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第89話 遠ざかる
その日は疲れて、いつもよりも2時間早く寝てしまった。
すると、夢の中に母が出てきた。
ちょこんと私の隣に座っている。
「ありがとねぇ」
と、弱々しく言う。
「なにが?」
「いろいろよ。私も、そろそろ」
と、謎の発言を母がした。
何が起こるのかと思って母の腕を掴もうとするが、どんどん遠くへ行ってしまう。
「ちょっと待ってよ。まだ話が終わってないじゃん」
そう言っても、母は振り返らない。
私は必死に手を伸ばした。
そこで目が覚めた。
時計を見ると、まだ夜中だった。




