父親も戦場へ。


戦いは、まだ終わりません。


そしてザインの中には、戦争が終わるまで待っていられない一つの想いが生まれ始めています。


次回もよろしくお願いします!

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