台湾上陸作戦開始
午後0時15分、台湾東部海域。
東シナ海を越え、台湾東部海域に到達した日本海軍連合艦隊は、ついに本格的な上陸作戦準備に入っていた。
2個遠征打撃群が先行し、強襲揚陸艦紀伊級を中核に、ドック型揚陸艦根室級4隻がその周囲を固めていた。
ウェルドックからエアクッション型揚陸艇が次々と発進し、水陸機動師団の兵士と35式戦車、歩兵戦闘車が台湾の海岸線に向かって波を切っていく。
遠征打撃群の周囲では、イージス巡洋艦長門級と雪風級・黒姫級の護衛艦が、厳重な対空・対潜警戒を続けていた。
その後方では、4個空母打撃群が航空支援の陣形を整えていた。
4隻の原子力空母大和級の飛行甲板は、烈風2型と桜嵐の無人機群で埋め尽くされ、電磁カタパルトが連続して作動していた。
艦載機は次々と発艦し、台湾上空へと向かっていく。
その姿は、灰色の鋼鉄の龍が、翼を広げて獲物に襲いかかるようだった。
原子力空母大和の戦闘情報センター(CIC)では、緊張した空気が張りつめていた。
大和空母打撃群司令官、黒崎信一郎大将は、メインスクリーンをじっと見つめていた。
隣に立つ星野瑞穂大佐も、表情を硬くしながら状況を監視している。
「上陸部隊、第一波が海岸線に接近中です。」
通信士官の報告に、黒崎大将は静かに頷いた。
「空母打撃群は引き続き航空優勢を確保せよ。
遠征打撃群は上陸支援を優先。
35式戦車と水陸機動師団の展開を急げ。」
CICの空気は、静かで重かった。
再軍備を果たした新生日本軍にとって、初めての大規模上陸作戦。
13年前の台湾有事で失われたものを、今、取り戻そうとしている瞬間だった。
その時緊急警報が響いた。
「航空宇宙軍の衛星コンステレーションが中国本土からの戦略ミサイル軍の動きを確認!
多数の対艦弾道ミサイルが発射されました!
さらに中国空軍の戦闘機・爆撃機が大挙して離陸しています!」
スクリーンに、中国本土から台湾方面に向かう無数のミサイルの軌跡が映し出された。
同時に、中国空軍の航空機の群れが、台湾上空に向かって急接近している様子も捉えられていた。
黒崎大将の表情が、わずかに引き締まった。
「予想通りだな……。」
彼は即座に全艦隊への命令を発した。
「全艦艇、迎撃準備!
リニアカノン、5センチレーザー砲、SM-9A、ESSMの全システムを起動。
航空宇宙軍南西航空軍および追加展開部隊と連携し、中国軍の攻撃を徹底的に迎撃せよ!」
CICに、緊迫した活気が戻った。
士官たちが一斉に動き、迎撃システムの稼働音が響き始める。
星野瑞穂大佐が、黒崎大将の横で静かに言った。
「中国は台湾を絶対に手放さないつもりですね……。」
黒崎大将は、モニターを見つめたまま、静かに答えた。
「当然だ。
だが我々も、絶対に譲らない。
13年前に失ったものを、今、取り戻す。
それが、私たちの使命だ。」
台湾東部海域では、日本軍の上陸作戦と、中国軍の反撃が、激しくぶつかり合おうとしていた。
灰色の鋼鉄の龍は、静かに、しかし力強く、台湾の海岸線へと迫っていた。




