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剣しか持ちえない少年の英雄譚  作者: 喜怒哀楽
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53/60

予兆

同盟が結ばれてから、数週間。


ギーファの警戒とは裏腹に、アルヴァには穏やかな時間が流れていました。


何も起きない。


本当に、何も。


少しずつ日常へと戻っていくアルヴァの民たち。


そしてギーファもまた――。


第53話、よろしくお願いします!


エルグラン王国とアルヴァ。


両者の間に。


正式な同盟が結ばれてから。


一週間が経った。


そして。


二週間。


三週間。


――何も起きなかった。


「北側、異常なし」


「そうか」


「配置されてる騎士も昨日と同じだ」


ギーファが頷く。


「交代は?」


「予定通り」


「人数」


「変わってねぇ」


「……分かった」


男が。


ギーファを見る。


「南は?」


「そっちも問題ねぇ」


別の男が答える。


「昨日見てきた」


「妙な動きもなし」


「……」


ギーファは黙っていた。


同盟締結後。


約束通り。


エルグランの騎士たちは。


アルヴァ領の周囲へ配置された。


北。


南。


東。


西。


三百名。


アルヴァ領への侵攻を防ぐため。


選抜された騎士たち。


最初。


村人たちは警戒した。


当然だった。


今まで。


他国の兵士が自分たちの土地の近くにいれば。


それは。


敵襲と同じ意味だった。


だが。


一日。


二日。


一週間。


何も起こらない。


エルグランの騎士たちは。


勝手に村へ入ることもない。


許可なく土地を調べることもない。


決められた場所。


決められた人数。


規律正しく。


ただ。


アルヴァを守っていた。


「……なぁ」


男が言う。


ギーファが見る。


「俺たち」


少し言いづらそうに。


「考えすぎだったんじゃねぇか?」


「……」


「いや」


男が慌てて続ける。


「警戒するのが悪いって言ってるわけじゃねぇぞ」


「でも」


エルグラン兵がいる方角を見る。


「本当に何もねぇ」


「むしろ」


別の男が笑う。


「他の国の奴らが全然来なくなった」


実際。


同盟締結以降。


アルヴァへの侵攻は。


一度もなかった。


当然と言えば。


当然だった。


アルヴァ。


ただでさえ。


攻略が難しい土地。


そこに。


エルグランという大国まで加わった。


わざわざ。


手を出す国など。


いなくなった。


「ヴァルドの言ってた通りだったのかもな」


男が言う。


ギーファは。


少し黙った。


そして。


「……だったら」


「?」


「それでいい」


男が見る。


「俺の考えすぎだったなら」


ギーファが言う。


「それが一番いい」


「……」


「何も起きなくて」


「俺が馬鹿だったって」


「みんなで笑えばいい」


男が。


少し笑う。


「お前がそこまで言うなら」


「まだ警戒は解かねぇぞ」


「分かってるよ」


「武器の手入れも続けろ」


「はいはい」


「食料も」


「分かったって」


男が歩いていく。


ギーファは。


一人。


その場に残った。


遠く。


エルグランの騎士たち。


何もしていない。


本当に。


何も。


「……」


ギーファは。


しばらく見た後。


村へ戻った。



「……ふぅ」


薪。


地面へ置く。


アルヴァの男が。


腰へ手を当てる。


「どうした?」


「いや」


男が息を吐く。


「なんか今日」


胸。


手を置く。


「息苦しくねぇ?」


「そうか?」


「分かんねぇ」


男が首を傾げる。


「山登ってる時みてぇな」


「歳じゃね?」


「ぶっ飛ばすぞ」


笑い声。


少し離れた場所。


「……っ」


木剣。


振る。


少年。


