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剣しか持ちえない少年の英雄譚  作者: 喜怒哀楽
イリス奪還編
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53/102

予兆

同盟が結ばれてから、数週間。


ギーファの警戒とは裏腹に、アルヴァには穏やかな時間が流れていました。


何も起きない。


本当に、何も。


少しずつ日常へと戻っていくアルヴァの民たち。


そしてギーファもまた――。


第53話、よろしくお願いします!


エルグラン王国とアルヴァ。


両者の間に。


正式な同盟が結ばれてから。


一週間が経った。


そして。


二週間。


三週間。


――何も起きなかった。


「北側、異常なし」


「そうか」


「配置されてる騎士も昨日と同じだ」


ギーファが頷く。


「交代は?」


「予定通り」


「人数」


「変わってねぇ」


「……分かった」


男が。


ギーファを見る。


「南は?」


「そっちも問題ねぇ」


別の男が答える。


「昨日見てきた」


「妙な動きもなし」


「……」


ギーファは黙っていた。


同盟締結後。


約束通り。


エルグランの騎士たちは。


アルヴァ領の周囲へ配置された。


北。


南。


東。


西。


三百名。


アルヴァ領への侵攻を防ぐため。


選抜された騎士たち。


最初。


村人たちは警戒した。


当然だった。


今まで。


他国の兵士が自分たちの土地の近くにいれば。


それは。


敵襲と同じ意味だった。


だが。


一日。


二日。


一週間。


何も起こらない。


エルグランの騎士たちは。


勝手に村へ入ることもない。


許可なく土地を調べることもない。


決められた場所。


決められた人数。


規律正しく。


ただ。


アルヴァを守っていた。


「……なぁ」


男が言う。


ギーファが見る。


「俺たち」


少し言いづらそうに。


「考えすぎだったんじゃねぇか?」


「……」


「いや」


男が慌てて続ける。


「警戒するのが悪いって言ってるわけじゃねぇぞ」


「でも」


エルグラン兵がいる方角を見る。


「本当に何もねぇ」


「むしろ」


別の男が笑う。


「他の国の奴らが全然来なくなった」


実際。


同盟締結以降。


アルヴァへの侵攻は。


一度もなかった。


当然と言えば。


当然だった。


アルヴァ。


ただでさえ。


攻略が難しい土地。


そこに。


エルグランという大国まで加わった。


わざわざ。


手を出す国など。


いなくなった。


「ヴァルドの言ってた通りだったのかもな」


男が言う。


ギーファは。


少し黙った。


そして。


「……だったら」


「?」


「それでいい」


男が見る。


「俺の考えすぎだったなら」


ギーファが言う。


「それが一番いい」


「……」


「何も起きなくて」


「俺が馬鹿だったって」


「みんなで笑えばいい」


男が。


少し笑う。


「お前がそこまで言うなら」


「まだ警戒は解かねぇぞ」


「分かってるよ」


「武器の手入れも続けろ」


「はいはい」


「食料も」


「分かったって」


男が歩いていく。


ギーファは。


一人。


その場に残った。


遠く。


エルグランの騎士たち。


何もしていない。


本当に。


何も。


「……」


ギーファは。


しばらく見た後。


村へ戻った。


◇


「……ふぅ」


薪。


地面へ置く。


アルヴァの男が。


腰へ手を当てる。


「どうした?」


「いや」


男が息を吐く。


「なんか今日」


胸。


手を置く。


「息苦しくねぇ?」


「そうか?」


「分かんねぇ」


男が首を傾げる。


「山登ってる時みてぇな」


「歳じゃね?」


「ぶっ飛ばすぞ」


笑い声。


少し離れた場所。


「……っ」


木剣。


振る。


少年。


