突破の1発
台湾東部海域
日本海軍連合艦隊は、総力で迎撃に当たっていた。
VLSの蓋が一斉に開き、新型極超音速迎撃ミサイルSM-9Aが次々と白煙を噴いて射出された。
長門級イージス巡洋艦と雪風級・黒姫級の駆逐艦から放たれるリニアカノンが、連続して轟音を上げた。
空母打撃群の飛行甲板では、烈風2型と桜嵐が緊急発艦を繰り返し、航空宇宙軍の烈風1型も台湾上空から支援に入っていた。
5センチレーザー砲が青白い光線を連続で射出する。
20ミリレーザーガトリングガンが近接で最後の牙を剥いた。
しかし、人民解放軍の攻撃は執念深かった。
3発の対艦弾道ミサイルが、日本軍の多層防御をすり抜けた。
CICの警報が激しく鳴り響いた。
「3発、突破! 目標は大鳳空母打撃群!」
そのうち2発は、20ミリレーザーガトリングガンの集中射撃により空中で爆散した。
しかし、残る1発は、回避しきれなかった。
原子力空母大鳳の飛行甲板中央部に、対艦弾道ミサイルが直撃した。
轟音とともに、巨大な爆炎が上がった。
飛行甲板の中央が抉れ、炎と黒煙が噴き上がる。
破片が周囲に飛び散り、甲板上の待機中の桜嵐2機が誘爆して炎上した。
大鳳の艦体が、大きく震えた。
日本海軍連合艦隊は、ついに被害を受けてしまった。
大和空母打撃群のCICは、一瞬にして緊迫した空気に包まれた。
黒崎信一郎大将と星野瑞穂大佐は、スクリーンに映る大鳳の姿を無言で見つめていた。
炎上する飛行甲板、立ち上る黒煙、そして戦闘継続に影響が出始めた状況が、モニター越しに如実に伝わってきた。
これまでほぼ無傷で進めてきた連合艦隊に、初めての明確な傷が刻まれた瞬間だった。