いつもの動き。


のはずだった。


「違う」


指導していた戦士が言う。


「もっと踏み込め」


「やってる!」


「足出てねぇぞ」


「出してるよ!」


「もう一回」


少年が構える。


踏み込む。


振る。


「……」


戦士が眉を寄せる。


確かに。


いつもより。


鈍い。


「疲れてんのか?」


「疲れてない」


「昨日夜更かしした?」


「してない!」


「じゃあ何だ」


「知らないよ!」


少年が頬を膨らませる。


戦士は。


少し考えた。


だが。


「まあいい」


少年の頭を軽く叩く。


「今日は早めに休め」


「まだやれる!」


「休むのも訓練だ」


「えー」


そんな。


何でもない会話。


村のあちこちで。


同じようなことが。


少しずつ。


起きていた。


息が。


少し重い。


身体が。


少し重い。


いつもより。


疲れるのが早い。


でも。


生活できないほどではない。


誰も。


深く考えなかった。


今日は調子が悪い。


寝不足。


疲れ。


気温。


そんなものだと。


誰もが思った。


ギーファも。


例外ではなかった。


「……」


剣。


振る。


止める。


「……?」


もう一度。


振る。


「……」


いつもと。


ほんの少し。


違う。


踏み込んだ時。


身体が。


思った位置まで届かない。


剣が重いわけではない。


筋肉が痛いわけでもない。


ただ。


身体の奥。


何かが。


足りない。


そんな。


奇妙な感覚。


「……なんだ?」


手を見る。


異常はない。


拳を握る。


開く。


「……」


もう一度。


剣を振った。


やはり。


少しだけ。


鈍い。


「疲れてんのか」


呟く。


最近。


警戒ばかりしていた。


まともに眠れていない日もある。


そのせいだろう。


ギーファは。


そう考えた。


剣を鞘へ戻した。



その夜。


静かな村。


風。


虫の声。


寝台。


ギーファは。


眠っていた。


隣。


セラ。


「――っ!」


身体が跳ねる。


「……っ、は……」


セラが。


勢いよく起き上がった。


呼吸。


荒い。


額。


汗。


「……」


隣。


ギーファの目が開く。


「……どうした」


セラは答えない。


胸へ手を当てる。


「セラ」


「……夢」


「夢?」


「……うん」


ギーファも身体を起こす。


「どんな」


「分からない」


「は?」


「覚えてないの」


セラが。


自分の腕を抱く。


「でも……」


「……」


「すごく」


少し間。


「嫌な夢だった」


ギーファが。


セラを見る。


「夢だろ」


「分かってる」


「なら寝ろ」


「……うん」


セラが横になろうとする。


その時。


ギーファが。


何気なく。


横を見た。


「……」


寝台の隣。


小さな机。


その上。


花瓶。


昼間。


セラが摘んできた花。


数本。


挿してある。


「……?」


ギーファの目が。


止まる。


花瓶。


その側面。


細い。


一本の線。


「……」


手を伸ばす。


指。


触れる。


ひび。


「……なんだ、これ」


セラが振り返る。


「何?」


「これ」


「……?」


セラも見る。


「ひび?」


「ああ」


「前からじゃない?」


「いや」


ギーファが答える。


「なかった」


「覚えてるの?」


「昼に見た」


「……」


セラが。


花瓶を見る。


「偶然でしょ」


「……」


「古いし」


「そうだな」


ギーファは答える。


でも。


目を離さない。


セラの悪夢。


花瓶のひび。


ここ数日の。


身体の違和感。


そして。


アルヴァの周囲に配置された。


エルグランの騎士たち。


何週間。


何も起きなかった。


何も。


――本当に?


