↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人生100年時代だっていっただろうが! 〜母という異世界生物観察記録〜  作者: 目立拓奶


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/70

第10話 知らない不安と知る不安

今後のことがわからないと、人は不安になる。


だから私は調べた。


がんとは何なのか。

どんな治療法があるのか。

どれくらいの確率で再発するのか。

何を食べればいいのか。


知れば不安は減ると思ったからだ。


実際、知らないまま漠然と怯えているよりは良かった。


最悪のケースも、治療の選択肢も、ある程度は予測できる。


けれど、調べれば調べるほど思った。


情報は多すぎる。


良い話もあれば悪い話もある。


奇跡的に回復した人の記事もあれば、あっという間に亡くなった人の体験談もある。


同じ病名なのに、結果はまるで違う。


だから結局、人は自分が信じたい情報を拾うのかもしれない。


前向きな人は希望を探す。


悲観的な人は絶望を探す。


そして今の母は、完全に後者だった。


母は普通に仕事へ行き、普通に帰ってくる。


ご飯も食べるし、テレビも見る。


傍から見ればいつもと変わらない。


けれど中身は別人のようだった。


心だけがどこかへ引きこもってしまったように見える。


こんな母を見たことがない。


そもそも家で酒を飲む人ではなかった。


それなのに最近は、焼酎のロックを作っては黙って飲む。


酔って楽しくなっているようには見えなかった。


たぶん、酔わないとやっていられないのだ。


知らない不安から逃げるためなのか。


それとも、知ってしまった不安を忘れるためなのか。


私にはわからなかった。


ただ、バラエティ番組を観る頻度が増えたことだけは母を観察していてよく分かった。


バラエティ番組が新しい刺激になると良いのだけどな…見ている時に笑っていないが…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。