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ミーティング。

一時会話回が続きます。

「やあ、スカイウォーカー君。3日振りだねえ。」

ねっとりとした口調で話すのはこのクランのサブリーダーである、ドールメーカーである。

「どうもドールメーカーさん、デスマーチは終わったんですか。」

「いやあ、やめてくれえ。リアルの話をしないでくれよお。やっとこさ解放されて、ここに潜れているんだからさあ。」

耳を抑えながら呻いていた。

「騒がしいな、ドールメーカー。」

振り返ると寂れた錆が扉から部屋に入って来ていた。

「お、来ていたのか錆ぃ。」

「こんばんは、錆さん。あの2人来てます?」

「夜とハンドなら少し前に来てスカイはたぶん遅れるから、昨日使った分の火薬を補充してくるって言っていたよ。」

「あいつら、人のことをなんだと思ってんだよ。」

思わず拳を握りしめてしまった。

「まあまあ、今日は依頼もないし、クランとしてはミーティングを行うだけだから。」

「そうですね。じゃあ、お茶でも入れますか。」

「頼むよ。」

「私の分もおねがあい。」

「はい。」

そういって俺はクランハウスのキッチンに向かいお茶を入れた。


3人で入れたお茶をたしなんでいると、2人が帰ってきた。

「あら、スカイウォーカー来ていたのね。」

「お前ら、俺が遅刻するとか抜かしていたらしいな。」

「あら、気を使ってあげていたのよ。せっかく勉強していたのだから、ゆっくりくればよかったのに。」

「なぐるぞてめえ。」

「クランハウス内での戦闘はご法度よ。」

「ハイハイソウデスネー。」

「まあまあ、2人とも喧嘩しないで、ミーティングを始めるよ。」

寂しい錆さんは見かねたのか、仲裁に入ってくれた。

「「はーい。」」

ハンドインデッドの方を見ると気まずそうに目をそらしていた。


「それじゃあ、この間の遠征の成果報告から。一応3人から上がった報告を紙にまとめたから。それを見ながら聞いてくれ。」

渡された報告書に目を通すと、俺たちのごちゃごちゃした報告が簡潔にまとめられていた。

「このクランを含む15のクラン連合100名で第四未開拓地に遠征。半分近くの脱落者を出しながらも、エリアの開放に成功。しかし、エリアボスの討伐直後にプレイヤー間でアンノウンと呼ばれる敵が乱入。そのまま戦闘に入り、その戦闘にてボスのドロップ報酬はすべて焼失と。撃退には成功すると。」

部屋は沈黙で満たされた。

「じゃあさあ、今回の遠征って全員赤字ってことかあい。」

口を開いたのはドールメーカーさんであった。

「そうですね。今回の遠征で使用された分の回復アイテム分の補償金は出たんですけど、ドロップ報酬分の保証はなかったですね。といっても、ニャイツ・オブ・ラウンズのメンバーがアンノウンの爪を折ってその分のドロップが出たので、それをめぐってひと悶着あったみたいですよ。」

「君たちは参加しなかったのかあい?」

彼女がこちらをのぞき込んでくる。さすがにこの3人が赤字で大人しくしていることに疑問を持ったらしい。観念して俺はアイテムストレージからとある素材を取り出した。

「一応、このアイテムを手に入れることができました。」

アイテムを取り出すと、2人はかなり驚いた。寂れた錆さんにも伝えていなかった。素材が素材なので、ドールメーカーさんは余計に驚いていた。

「もしかしてオリハルコンかい?」

「そうです。」

取り出したアイテムはこのゲームが始まって数か月後にとあるプレイヤーがダンジョンのドロップで手に入れた武器から存在自体は知られていた、四大武器素材の1つオリハルコンであった。

「採取ポイントがあったのか。」

「はい。遠征途中で引っかかった場所に遠征後向かってみたら、たまたまあったんですよね。」

「ほかにこのこと知っているのは?」

「そうですね、一応同盟であるニャイツ・オブ・ラウンズと、放浪の旅団の人々には教えてきました。もちろん、復活時間まで採取できないように採り尽してからですけど。」

「そうか。という事は新調したナイフも。」

「いえ、それはボス前に出たモンスター達の素材を使いました。さすがに同盟以外のギルドやクランにこの情報を流すわけにはいかないので。」

「そうか。」

寂れた錆さんは安堵した表情になった。

「でも、情報自体は公開するのだろう?」

「ええ、ニャイツ・オブ・ラウンズと、放浪の旅団の人たちが採取するのを考えて、一週間後に掲示板に情報を流そうかと思います。独占してもどうせ場所を特定されるでしょうし。次のクラン対抗戦でリンチされるのも面倒くさいですし。」

「いやあ、スカイウォーカー君。私たちはこのクランを立ち上げてからクラン対抗戦ではずっと首位だぜ。何をしてもリンチされるだろうよ。そんなことは分かっているのだろう。なのになぜわざわざ採取ポイントの公開を行うのだい?」

痛いところを突かれた。

「そうですね、メリットは2つあって、1つは同盟クランにも教えていない採取ポイントが存在することと、この騒ぎに乗じて対人レイドの報酬を独占することですね。」

対人レイドという言葉に全員が反応を示した。






四大武器素材

オリハルコン:魔力伝導率が高く、少ない魔力で武器に属性を付与できる。存在数だけなら四つの中では一番。


ヒヒイロカネ:四つの中で一番軽く、取り扱いやすい。この鉱石自体が魔力を発生している。そのため、武器にわざわざ付与しなくても、魔術などの魔力を帯びた攻撃に対抗できる。


アダマンタイト:四つの中で最も丈夫である。使用者の任意で特殊な力場を発生させて、固い装甲でも簡単に壊すことができる。物理武器では最強の素材。


ダマスカス鋼:この武器で作られた武具は不壊属性を持つ。耐久値に限界が来た状態で使用しても壊れはしないものの、武具の攻撃力、防御力は半分になる。


同盟クラン

ニャイツ・オブ・ラウンズ:通称猫円卓。アーサー王の伝説と猫が大好きな12人で構成された小規模クラン。全員が猫人族でキャラを作っており、プレイヤーネームとは別に円卓の騎士の名前をそれぞれが名乗っている。別に名乗っている騎士が好きというわけではない(箱推しまたはアーサー王の伝説そのものが好きな人もいるため)。

放浪者の旅団:通称浮浪者集団。30名のメンバーで構成されている中規模クラン。全員が自由行動が好きな自由人の集まりである。基本的にソロプレイだが、頼めばクエストの難易度に関係なく、手伝ってくれることが多い。リーダーの旅人の招集にのみ応じる。人づきあいが苦手なお人好しの集団である。


クランの規模

大規模:四人パーティが10組以上組める。

中規模:四人パーティが5組以上組める。

小規模:四人パーティが2組以上組める。

四人パーティが2組も組めない集まりはクランとは呼べないがディ・ナハト・デス・イェーガーは個人戦闘大会3位以上の入賞実績のあるメンバーが半分以上を占めていたため、運営に特別枠として出場が許可された。そして優勝したので、クランとして認められた。


ドールメーカー:サブリーダー

メインジョブ:鍛冶師

サブジョブ:狩人、錬金術師




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