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人生100年時代だっていっただろうが! 〜母という異世界生物観察記録〜  作者: 目立拓奶


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第84話 カモフラージュも限界ギリギリ

「では、あの……あそこにある、もう一つのものは……」


看護師の佐藤さんは、実に言いづらそうに口を開いた。


……絶対、気づいて言ってるよね?


その微妙な表情から、すべてを察した。


まずい。


このままでは、看護師の佐藤さんによる公開処刑が始まってしまう。


ここは大部屋の一角だ。


周囲の患者さんたちが、私たちの会話に聞き耳を立てているような気配がする。


いや、気のせいかもしれない。


でも、絶対に気のせいじゃない気もする。


「あぁ、これは……」


そう言いかけた、そのとき。


母がトイレから戻ってきた。


「あー、たっぷり出た。すごいわね、抗がん剤って。私、全然水飲んでないのに、よく尿が出るもんだわ」


「あぁ、そうですね。抗がん剤の副作用で、こういうこともあるんですよ」


佐藤さんが、すかさず応じた。


母、ナイスプレー!


話が逸れた。


グッジョブ!


心の中でガッツポーズを決めた。


危なかった。


あと一歩で、あの黄色い包みの正体を問い詰められるところだった。


よかった。


本当によかった。


そう安堵していた、そのとき。


母が、くるりと私の方を向いた。


「あんた、ところで佐藤さんと何を話していたの?」


オーーーーーーーーイ!


蒸し返さないでっ!!!!!!!!!

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