放課後。
「ただいま。」
といっても家の中には誰もいない。裏の畑にもしかしたら祖母がいるかもしれないが、わざわざ言いに行くほどではない。と思っていたが、
「おう、おかえり。」
なんと兄が帰ってきて、アイスを食べていた。
「なんで居るん?」
「いや、実習が思ったよりも早めに終わったんでな。」
「ああ、なるほど。」
「今から潜るのか。」
「いや、友達に部活が終わって自分たちがログインするまでは、勉強してろって言われた。」
「ふっ。」
鼻で笑われた。
「兄さんはどうするの。復帰する?」
「ゲーム自体は復帰するが、クランにはまだ戻らないかな。1か月離れてたからエリア探索と素材集めしてくる。1週間はかかると思う。」
「情報なんか要る?」
「いや、いい。サイト見ながら進めるよ。もしユニーククエストの話されても追いつけないと思うからな。」
「そんなに簡単に出ないよ。ノーマルやエクストラじゃあるまいし。スペシャルでも初めて三ヶ月目でやっとできたんだから。」
「ふーん。」
わざとらしく頷きながら返事をしてくる、何かに気が付ているようだ。この兄、中々に勘が鋭い。昨日のギルド長の話から考察した対人レイドは恐らくユニーククエストと呼ばれる、ゲーム中で全プレイヤー合わせて一回しか受けることのできない特別なクエストである。参加人数はクエスト内容によって変動する。この間参加した遠征もそういったユニーククエストの1つである。
「ま、まあクランに復帰するときは言ってよ。クラン内のチャットで皆に知らせるからさ。」
「はいはい。じゃあ、勉強頑張れよ。」
釘を刺された。そうして、俺は課題に加えて考査に向けての勉強のために部屋に戻った。
五時半から勉強を始めて気が付けば七時を過ぎていた。いざ初めてみれば意外と集中できるものである。椅子から立ち上がって伸びをした。途中兄が持ってきてくれた麦茶のお代わりを注ぐために下に降りた。すると、風呂から上がってジュースを飲んでいたばかりの弟がいた。
「兄ちゃん、今から風呂入ったら?今誰も入ってないし、まだ風呂のお湯はぬるめだよ。」
少し悩んだ。もう二十分もしたら夕食だろうから、夕食後にゆっくり入りたいが、夏場なのでぬるめのお湯も捨てがたい。どうしようか。・・・・・よし、さっさと入ってしまおう。
「じゃあ、入るわ。」
という事で風呂に入った。
その後風呂から上がって夕食を済ませた後に少し休憩してから、勉強を再開した。九時を回った位に夕夜から連絡が入った。
『九時半から行ける。』
了解と返信をして、切りのいいところまで終わらせて急いで歯を磨いた。時間まであと五分というところでログインする準備を完了させた。一応課題の確認をして、機器の電源を付けて頭に装着してベッドに寝転んだ。
「スタート」
その声を発した直後に視界は白い光へと包まれた。
クランハウスの自分の部屋にログインした俺は、会議室へと向かった。扉を開けると数日ぶりにログインしていたプレイヤーがいた。
ノーマルは選択制にはなりますが基本的にすべてのレベルのプレイヤーに受注チャンスがあります。
スペシャルは一定のレベルに達したり、条件満たすことで受けることのできるクエストです。
エクストラは職業や武器の熟練度を熟練度を上げることで受注が可能になります。
ユニークはゲーム中で回数制限のある希少なクエストの総称です。ユニークの中でもいくつかの階級に分かれており、下からカラーレス、アイアン、カパー、シルバー、ゴールド、プラチナ、レインボー、スターとなっています。受注可能総数と階級は反比例しますが、階級と参加人数に比例関係はありません。適正値はステータスによって決まりますが、プレーヤーの純粋なプレイヤースキルだけを求める例外的なクエストは存在します。




