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最初に言っておく‼︎ 転生者はキミだけではない‼︎  作者: クリクロ
第二章 『動き出した思惑編』
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モモちゃんとラル04

 翌日、俺が魔なびに着いた時、もうみんなは来ていた。どうやら一番最後らしい。そして何故か、ミトさんとカミュールさんはラルを連れて来ていた。


……なるほどね。しかしトウタさんの姿は見つからない。珍しいなぁ〜、てっきり来ると思っていたのに。しかし、これでわかったよ。発動条件は『ラル』なんだってことがね。


一人で納得しながら、入口付近にいたスバルに挨拶した。


「おはよ〜」


「呑気におはよ〜じゃないよ。アギト、大変なんだよ‼︎」


「ん⁉︎ スバルは、なにやらかしたの⁉︎ モモちゃんにフラれたの⁉︎」


「ち、ちげぇ〜よ。不吉な事いうなよ。告白する前からバッドエンドな解析をするなよ‼︎」


「んじゃ、なんだよ⁉︎」


「ケイとカミュールさんが喧嘩しているんだよ」


「それこそ大変でもなんでもないよ。いつもの事じゃないかよ。気にするだけこっちが損するよ」


「それが、いつもよりエスカレートしてるんだよ」


スバルが説明している向こうから大声で討論している二人の声が聞こえてくる。……言われてみれば、いつもよりテンションが高い気はする。



「カミュール、なんでパパが来ないのよ〜。なんでパパも呼ばないのよ⁉︎」


「ケイ、ごめんね。先に別の要件を入っていたらしく、どうしても来れないのよ」


「ま、まさか、別件って女の人との密会じゃないでしょうね⁉︎ あんたがいながらパパは浮気とかしてないわよね⁉︎ だから、ラルを置いて行ったんじゃないでしょうね⁉︎」


「……う、嘘よ⁉︎ 師匠に限ってそんな事はあるはずがないわ‼︎」


「ま、まさか、本当に浮気なの‼︎」



カミュールさんとケイの深刻な話をよそに、呆れた顔をするミトさん。……だいたいトウタさんが浮気なんかするわけないだろう。そもそもまだ一緒に住んでいるカミュールさんにも手出してないようだし、なにをトンチンカンな妄想してるんだ。……こりゃ、ミトさんも大変だわ。


そして、この妄想話はもう少し時間がかかるだろう。俺はみんなの方へは向かわず、入口付近から一度外へ出た。二人にして見れば本気の話し合いかもしれないが、はたから見れば朝イチからしょうもない話を聞きたくないのが本音だ。




「パパはどこ行ったのよ⁉︎」


「……わからないの。本当に師匠はドコに行ったのかしら⁉︎」


「あんたが側に居ながらなんで浮気されているのよ‼︎」



……しばらく黙って様子を見ていたミトさんが2人の口論をさえぎるように口を挟んだ。


「あんたらの能天気にも程があるよ。……だいたいカミュール、あんたが先にトウタに言ったんだろう。『今日一日、ラルの世話を私に任せてください』って……それがなんでトウタがラルを邪魔とかいう妄想に繋がるんだい⁉︎」


「あっ‼︎」


「あっ……じゃないよ、まったくもう」


「なんなのよ、カミュール。ビックリしたじゃないの。もっとしっかりパパを見張ってなさいよ」


「『浮気』って言葉に動揺してしまったのよ。……ゴメンねケイ」


「もう〜心配させないでよ」




 もうそろそろかなぁ。……あの二人は最近仲が良いのに、トウタさんの事になるとホント我を忘れるよなぁ〜。俺は、時間的に頃合いと判断し、みんなの元に向かった。




二人の茶番が終わると同時くらいにスバルがミトさんに質問をした。


「もしかしてさ、ラルを連れて来た理由ってモモちゃんの新魔法に関係あるの⁉︎」


「最近、モモちゃんは夕方の時間だけラルの世話を任せているからね。ラルがいることが発動条件の可能性としては高いね。ただ通常、魔法は一度覚えてしまえば後は忘れる事はないんだよ。その辺りが気にかかる部分ではあるんのだが……」



ミトさんの気にしている部分は俺も感じていた。新魔法を覚える感覚は、間違いなく自分の変化として体感出来る。そしてこれは個人的な意見だが、初めて自転車に乗れた感覚に似ている。一度その『感覚』を覚えてしまえば、忘れる事はないのだ。つまり魔法とは記憶として保管しているのではなく、イメージを身体が覚えているような感覚的なものなのだ。




「ね、ね、モモちゃん、今度こそ新魔法をやって見せて‼︎」


「あい、わかりまちた」


みんながモモちゃんに釘付けになる。もちろんラルも側にいる。前回のトウタさんの新魔法の件もあって期待感が半端ない。そして確かに俺はこの瞬間、モモちゃんに対してサブイボ(鳥肌)が出た。……これは期待してしまう‼︎




ところがしばらく経っても、昨日同様にモモちゃんはまた浮かない顔をする。


「あれ……あれ……やっぱり、できなくなりまちた。どうしてかなぁ〜⁉︎」


「⁉︎」


「ミト母さん……こ、これは、どう言う事なの⁉︎」


「ラルが来た事で、発動条件は整ったとばかりに思っていたよ。しかし、これは一体どういう事だい⁉︎」


ミトさんとカミュールさんが驚きを隠せない中、モモちゃんもどうしていいかわからず、ただその場に立ち尽くしていた。実際、俺の記憶魔法【レコード】でもモモちゃんに体調の変化は見受けられない。


となるとモモちゃんの新魔法の発動条件は『ラル』ではないことになる。……これは、一体どういうことなんだ⁉︎


そんなみんなの動揺をよそに、ラルだけが少し離れた簡易的な揺り籠の中で眠っていた。

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