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極東の守護神〜日本再軍備〜  作者: 007


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犠牲の代償

原子力空母大和の戦闘情報センター(CIC)

大型液晶モニターに、原子力空母大鳳の姿が鮮明に映し出されていた。

飛行甲板中央部が大きく抉れ、赤黒い炎が激しく燃え上がっている。

吹き飛んだ装甲板の破片が辺りに散乱し、黒い煙が太い柱となって空へ昇っていた。

格納庫の一部も爆圧で吹き飛び、内部にいたティルトジェットが誘爆して次々と火の手を上げている。

大鳳の優美だった飛行甲板は、今や焦げた鉄の傷跡と炎に覆われ、かつての威容を失っていた。

黒崎信一郎大将は、スクリーンをじっと見つめ、低く抑えた声で尋ねた。

「……大鳳の被害状況は?」

担当士官が、緊張した面持ちで即座に答えた。

「飛行甲板中央部に直撃。

格納庫上部も一部が吹き飛び、格納庫内に待機中だったティルトジェット3機が誘爆しました。

艦橋もミサイルの破片と爆圧により深刻な損害を受けています。

現在、消火作業と被害確認を急いでいます。」

黒崎大将は静かに頷いたが、すぐに続けた。

「被害者の確認も急げ。

一刻も早く正確な数字を。」

星野瑞穂大佐は、隣で唇を強く結んでいた。

胸の奥に、嫌な予感が広がっていた。

その時、大和CICの大型液晶モニターに通信回線が開かれた。

映し出されたのは、大鳳空母打撃群司令官、高橋 昌幸大将だった。

彼の顔は煤と汗にまみれ、疲労と衝撃が色濃く浮かんでいた。

黒崎大将は、旧友に向かって静かに声をかけた。

「高橋、大丈夫か?」

高橋大将は、疲れた様子で小さく笑おうとしたが、すぐに表情を崩した。

「……まさか、こんなことになるとは思わなかったよ。」

二人は同期だった。

再軍備の道を共に歩み、今日この日まで極東の平和を守るために戦ってきた仲間である。

黒崎大将は、核心を突いた。

「被害者はどれくらいだ?」

高橋大将は、目を伏せながら答えた。

「現在分かっている範囲で……戦死37名、負傷者72名だ。

まだ行方不明者もいる。」

その数字を聞いた瞬間、CICの空気がさらに重くなった。

すると、高橋大将の横に士官が駆け寄り、何かを耳打ちした。

高橋大将の表情が、一瞬で凍りついた。

黒崎大将と星野大佐は、息を潜めて高橋大将の言葉を待った。

高橋大将は、ゆっくりと星野瑞穂大佐を見つめ、神妙な面持ちで言った。

「星野艦長……原子力空母大鳳艦長、中野喜恵大佐とは同期だったな?」

星野大佐は、静かに答えた。

「……そうです。」

高橋大将は、わずかに声を震わせながら続けた。

「中野艦長は、艦橋で指揮を執っていた。

ミサイルの破片と爆圧で艦橋が被弾した時、部下たちを庇って……戦死した。」

その瞬間、大和のCICは、完全な沈黙に包まれた。

誰もが言葉を失い、ただモニターを見つめるしかなかった。

炎上する大鳳の姿と、中野艦長の戦死という報せが、指揮所全体に重くのしかかっていた。

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