「……」


胸の奥。


何かが。


騒いでいる。


理由は。


分からない。


根拠もない。


ただ。


これまで。


何度も。


戦場へ立ってきた。


何度も。


死にかけた。


その度。


感じた。


嫌な感覚。


来る。


何かが。


「……セラ」


「何?」


「村を出ろ」


「……」


セラが。


ギーファを見る。


「何?」


「今夜」


ギーファが言う。


「村を出ろ」


数秒。


沈黙。


そして。


「……ふっ」


セラが笑った。


「何笑ってんだ」


「だって」


「私が悪い夢見て」


花瓶を見る。


「花瓶にひびが入ってたから?」


「ああ」


「馬鹿馬鹿しい」


セラが横になる。


「寝ましょ」


「セラ」


「明日になったら」


「セラ」


「もう」


「村を出ろ」


声。


さっきより。


低い。


セラが。


再び起きる。


「……本気?」


「ああ」


「嫌よ」


「出ろ」


「嫌」


「セラ」


「何も起きてないじゃない」


「……」


「エルグランの騎士だって」


「何週間も何もしてない」


「分かってる」


「じゃあ何で」


「分かんねぇよ」


セラが止まる。


ギーファが。


苛立ったように頭を掻く。


「俺だって」


「何が起きるかなんて分かんねぇ」


「だったら――」


「でも」


ギーファが。


セラを見る。


「嫌なんだよ」


「……何が」


「分かんねぇ」


「だから何それ」


セラが呆れる。


「そんな理由で」


「夜中に村を出ろって?」


「ああ」


「嫌よ」


「出ろ」


「嫌」


「セラ!」


「嫌って言ってるでしょ!」


「一度くらい俺の言うこと聞け!!」


部屋。


静まり返る。


セラが。


目を見開いている。


ギーファも。


言った後。


黙った。


「……」


「……」


しばらく。


何も聞こえない。


やがて。


ギーファが。


目を逸らした。


「……悪い」


セラは答えない。


「でも」


拳。


握る。


「頼む」


「……」


「今夜だけでいい」


ギーファが。


もう一度。


セラを見る。


「ここにいないでくれ」


さっきとは。


違う声。


怒りではない。


懇願。


セラが。


その顔を見る。


「……そこまで?」


「ああ」


「……」


「頼む」


長い。


沈黙。


そして。


セラが。


小さく息を吐いた。


「……分かった」


ギーファの肩から。


僅かに力が抜ける。


「でも」


セラが指を立てる。


「何もなかったら」


「?」


「ちゃんと謝ってよ」


「何で俺が」


「今怒鳴ったでしょ」


「……」


「何?」


「分かったよ」


「絶対よ」


「ああ」


セラが。


寝台から降りる。


「準備する」


「最低限でいい」


「どこまで行けばいい?」


ギーファは。


少し考える。


「東」


「森を抜けた先まで」


「遠くない?」


「だから行け」


「……はいはい」


セラが。


服を手に取る。


ギーファは。


その背中を見る。


胸。


まだ。


騒いでいる。


何かが。


来る。


そんな。


根拠のない確信だけが。


消えなかった。



「本気か?」


家の外。


男が。


ギーファを見る。


ギーファが集めた仲間の一人。


「ああ」


「今から?」


「今から」


「何かあったのか?」


「何も」


「……は?」


「何もねぇ」


男が顔をしかめる。


「じゃあ何で」


「セラを東の森まで連れてけ」


「ギーファ」


「頼む」


男が。


黙る。


そして。


ギーファの顔を見る。


冗談ではない。


それだけは。


分かった。


「……分かった」


「ああ」


「ヴァルドには?」


ギーファが。


一瞬。


止まる。


「……言うな」


「いいのか?」


「ああ」


「他の奴らは」


「誰にも言うな」


男が頷く。


「分かった」


少し離れた場所。


荷物を持ったセラ。


「じゃあ」


セラが言う。


「行ってくる」


「ああ」


「明日には戻るから」


「……」


ギーファは。


答えない。


セラが眉を寄せる。


