空から来た侵入者
散り散りになっていた五人が、再びザインのもとへ集まった。
そして始まる、イリス奪還作戦。
仲間たちが王国の目を引きつける中――ザインは、誰にも気づかれない侵入経路を選ぶ。
魔獣車の中央に置かれた大きなテーブル。
その上には、エルグランド王国の地図が広げられていた。
ザインはテーブルの端に手をつき、地図上の一点を指差す。
「イリスがいるのは、ここで間違いないんだな?」
ノアが頷いた。
「確実とは言い切れない。でも、僕が調べた限りでは一番可能性が高い」
王都から離れた場所に建つ、王国軍の塔。
元々は周辺地域を監視するために造られた軍事施設で、現在は騎士団によって管理されている。
そして、その塔へイリスが連れて行かれたという情報をノアは掴んでいた。
「警備は?」
ガレスが尋ねる。
「厳重だよ。塔そのものにも騎士が配置されてるし、周辺の駐屯地からすぐに増援を送れるようになってる」
「正面から行けば大騒ぎってわけか」
ダリオが腕を組む。
ザインが顔を上げた。
「だから、正面から行く」
全員がザインを見る。
「……団長?」
ミレイアが首を傾げた。
ザインは地図上の国境を指でなぞる。
「ガレス、ダリオ、ジグ、ミレイア、リナ。五人はここから入ってくれ」
「国境から?」
「ああ」
リナが尋ねる。
「見つからないように、ですか?」
「いや」
ザインは即答した。
「見つかってくれ」
一瞬、沈黙が落ちる。
最初に笑ったのはガレスだった。
「なるほどな」
ザインは国境から塔まで続く街道を指でなぞった。
「国境を越えれば、たぶんすぐ騎士団が動く。そしたら逃げろ。ただし、本気では逃げるな」
ダリオが意図を察する。
「追わせるのか」
「そういうこと。なるべく派手にな」
ガレスが拳を鳴らした。
「得意分野だ」
「お前に任せるの、ちょっと不安になってきたな」
「任せろ、団長! 国中の騎士を集めてやる!」
「そこまではやらなくていい」
ミレイアが小さくため息をつく。
「絶対やりすぎますよ、この人」
「私もそう思います」
リナも頷いた。
ザインは地図の上へ指を戻した。
「騎士団がそっちに食いついたら、俺が塔に入る」
ジグが尋ねる。
「どうやって?」
「上から」
「上?」
ザインは窓の外を見る。
少し離れた空を、大きな翼竜が飛んでいる。
ランフォスだ。
ノアだけが、何かを察したようにザインを見た。
「……ザイン。何を考えてるの?」
「まだ内緒」
「その言い方をする時、大抵ろくなことじゃないんだけど」
ザインは答えず、地図を畳んだ。
「それと、騎士はなるべく殺すな」
ガレスたちの表情が変わる。
「今の王国で何が起きてるのか、まだ分かってない。騎士団が教団と繋がってるとも限らないからな」
「向こうが本気で殺しに来たら?」
ダリオが尋ねる。
「その時は自分の命を優先しろ」
ザインは五人を見渡した。
「イリスを助けるために、お前らが死んだら意味ないからな」
誰も反論しなかった。
「ザイン」
ノアが呼ぶ。
「僕は?」
「俺とランフォス」
「……やっぱり嫌な予感がする」
ザインは笑った。
「じゃ、決まりだな」
立ち上がる。
「イリスを迎えに行くぞ」
◆
翌日。
エルグランド王国との国境。
五人の男女が、街道を歩いていた。
ガレスを先頭に、ダリオ、ジグ、ミレイア、リナ。
ザインもノアもいない。
ランフォスの姿もない。
遠くには国境の検問所が見える。