いつもの動き。


のはずだった。


「違う」


指導していた戦士が言う。


「もっと踏み込め」


「やってる!」


「足出てねぇぞ」


「出してるよ!」


「もう一回」


少年が構える。


踏み込む。


振る。


「……」


戦士が眉を寄せる。


確かに。


いつもより。


鈍い。


「疲れてんのか?」


「疲れてない」


「昨日夜更かしした?」


「してない!」


「じゃあ何だ」


「知らないよ!」


少年が頬を膨らませる。


戦士は。


少し考えた。


だが。


「まあいい」


少年の頭を軽く叩く。


「今日は早めに休め」


「まだやれる!」


「休むのも訓練だ」


「えー」


そんな。


何でもない会話。


村のあちこちで。


同じようなことが。


少しずつ。


起きていた。


息が。


少し重い。


身体が。


少し重い。


いつもより。


疲れるのが早い。


でも。


生活できないほどではない。


誰も。


深く考えなかった。


今日は調子が悪い。


寝不足。


疲れ。


気温。


そんなものだと。


誰もが思った。


ギーファも。


例外ではなかった。


「……」


剣。


振る。


止める。


「……?」


もう一度。


振る。


「……」


いつもと。


ほんの少し。


違う。


踏み込んだ時。


身体が。


思った位置まで届かない。


剣が重いわけではない。


筋肉が痛いわけでもない。


ただ。


身体の奥。


何かが。


足りない。


そんな。


奇妙な感覚。


「……なんだ?」


手を見る。


異常はない。


拳を握る。


開く。


「……」


もう一度。


剣を振った。


やはり。


少しだけ。


鈍い。


「疲れてんのか」


呟く。


最近。


警戒ばかりしていた。


まともに眠れていない日もある。


そのせいだろう。


ギーファは。


そう考えた。


剣を鞘へ戻した。


◇


その夜。


静かな村。


風。


虫の声。


寝台。


ギーファは。


眠っていた。


隣。


セラ。


「――っ!」


身体が跳ねる。


「……っ、は……」


セラが。


勢いよく起き上がった。


呼吸。


荒い。


額。


汗。


「……」


隣。


ギーファの目が開く。


「……どうした」


セラは答えない。


胸へ手を当てる。


「セラ」


「……夢」


「夢?」


「……うん」


ギーファも身体を起こす。


「どんな」


「分からない」


「は?」


「覚えてないの」


セラが。


自分の腕を抱く。


「でも……」


「……」


「すごく」


少し間。


「嫌な夢だった」


ギーファが。


セラを見る。


「夢だろ」


「分かってる」


「なら寝ろ」


「……うん」


セラが横になろうとする。


その時。


ギーファが。


何気なく。


横を見た。


「……」


寝台の隣。


小さな机。


その上。


花瓶。


昼間。


セラが摘んできた花。


数本。


挿してある。


「……?」


ギーファの目が。


止まる。


花瓶。


その側面。


細い。


一本の線。


「……」


手を伸ばす。


指。


触れる。


ひび。


「……なんだ、これ」


セラが振り返る。


「何?」


「これ」


「……?」


セラも見る。


「ひび?」


「ああ」


「前からじゃない?」


「いや」


ギーファが答える。


「なかった」


「覚えてるの?」


「昼に見た」


「……」


セラが。


花瓶を見る。


「偶然でしょ」


「……」


「古いし」


「そうだな」


ギーファは答える。


でも。


目を離さない。


セラの悪夢。


花瓶のひび。


ここ数日の。


身体の違和感。


そして。


アルヴァの周囲に配置された。


エルグランの騎士たち。


何週間。


何も起きなかった。


何も。


――本当に?