「何よ」


「いや」


「……」


「気をつけろ」


セラが。


少し笑う。


「あなたもね」


そして。


歩き出す。


男と。


セラ。


二人。


夜。


村を離れていく。


ギーファは。


その背中を。


見えなくなるまで。


ずっと。


見ていた。



翌日。


「よ」


声。


ギーファが振り返る。


「……何だ」


ヴァルド。


「何だって何だよ」


「何しに来た」


「友達んとこ来るのに理由いる?」


「帰れ」


「酷くない?」


ヴァルドが。


勝手に隣へ座る。


ギーファは。


剣を研いでいる。


「……」


「……」


沈黙。


ヴァルドが。


横を見る。


「まだ警戒してんの?」


「ああ」


「何週間経ったと思ってんだよ」


「知らねぇ」


「嘘つけ」


「うるせぇ」


ヴァルドが笑う。


「結局」


空を見る。


「何も起きなかったな」


「まだ分かんねぇ」


「まだ言ってんのかよ」


「まだ生きてんだからまだだろ」


「じゃあ死ぬまで警戒すんの?」


「そうなるな」


「めんどくさ」


「帰れ」


「やだ」


ギーファが。


僅かに笑う。


ヴァルドも。


笑っている。


胸倉を掴んだ。


怒鳴った。


本気で。


ぶつかった。


それでも。


こうして。


隣に座れば。


昔と。


何も変わらない。


「そういや」


ヴァルドが。


周囲を見る。


「セラは?」


ギーファの手が。


一瞬。


止まる。


「いねぇ」


「どこ?」


「村の外」


「何で?」


「逃がした」


「……」


ヴァルドが。


ギーファを見る。


「何から?」


「分かんねぇ」


「……は?」


「昨日」


ギーファが剣を研ぎながら言う。


「嫌な夢見たらしい」


「……」


「花瓶にもひび入ってた」


「……」


「だから追い出した」


「……」


ヴァルドは。


しばらく。


何も言わなかった。


そして。


「お前」


「何」


「とうとうそこまでいったの?」


ギーファが睨む。


「どういう意味だ」


「いや」


ヴァルドが笑いを堪える。


「警戒しすぎておかしくなったのかなって」


「殺すぞ」


「だって!」


ヴァルドが笑う。


「嫁が悪夢見たから村から追い出す奴いる!?」


「ここにいる」


「威張るなよ!」


ヴァルドが。


腹を抱えて笑う。


「しかも花瓶って!」


「うるせぇな」


「花瓶にひび!」


「黙れ」


「いや無理だって!」


「帰れ!」


「セラ怒ってたろ?」


「……」


「怒ってたんだ」


「うるせぇ」


「怒鳴った?」


「……」


「お前怒鳴っただろ」


「黙れ」


「最悪だな!」


「ぶっ飛ばすぞ!」


ヴァルドが。


笑う。


ギーファも。


呆れながら。


少し。


笑った。


久しぶりだった。


こんなふうに。


二人で。


くだらない話をするのは。


「帰ってきたら」


ヴァルドが言う。


「ちゃんと謝れよ」


「何で俺が」


「怒鳴ったから」


「……」


「あと」


「?」


「悪夢で村から追い出してごめんなさいって」


「絶対言わねぇ」


「言えよ」


「嫌だ」


「ガキか」


「うるせぇ」


「……」


ヴァルドが。


笑う。


「まあ」


「?」


「何もなかったら」


ギーファを見る。


「俺も一緒に謝ってやるよ」


「何でお前が」


「友達だから?」


「いらねぇ」


「酷いなぁ」


二人。


笑った。


その時。


――鐘。


「……?」


ヴァルドが。


顔を上げる。


もう一度。


鐘。


激しく。


何度も。


何度も。


村中へ。


響く。


ギーファの表情が。


変わった。


「……この鐘」


ヴァルドも。


立ち上がる。


遠く。


声。


「――敵襲!!」


一瞬。


二人の目が合う。


「行くぞ!」


「ああ!」


ギーファが。


剣を取る。


ヴァルドも。


走り出す。


村。


中心。


戦士たちが。


武器を持って走っている。


「どっちだ!」


「西!」


「いや北からも来てる!」


「何!?」


ギーファが。


走る。


その時。


「……っ」