ガレスは肩を回した。
「さて」
ダリオが隣を歩く。
「どうする?」
「団長は目立てって言ってたよな」
「言ってましたけど、限度ってものがありますからね」
ミレイアが釘を刺す。
「分かってるって」
リナが疑わしそうにガレスを見る。
「本当に分かってます?」
「俺を何だと思ってんだ」
ジグが答えた。
「脳筋」
「お前まで言うのか!?」
騒ぎながら、五人は検問所へ近づいていく。
当然、すぐに止められた。
「止まれ!」
国境を守る騎士たちが前へ出る。
「身分証を提示しろ!」
五人が立ち止まった。
ガレスが仲間を見る。
「どうする?」
ダリオが短く答える。
「走るか」
「よし」
次の瞬間。
五人が一斉に駆け出した。
「なっ――待て!!」
騎士たちの怒声が響く。
五人は検問所を強引に突破し、そのまま王国内へ走り込んだ。
警鐘が鳴り響く。
「侵入者だ!」
「追え!」
ガレスが走りながら振り返る。
十数人。
「少ねぇな」
「これから増えますよ!」
ミレイアが叫ぶ。
「そうじゃねぇ」
ガレスが笑った。
「もっと目立たねぇとな!」
「嫌な予感が――」
ミレイアが言い終わる前に、ガレスが急停止した。
追ってきた騎士の盾へ拳を叩き込む。
鈍い衝撃音と共に、盾が大きくへこむ。
騎士の身体が数メートル後方へ吹き飛ばされた。
「ガレス!」
「殺してねぇ!」
「そういう問題じゃありません!」
ダリオも迫ってきた騎士の剣を大剣の腹で弾き飛ばした。
ジグは追跡部隊の足元へ小さな刃を投げ、馬の進路を逸らす。
そしてリナが振り返った。
「派手に、ですよね?」
その両手の周囲へ魔法陣が浮かぶ。
「リナ、ちょっと待っ――」
轟音。
巨大な炎が空へ向かって撃ち上がった。
火柱が上空で炸裂し、赤い光が辺り一帯を照らす。
ガレスが大笑いする。
「いいぞ!」
「これくらいでいいですか?」
「もっとやれ!」
「やらなくていいです!」
ミレイアの声が響いた。
だが効果は絶大だった。
近隣の監視所。
街道を巡回する騎士。
周辺の駐屯地。
各所で異変を知らせる信号が上がり始める。
騎士団が動き出した。
五人は逃げる。
だが、決して振り切らない。
追いつかれれば戦い、武器を壊し、馬を止め、再び逃げる。
追跡部隊が遅れれば速度を落とす。
「おい! 遅れてるぞ!」
ガレスが背後の騎士たちへ叫んだ。
「ガレスさん! 煽らないでください!」
「だって追いついてこねぇんだよ!」
「追われてる側が心配することじゃありません!」
ダリオが呆れながら走る。
「もう十分目立ってると思うが」
「まだだ!」
「何を基準にしてるんだ」
さらに別方向から騎士団が現れる。
ガレスはそれを見ると満足そうに笑った。
「お。増えた」
ミレイアが頭を抱える。
「団長……人選間違えてますよ……」
彼らの狙い通り。
王国側の視線が、一箇所へ集まり始めていた。
◆
その遥か上空。
雲を抜けた先を、一頭の翼竜が飛んでいた。
ランフォス。
その背にはザインとノア。
高度、およそ五千メートル。
冷たい風が身体を激しく叩く。
ザインは外套を身体へ巻きつけながら、遥か下を覗いた。
街も森も小さい。
街道など細い線にしか見えない。
「見える?」
ノアが尋ねる。
「なんとなく」
「僕にはほとんど見えないよ」
ザインが目を凝らす。
遠く。
地上で赤い光が弾けた。
「……あれ、リナじゃね?」
ノアも下を見る。