「……」


胸の奥。


何かが。


騒いでいる。


理由は。


分からない。


根拠もない。


ただ。


これまで。


何度も。


戦場へ立ってきた。


何度も。


死にかけた。


その度。


感じた。


嫌な感覚。


来る。


何かが。


「……セラ」


「何?」


「村を出ろ」


「……」


セラが。


ギーファを見る。


「何?」


「今夜」


ギーファが言う。


「村を出ろ」


数秒。


沈黙。


そして。


「……ふっ」


セラが笑った。


「何笑ってんだ」


「だって」


「私が悪い夢見て」


花瓶を見る。


「花瓶にひびが入ってたから?」


「ああ」


「馬鹿馬鹿しい」


セラが横になる。


「寝ましょ」


「セラ」


「明日になったら」


「セラ」


「もう」


「村を出ろ」


声。


さっきより。


低い。


セラが。


再び起きる。


「……本気?」


「ああ」


「嫌よ」


「出ろ」


「嫌」


「セラ」


「何も起きてないじゃない」


「……」


「エルグランの騎士だって」


「何週間も何もしてない」


「分かってる」


「じゃあ何で」


「分かんねぇよ」


セラが止まる。


ギーファが。


苛立ったように頭を掻く。


「俺だって」


「何が起きるかなんて分かんねぇ」


「だったら――」


「でも」


ギーファが。


セラを見る。


「嫌なんだよ」


「……何が」


「分かんねぇ」


「だから何それ」


セラが呆れる。


「そんな理由で」


「夜中に村を出ろって?」


「ああ」


「嫌よ」


「出ろ」


「嫌」


「セラ!」


「嫌って言ってるでしょ!」


「一度くらい俺の言うこと聞け!!」


部屋。


静まり返る。


セラが。


目を見開いている。


ギーファも。


言った後。


黙った。


「……」


「……」


しばらく。


何も聞こえない。


やがて。


ギーファが。


目を逸らした。


「……悪い」


セラは答えない。


「でも」


拳。


握る。


「頼む」


「……」


「今夜だけでいい」


ギーファが。


もう一度。


セラを見る。


「ここにいないでくれ」


さっきとは。


違う声。


怒りではない。


懇願。


セラが。


その顔を見る。


「……そこまで?」


「ああ」


「……」


「頼む」


長い。


沈黙。


そして。


セラが。


小さく息を吐いた。


「……分かった」


ギーファの肩から。


僅かに力が抜ける。


「でも」


セラが指を立てる。


「何もなかったら」


「?」


「ちゃんと謝ってよ」


「何で俺が」


「今怒鳴ったでしょ」


「……」


「何?」


「分かったよ」


「絶対よ」


「ああ」


セラが。


寝台から降りる。


「準備する」


「最低限でいい」


「どこまで行けばいい?」


ギーファは。


少し考える。


「東」


「森を抜けた先まで」


「遠くない?」


「だから行け」


「……はいはい」


セラが。


服を手に取る。


ギーファは。


その背中を見る。


胸。


まだ。


騒いでいる。


何かが。


来る。


そんな。


根拠のない確信だけが。


消えなかった。


◇


「本気か?」


家の外。


男が。


ギーファを見る。


ギーファが集めた仲間の一人。


「ああ」


「今から?」


「今から」


「何かあったのか?」


「何も」


「……は?」


「何もねぇ」


男が顔をしかめる。


「じゃあ何で」


「セラを東の森まで連れてけ」


「ギーファ」


「頼む」


男が。


黙る。


そして。


ギーファの顔を見る。


冗談ではない。


それだけは。


分かった。


「……分かった」


「ああ」


「ヴァルドには?」


ギーファが。


一瞬。


止まる。


「……言うな」


「いいのか?」


「ああ」


「他の奴らは」


「誰にも言うな」


男が頷く。


「分かった」


少し離れた場所。


荷物を持ったセラ。


「じゃあ」


セラが言う。


「行ってくる」


「ああ」


「明日には戻るから」


「……」


ギーファは。


答えない。


セラが眉を寄せる。