呼吸。


一つ。


乱れた。


「……?」


胸。


妙に。


苦しい。


走っているだけ。


いつもなら。


何ともない。


なのに。


息が。


浅い。


まるで。


高い山。


空気の薄い場所。


そこで。


全力で走っているような。


「……ギーファ」


横。


ヴァルド。


「お前も?」


「……ああ」


ヴァルドも。


呼吸が乱れている。


「なんだこれ」


「知らねぇ」


「昨日からちょっと――」


「今はいい!」


走る。


西。


村の端。


戦闘。


既に。


始まっていた。


「うおおおおっ!!」


アルヴァの戦士。


敵兵へ。


剣。


振る。


ガンッ!!


「……っ!?」


弾けない。


いつもなら。


武器ごと。


押し返せる。


だが。


押し負ける。


「なんだ……!?」


別。


アルヴァの男。


踏み込む。


遅い。


敵兵の剣。


避けきれない。


「ぐっ!」


「おい!」


ギーファが。


飛び込む。


剣。


敵。


受ける。


「……!」


重い。


違う。


敵が強い?


いや。


違う。


自分が。


弱い。


「……なんだ」


敵を蹴る。


吹き飛ぶ。


だが。


いつもほど。


飛ばない。


ギーファが。


自分の足を見る。


「……」


ヴァルドも。


戦っている。


明らかに。


動きが鈍い。


周囲。


一人。


二人。


三人。


全員。


同じ。


「ギーファ!」


仲間。


警戒を頼んだ男。


走ってくる。


「おかしい!」


「分かってる!」


「違う!」


男が叫ぶ。


「敵だ!」


「何?」


「敵が!」


男が。


後ろを指す。


ギーファが見る。


そして。


止まった。


「……」


見覚えのある。


鎧。


見覚えのある。


紋章。


何週間。


毎日。


見ていた。


アルヴァを。


守るため。


配置された。


騎士たち。


エルグラン。


「……は?」


ヴァルドの声。


騎士。


一人。


二人。


十人。


数十人。


こちらへ。


武器を向けている。


「待て!」


ヴァルドが叫ぶ。


「何してる!」


返事はない。


「俺たちは!」


ヴァルドが。


一歩。


前へ。


「同盟を結んだはずだ!!」


騎士たち。


動く。


剣。


構える。


ヴァルドの表情から。


少しずつ。


色が消えていく。


「……嘘だろ」


声。


震える。


ギーファは。


何も言わない。


「ギーファ!!」


別の声。


東から。


仲間。


「東にもいる!」


「何!?」


「南もだ!」


遠く。


叫び。


「北からも来てるぞ!!」


ヴァルドが。


ゆっくり。


周囲を見る。


北。


南。


東。


西。


全て。


エルグラン。


数週間前。


ギーファが。


言った。


――守られるんじゃない。


――囲まれるんだよ。


ヴァルドの目が。


ギーファへ向く。


「……ギーファ」


ギーファは。


答えない。


剣。


握る。


息が。


重い。


身体も。


重い。


何かを。


された。


いつから。


何を。


そんなことは。


今はどうでもいい。


目の前。


エルグランの騎士。


アルヴァへ。


剣を向けている。


ギーファが。


息を吐く。


「……そういうことかよ」


剣を。


構える。


そして。


叫んだ。


「全員!!」


アルヴァの戦士たちが。


ギーファを見る。


「武器を取れ!!」


一拍。


「敵襲だ!!」


「守られるんじゃない。囲まれるんだ」


かつてギーファが抱いた懸念は、最悪の形で現実となりました。


何週間も続いた平穏。


少しずつ感じ始めていた身体の違和感。


セラの悪夢と、ひび割れた花瓶。


そして、アルヴァへと向けられたエルグランの剣。


ギーファが感じ取った嫌な予感は、セラを村の外へ逃がすという一つの選択へ繋がりました。


ここから、アルヴァにとって最も長い一日が始まります。


次回もよろしくお願いします!


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