「この高さから分かるほどの魔法を撃ったの?」
「目立てとは言ったけどさ」
「人選を間違えたんじゃない?」
「かもしれん」
ランフォスは王国上空を進んでいく。
やがてザインが前方を指差した。
「あれだ」
森と街道の向こう。
一本の塔が見える。
ノアも確認する。
「多分、間違いない」
ザインがランフォスの首を軽く叩いた。
「よし。この辺でいいぞ」
ランフォスが翼を広げ、速度を落とした。
ノアがザインを見る。
「この辺?」
「ああ」
ザインが立ち上がった。
ランフォスの背の上で腰の剣を確認する。
ノアはザインを見る。
眼下を見る。
もう一度ザインを見る。
「ザイン」
「ん?」
「え、まさかとは思うけど」
ザインがランフォスの背の端へ移動した。
「……正気?」
ザインは腰の小さな袋を確認する。
「俺が合図を出したら迎えに来いよ」
「いや、待って。そうじゃなくて――」
ザインが笑った。
「じゃ、あとでな!」
飛んだ。
「ザイン!?」
ノアの声が遠ざかる。
ザインの身体は一気に地上へ向かって落下していった。
◆
耳元で風が轟く。
ザインは身体を伏せるようにして落下する。
最初の数秒は、ただ浮いているような感覚だった。
だがすぐに、風が牙を剥く。
耳の奥で圧力が変わり、鈍い痛みが走った。
呼吸のたびに空気が薄く、冷たい。
外套が激しくはためき、千切れそうな音を立てる。
地上はまだ遠い。
森は緑の絨毯にしか見えず、街道は一本の線ですらない。
体感で十数秒。
風の唸りが少しずつ低くなっていく。
速度が上がっている証拠だった。
さらに十数秒。
森の輪郭がぼんやりと見えてくる。
まだ遠い。
ザインは腕と脚で風を受け、身体の角度を変えながら微調整を続けた。
落下しているだけの時間が、思ったより長い。
――こんなに長かったか。
そんなことを考える余裕が出てきた頃、ようやく木々の一本一本が判別できる高さまで近づいていた。
狙うのは塔そのものではない。
塔から少し離れた森。
直接降りれば、いくら騎士団の注意が逸れていても目立つ。
高度が下がる。
ザインは腰の袋へ手を入れた。
取り出したのは、手のひらに収まるほどの球状の魔道具。
高所からの落下時に使う緩衝用魔道具。
出発前、ミレイアに渡されていたものだ。
「これ、投げてから起動までに間があるんで、早めに」
ミレイアの言葉を思い出す。
高度と設定した基準値を魔道具自身が感知し、自動で起動する仕組みだと聞いていた。
投げるタイミングが早すぎれば意味がなく、遅すぎれば間に合わない。
ザインは地面までの距離を測る。
親指をボタンへ乗せた。
「……この辺か」
カチッ。
起動待機のボタンを押す。
そのまま、力を込めて真下へ投げつけた。
自由落下する自分よりも速い初速。
魔道具がザインを追い越し、一気に引き離されていく。
数秒後。
魔道具に内蔵された術式が、設定された高度へ到達したことを感知する。
地面へ到達する寸前。
ボフンッ!!
球体を中心に、空間が大きく歪んだ。
透明な巨大な半球が地面の上へ膨らむ。
圧縮された空気が何層にも重なり、周囲の景色が水面のように揺らいでいる。
ザインが遅れて、その中心へ飛び込んだ。
一気に身体が空気層へ沈む。
最初の層が潰れる。
次の層。
さらにその奥。
落下速度が急激に削られていく。
「うおっ――!」
最後の空気層が大きく沈み込んだ。
直後。
ボンッ!