「何よ」


「いや」


「……」


「気をつけろ」


セラが。


少し笑う。


「あなたもね」


そして。


歩き出す。


男と。


セラ。


二人。


夜。


村を離れていく。


ギーファは。


その背中を。


見えなくなるまで。


ずっと。


見ていた。


◇


翌日。


「よ」


声。


ギーファが振り返る。


「……何だ」


ヴァルド。


「何だって何だよ」


「何しに来た」


「友達んとこ来るのに理由いる?」


「帰れ」


「酷くない?」


ヴァルドが。


勝手に隣へ座る。


ギーファは。


剣を研いでいる。


「……」


「……」


沈黙。


ヴァルドが。


横を見る。


「まだ警戒してんの?」


「ああ」


「何週間経ったと思ってんだよ」


「知らねぇ」


「嘘つけ」


「うるせぇ」


ヴァルドが笑う。


「結局」


空を見る。


「何も起きなかったな」


「まだ分かんねぇ」


「まだ言ってんのかよ」


「まだ生きてんだからまだだろ」


「じゃあ死ぬまで警戒すんの?」


「そうなるな」


「めんどくさ」


「帰れ」


「やだ」


ギーファが。


僅かに笑う。


ヴァルドも。


笑っている。


胸倉を掴んだ。


怒鳴った。


本気で。


ぶつかった。


それでも。


こうして。


隣に座れば。


昔と。


何も変わらない。


「そういや」


ヴァルドが。


周囲を見る。


「セラは?」


ギーファの手が。


一瞬。


止まる。


「いねぇ」


「どこ?」


「村の外」


「何で?」


「逃がした」


「……」


ヴァルドが。


ギーファを見る。


「何から?」


「分かんねぇ」


「……は?」


「昨日」


ギーファが剣を研ぎながら言う。


「嫌な夢見たらしい」


「……」


「花瓶にもひび入ってた」


「……」


「だから追い出した」


「……」


ヴァルドは。


しばらく。


何も言わなかった。


そして。


「お前」


「何」


「とうとうそこまでいったの?」


ギーファが睨む。


「どういう意味だ」


「いや」


ヴァルドが笑いを堪える。


「警戒しすぎておかしくなったのかなって」


「殺すぞ」


「だって!」


ヴァルドが笑う。


「嫁が悪夢見たから村から追い出す奴いる!?」


「ここにいる」


「威張るなよ!」


ヴァルドが。


腹を抱えて笑う。


「しかも花瓶って!」


「うるせぇな」


「花瓶にひび!」


「黙れ」


「いや無理だって!」


「帰れ!」


「セラ怒ってたろ?」


「……」


「怒ってたんだ」


「うるせぇ」


「怒鳴った?」


「……」


「お前怒鳴っただろ」


「黙れ」


「最悪だな!」


「ぶっ飛ばすぞ!」


ヴァルドが。


笑う。


ギーファも。


呆れながら。


少し。


笑った。


久しぶりだった。


こんなふうに。


二人で。


くだらない話をするのは。


「帰ってきたら」


ヴァルドが言う。


「ちゃんと謝れよ」


「何で俺が」


「怒鳴ったから」


「……」


「あと」


「?」


「悪夢で村から追い出してごめんなさいって」


「絶対言わねぇ」


「言えよ」


「嫌だ」


「ガキか」


「うるせぇ」


「……」


ヴァルドが。


笑う。


「まあ」


「?」


「何もなかったら」


ギーファを見る。


「俺も一緒に謝ってやるよ」


「何でお前が」


「友達だから?」


「いらねぇ」


「酷いなぁ」


二人。


笑った。


その時。


――鐘。


「……?」


ヴァルドが。


顔を上げる。


もう一度。


鐘。


激しく。


何度も。


何度も。


村中へ。


響く。


ギーファの表情が。


変わった。


「……この鐘」


ヴァルドも。


立ち上がる。


遠く。


声。


「――敵襲!!」


一瞬。


二人の目が合う。


「行くぞ!」


「ああ!」


ギーファが。


剣を取る。


ヴァルドも。


走り出す。


村。


中心。


戦士たちが。


武器を持って走っている。


「どっちだ!」


「西!」


「いや北からも来てる!」


「何!?」


ギーファが。


走る。


その時。


「……っ」


