↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人生100年時代だっていっただろうが! 〜母という異世界生物観察記録〜  作者: 目立拓奶


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/69

第20話 見た目はホスト、中身は生命保険の営業マンと絶対にプリンを作りたい娘のバトル

「うちの母を茶化すのはやめていただけませんか?面白くもありませんし、母はどう見ても『おねぇ様』ではなく、『おばぁ様』です。」


すると、ホストのような容姿をした第二アジア生命の浜辺太郎は、少しだけ困ったような顔をして右斜め下を見た。


「……まぁ、そんなことは分かっているんです。」


「んまぁ。」


母は思わず声を上げた。


口があんぐりと開いている。


「保険というものは、それはそれは勇気のいるお買い物なんです。」


浜辺は真面目な顔をした。


「もしかすると損をするかもしれない。でも、何かあった時にはその人の支えになるかもしれない。」


「ふむ。」


母が頷く。


「ご本人が恩恵を直接受けなくても、ご遺族の助けになるかもしれない。」


「ふむふむ。」


さらに頷く。


「僕は、損をするものを売りつけたりしません。」


浜辺は母をまっすぐ見つめた。


「僕は……そういう夢を売っているんです。」


少し沈黙が流れた。


「今の決まったと思ってます?」


私は聞いた。


「ちょっと思いました。」


素直だった。


「何言ってるんだか、分かるようで分かりませんね。私は大きい大きいプリンを母に作りに来たんです。邪魔しないでください。」


そう言って、机の上に広げられた保険のパンフレットの上へ、卵と牛乳が入った袋をドンと勢いよく置いた。


パンフレットが少し折れた。


「僕は、ただお母様に幸せになっていただきたいだけなんです。」


浜辺は懇願するような目をした。


母はキュンとした顔をしている。


この期に及んで、女のような目をしている。


なんて女だ。


「……私、もうちょっと浜辺くんの話聞きたいわ。」


そう言って、母は浜辺の目をじっと見つめた。


浜辺も熱心に見つめ返す。


だが、浜辺の目はもっと母の目の奥を見ている。


その奥にある口座残高まで見えている気がした。


「もちろんです。」


浜辺はパンフレットを一枚めくった。


「私が今回おすすめしたいのがありまして……」


「はい……。」


母の目が潤んでいる。


「がんと告知される前だから入れる保険、『ガン+100』なんです。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。