ミーティング・続。
お待たせしました。
「レイドについて振り返ってみるけど、このゲームでは4人で1パーティとなっている。そしてレイドは最低10組のが参加が参加条件となる。それを踏まえて、今なんて?」
数秒の沈黙の後、気を使ってくれたのか寂れた錆さんが話を続けてくれた。それでも、その目はかなり疑いを持った目であった。
「対人レイドです。」
寂れた錆さん以外はため息をした。
「なんでその考えに至ったか教えてくれるかい?」
昨日薬品ギルドの局長と話したことを伝えた。
「それ、対人レイドというよりは、クラン間対戦にならない?」
夜は自分の感想を素直に述べてきた。
「いや、今回の件に関してはクランだけじゃなく、NPCのギルドまで関係しているから、レイドって表現してみたんだ。」
「ふーん。そうなのね。でも、NPCと戦うとなったら問題がありますよね。」
寂れた錆さんは夜の問いかけに対して、あごに手を当てて思案していた。
「そうだね。僕らプレイヤーがNPCを攻撃すると、罪値がたまるから下手に攻撃が出来ないね。」
「レッドNPCにもそれは適用されるのですか。」
「前例がないからね。もし罪値のペナルティを科せられるとなると、恐らく来月に開催されるクラン対抗戦に出場できなくなるよ。」
寂れた錆さんは1度言葉を止めた。少しの沈黙の後に再開した。
「おそらく薬品ギルドに職員たちに死人が出るだろう。個人的にはNPCよりもこのゲームの先端を走ることに拘りたいから下手に首を突っ込みたくない。ユニークの可能性を捨て切れないが、リスクが大きい。とくにこのクランの中では君が一番クラン対抗戦を楽しんでいるはずだ。もう一度言うが、かなりのペナルティを背負う可能性ある。それでもいいなら止めはしない。何なら同盟クランにも声をかけるし、僕も協力をしよう。」
彼はまっすぐ目を見据えてきた。少し気後れしたが、自分がこのことを行おうとした理由について説明した。
「たしかに、これはゲームですし、クラン対抗戦が一番の生きがいです。けど、NPCであってもついこの間まで話していた人たちが理不尽にいなくなてしまうのは嫌なんです。だから、俺は罪値が溜まってペナルティをもらってでも彼らの為に戦いたいです。」
「うん。気持ちは分かった。僕たちだけで盛り上がってしまったが、反対の人間はいるかい?」
残りのメンバーに目を遣ると、夜とデッドは満面の笑みを浮かべてサムズアップしていた。ドールメーカーさんはすでに席を立って部屋から出て言っており、書置きを残していた。
「(ノルマは私でやっておくので、頑張ってきてください。)」
冷たいようだが、これは彼女なりの激励であった。
数十分後薬品ギルドに出向いて、今回のことについてギルド長と話した。説明がうまい寂れた錆さんが主だって説明してくれた。
「ありがとうございます。我々のために戦ってくださるとは。」
「いえいえ、気にしないでください。困ったときはお互い様ですし、あなた方にも後方支援として戦いを手伝ってもらいます。」
「わかりました。」
現在の情報を互いに共有した。しかし、一番の課題がまだ未解決であった。
「どうやってレッドギルドをおびき出しましょうか。」
「「「うーん。」」」
そう、戦いの始め方であった。
レッドギルド;この世界における犯罪集団の総称。日本で言う暴力団や、ヨーロッパにおけるマフィアみたいな感じ。
罪値;NPCに損害を与えることで蓄積される。一定以上たまると、NPCとの会話が不可能になり、期間限定のイベントにも参加が出来なくなる。これはイベントにNPC関わることがあるため。レベルと引き換えに無くすことが出来る。