ザインの身体が横方向へ弾き出された。
地面を転がる。
数回転して、ようやく止まった。
「っつ……」
ザインは仰向けのまま空を見る。
遥か上空にいるはずのランフォスは、もう見えない。
数秒そのまま寝転がったあと、身体を起こした。
腕を回す。
脚を動かす。
問題ない。
「……思ったより跳ねるな、これ」
立ち上がる。
腰の剣を確認する。
ザインは塔の方角へ顔を向けた。
「さて」
そこから先。
ザインは音を消した。
◆
森の中を進む。
足を置く場所を選び、乾いた枝や落ち葉を避ける。
木々の隙間から塔の位置を確認しながら、ザインは人目につかない経路を進んでいった。
六歳の頃から父に剣を教え込まれ、十歳からは一人で魔物を狩って生きてきた。
獲物に気づかれる前に近づく。
風向きを読む。
音を殺す。
相手から見えない場所を選ぶ。
ザインにとって、それらは特別な技術ではなかった。
やがて木々の向こうに塔が現れる。
周囲には外壁。
正門には騎士が立ち、外周にも巡回する者たちがいる。
ザインは茂みの中から、その動きをしばらく観察した。
人数。
巡回経路。
交差する場所。
死角になる時間。
一通り確認する。
「……少ないな」
本来なら、もっといるはずだ。
遠くから微かな爆発音が届いた。
ザインはそちらを見る。
「ちゃんとやってんな」
ガレスたちに騎士が引き寄せられている。
ザインは茂みを離れた。
正門には近づかない。
外壁沿いを回り込み、塔の裏手へ向かう。
そこで足を止めた。
壁や地面の数か所に、小さな術式が刻まれている。
作戦前にリナから聞いていたものだった。
王国軍の重要施設で採用されている魔力探知の警戒術式。
一定範囲へ侵入した者の魔力を感知し、正規の経路以外から反応があれば警報を発する。
この世界の人間なら、魔力を持っている。
それを前提として作られた警備網だった。
ザインは術式の境界を見る。
そして、普通に足を踏み入れた。
何も起こらない。
もう一歩。
それでも術式は沈黙している。
「……便利だな。こういう時は」
ザインには魔力がない。
魔力を探す術式にとって、ザインは捉えるべき反応そのものを持っていなかった。
外壁へ手を掛ける。
僅かな凹凸へ指を掛け、一気に身体を持ち上げる。
高い位置に小さな開口部を見つけた。
鉄格子がはめられている。
巡回兵の位置を確認する。
背を向けた。
ザインは格子へ手を掛ける。
力を込める。
金属が僅かに軋んだ。
音が響かないよう、ゆっくりと曲げていく。
身体が通れるだけの隙間を作ると、ザインは塔内部へ滑り込んだ。
◆
薄暗い通路へ降りる。
ザインはすぐには動かなかった。
足音。
一人。
一定の間隔で近づいてくる。
ザインは壁際へ身体を寄せた。
騎士が角を曲がる。
そのままザインの前を通り過ぎた。
一歩。
二歩。
ザインが動く。
背後へ滑り込み、口を塞ぐ。
もう片方の腕を首へ回した。
騎士の身体が僅かに暴れる。
ザインはそのまま力を加える。
ほどなく抵抗が止まった。
意識を失った身体を受け止め、床へ静かに寝かせる。
殺してはいない。
ザインは先へ進んだ。
魔力探知には反応しない。
魔法も使わない。
魔力も持たない。
だからこそ、塔の警備側には異常を知らせるものが何もない。
角の手前で止まる。
二人。
会話をしながら歩いてくる。
ザインは近くの物陰へ入った。
二人が通り過ぎる。
追わない。
戦う必要がない。
背中が遠ざかるのを待ってから、ザインは反対方向へ進んだ。
階段を見つける。
上へ。
二階。
三階。
ザインは塔の構造を頭に入れながら進んでいく。
再び足音。
今度も二人。
隠れられる場所は少ない。
ザインは扉の陰へ身体を入れた。
一人目が通る。
二人目が続く。
最後尾の騎士の背後へ出る。
口を塞ぎ、そのまま意識を落とす。
前を歩いていた騎士が僅かな物音に振り返った。
「ん?」
ザインは既に踏み込んでいた。
