50/72
第50話 キャネボウで眉毛のアップデートをする?しない?
数分後。
私たちはキャネボウのカウンターの前に立っていた。
そこまではよかった。
問題は、その先だった。
カウンターのお姉さんが、とんでもなく綺麗だったのである。
肌は発光しているし、まつ毛は完璧だし、髪の毛までツヤツヤしている。
同じ人類とは思えない。
私は一瞬で緊張した。
母も黙っている。
さっきまでピンクのベレー帽で盛り上がっていた人とは思えないほど大人しい。
まるで敵地に乗り込んだ武士のような顔をしていた。
すると、お姉さんが微笑みながら声をかけてきた。
「本日はどのような商品をお探しですか?」
母は固まった。
私も固まった。
数秒の沈黙の後、母が口を開く。
「眉毛を……選んでください。」
私は眉毛が並んでいる売り場を想像して目を瞑った。なんだその状況。