呼吸。


一つ。


乱れた。


「……?」


胸。


妙に。


苦しい。


走っているだけ。


いつもなら。


何ともない。


なのに。


息が。


浅い。


まるで。


高い山。


空気の薄い場所。


そこで。


全力で走っているような。


「……ギーファ」


横。


ヴァルド。


「お前も?」


「……ああ」


ヴァルドも。


呼吸が乱れている。


「なんだこれ」


「知らねぇ」


「昨日からちょっと――」


「今はいい!」


走る。


西。


村の端。


戦闘。


既に。


始まっていた。


「うおおおおっ!!」


アルヴァの戦士。


敵兵へ。


剣。


振る。


ガンッ!!


「……っ!?」


弾けない。


いつもなら。


武器ごと。


押し返せる。


だが。


押し負ける。


「なんだ……!?」


別。


アルヴァの男。


踏み込む。


遅い。


敵兵の剣。


避けきれない。


「ぐっ!」


「おい!」


ギーファが。


飛び込む。


剣。


敵。


受ける。


「……!」


重い。


違う。


敵が強い?


いや。


違う。


自分が。


弱い。


「……なんだ」


敵を蹴る。


吹き飛ぶ。


だが。


いつもほど。


飛ばない。


ギーファが。


自分の足を見る。


「……」


ヴァルドも。


戦っている。


明らかに。


動きが鈍い。


周囲。


一人。


二人。


三人。


全員。


同じ。


「ギーファ!」


仲間。


警戒を頼んだ男。


走ってくる。


「おかしい!」


「分かってる!」


「違う!」


男が叫ぶ。


「敵だ!」


「何?」


「敵が!」


男が。


後ろを指す。


ギーファが見る。


そして。


止まった。


「……」


見覚えのある。


鎧。


見覚えのある。


紋章。


何週間。


毎日。


見ていた。


アルヴァを。


守るため。


配置された。


騎士たち。


エルグラン。


「……は?」


ヴァルドの声。


騎士。


一人。


二人。


十人。


数十人。


こちらへ。


武器を向けている。


「待て!」


ヴァルドが叫ぶ。


「何してる!」


返事はない。


「俺たちは!」


ヴァルドが。


一歩。


前へ。


「同盟を結んだはずだ!!」


騎士たち。


動く。


剣。


構える。


ヴァルドの表情から。


少しずつ。


色が消えていく。


「……嘘だろ」


声。


震える。


ギーファは。


何も言わない。


「ギーファ!!」


別の声。


東から。


仲間。


「東にもいる!」


「何!?」


「南もだ!」


遠く。


叫び。


「北からも来てるぞ!!」


ヴァルドが。


ゆっくり。


周囲を見る。


北。


南。


東。


西。


全て。


エルグラン。


数週間前。


ギーファが。


言った。


――守られるんじゃない。


――囲まれるんだよ。


ヴァルドの目が。


ギーファへ向く。


「……ギーファ」


ギーファは。


答えない。


剣。


握る。


息が。


重い。


身体も。


重い。


何かを。


された。


いつから。


何を。


そんなことは。


今はどうでもいい。


目の前。


エルグランの騎士。


アルヴァへ。


剣を向けている。


ギーファが。


息を吐く。


「……そういうことかよ」


剣を。


構える。


そして。


叫んだ。


「全員!!」


アルヴァの戦士たちが。


ギーファを見る。


「武器を取れ!!」


一拍。


「敵襲だ!!」


「守られるんじゃない。囲まれるんだ」


かつてギーファが抱いた懸念は、最悪の形で現実となりました。


何週間も続いた平穏。


少しずつ感じ始めていた身体の違和感。


セラの悪夢と、ひび割れた花瓶。


そして、アルヴァへと向けられたエルグランの剣。


ギーファが感じ取った嫌な予感は、セラを村の外へ逃がすという一つの選択へ繋がりました。


ここから、アルヴァにとって最も長い一日が始まります。


次回もよろしくお願いします!


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