騎士の手が剣へ伸びるより早く、懐へ入る。
腹部へ短く拳を打ち込む。
息が詰まった。
崩れ落ちる身体を受け止め、そのまま床へ寝かせる。
ザインは先へ進んだ。
正面から戦えば簡単だった。
だが、それでは意味がない。
勝つために来たわけではない。
イリスを連れ出すために来た。
必要のない戦闘は避ける。
必要なら、声を上げられる前に終わらせる。
半年間。
ザインは一人で教団の拠点を潰し続けてきた。
何十人もの敵がいる場所へ単独で入り込むこともあった。
剣を振るうだけでは、生き残れない。
いつ動くか。
誰を倒すか。
誰を無視するか。
その判断は、半年間の実戦の中でさらに研ぎ澄まされていた。
ザインは階段を上る。
◆
上層へ進むほど、警備は増えていった。
それでも警報は鳴らない。
ザインは巡回の間隔を見極め、死角を繋ぐように進んでいく。
騎士が通り過ぎるまで待つ。
足音が遠ざかれば動く。
避けられない相手だけ、静かに意識を奪う。
そして。
最上層に近づいたところで、ザインは足を止めた。
通路の奥。
一つだけ、他とは明らかに違う扉がある。
分厚い扉。
窓もない。
外側から施錠されている。
その前には二人の騎士が立っていた。
ザインは曲がり角から二人を見る。
巡回ではない。
そこから動く様子がない。
明確に、あの部屋を守っている。
ザインは足元へ視線を落とした。
小さな石が転がっている。
拾う。
反対側の通路へ投げた。
カツン。
石が壁に当たった。
二人の騎士が反応する。
「……なんだ?」
「見てくる」
一人が扉の前を離れた。
ザインは待った。
足音が近づく。
騎士が角を曲がり、そのまま通り過ぎる。
ザインが背後へ出る。
口を塞ぎ、一気に意識を奪った。
身体を静かに床へ下ろす。
すぐに戻る。
扉の前に残った騎士が周囲を見回していた。
「おい?」
返事はない。
「どうした?」
一歩、前へ出る。
ザインが死角から飛び出した。
騎士が反応する。
剣へ手を伸ばす。
だが抜かせない。
口を塞ぎ、身体を壁へ押しつける。
腹部へ一撃。
騎士の身体から力が抜けた。
ザインはその身体を床へ寝かせた。
再び静寂が戻る。
ザインは扉の前へ立った。
鍵を見る。
剣を抜く。
刃先を扉の隙間へ差し込み、内部の金具の位置を探る。
僅かに動かす。
小さな金属音。
鍵が落ちた。
ザインは剣を収める。
扉へ手を掛けた。
ここまで来ても、確信はなかった。
ノアが掴んだ情報が間違っている可能性もある。
既に別の場所へ移されているかもしれない。
生きている。
ノアからそう聞かされても、この目で見るまでは安心できなかった。
ザインはゆっくりと扉を押した。
薄暗い部屋。
窓から細い光が差し込んでいる。
中へ入る。
最初は誰もいないように見えた。
だが。
部屋の奥。
窓際に、一人の少女がいた。
ザインの足が止まる。
見間違えるはずがない。
長い髪。
何度も見た横顔。
半年間。
探し続けた。
生きていると聞いた。
それでも。
この目で見るまでは、どこかで信じ切れずにいた。
ようやく見つけた。
「…………」
少女が何かに気づいた。
ゆっくり顔を上げる。
ザインを見る。
その目が大きく開いた。
二人の視線が重なる。
ザインは言葉を失った。
イリスも何も言わない。
ただ。
半年ぶりに。
二人は再び、同じ場所に立っていた。
第76話をお読みいただき、ありがとうございます!
ついに始まったイリス奪還作戦。
派手に騎士団を引きつける仲間たちとは対照的に、ザインは空から単独で塔へ潜入しました。
魔力を持たない。
かつてはそれを理由に、できないことばかりだったザインですが――今回はその「魔力ゼロ」だからこそ、王国の警備網をすり抜けることができました。
そして、半年ぶりに見つけたイリス。
ようやく再会した二人ですが、奪還作戦はまだ終わっていません。
次回もお楽しみいただければ嬉しいです!




