72/78
第72話 で、目的は?
包装紙とリボンを選ぶのも忘れ、店員さんを虜にするというおもちゃを見せてもらおうとした、そのとき。
私のスマートフォンが鳴った。
ふと我に返る。
発信元は、母だった。
「すみません」と店員さんに断りを入れつつ、電話に出る。
「もしもし?」
「もしもし? あんた、何やってんの?」
何やってんの?
あなたのおもちゃを買っている……とは言えない。
「シャンパン買うのに、時間がかかりすぎない?」
「あー、うん。そう。でも、本当に買うの?」
「飲むわよ。早く買ってきなさいよ」
「あー、あのさ、ほかに欲しいものとか……」
「ほかに欲しいもの? 今は考えられないわね」
そう言うと、母はブツッと電話を切ってしまった。




