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静かな恋愛~朝にしか会えない君と~  作者: アオ


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40/43

#40 長い間の気持ち

皆さん、こんにちは!アオです!

それでは「静かな恋愛~朝にしか会えない君と~ 」をどうぞ!

傾いた日が差し込む観覧車、俺は長い間胸の内に秘めていた

想いを大野宮さんに伝える……恥ずかしくて逃げだしそうになる

気持ちを必死に抑えながらまっすぐに大野宮さんを見つめる。

すると大野宮さんの目からはぽつりぽつりと涙が頬を伝う。

やがて口元を押えながら静かに泣き始める。

驚きながらも大野宮さんの隣にいて"大丈夫ですか"と声を

かけながら持っていたハンカチを渡す。


大野宮さんはそれを受け取らずに自分のハンカチで涙を拭く。

そして震えた手つきで紙に何やら書き出す。

「ごめんね、取り乱しちゃって……私も引っ越すって言われたとき

 嫌だった。こんな体質だから向こうで親友って呼べる友達が

 できるのかってすら不安に思った。ただそれ以上に不安だったのは

 凌君と離れることだった」


そこまで書くと大野宮さんは鼻水をすすって続きを書き始める。

それを横で俺は静かに見守る。

「毎朝一緒に登校してるだけなのになんでこんなに嫌なんだろうって……

 最近になってわかったの、凌君のことが好きなんだって。

 私の友達も話していたけど声が出せないから輪の中に混ざることが

 できなくて。だから男友達はもちろん、女友達ですら少なかったの。

 ましてや誰かに好かれたこともないし」


まるで話しているかのように大野宮さんの想いは続いていく。

「でも凌君といるとそんな悩みすらなくなるくらい楽しかったの。

 私は話せないけど凌君は話せるからもしかしたら好きな人とか

 いるのかもしれないなって思うと時々胸が苦しくて……

 それ以上に凌君と一緒に話したりイベントごとに行ったり

 したときは誰と行くよりも楽しめた」

そこで大野宮さんはひと呼吸おいて再び書き始める。


「私も凌君のことが好き!こんな私でよければお願いします!」

さっきまでの泣いていた様子とは違って笑顔の大野宮さん。

その笑顔とその返事をもらって俺はうれしくなる。

気が付けば観覧車は地上に戻ってきて係員の人に促されて外に出る。


観覧車から見ていた夕日が山の方に隠れていく。

そして狙っていたかのようなタイミングでちらちらと雪が降りだす。

俺「っ……手、つ、つなぎませんか?」

俺が耳と頬を赤くしながら大野宮さんに手を近づけると

大野宮さんは笑顔になって俺の手を取る。


遊園地で大野宮さんに促されてつないだ手とは違い、

"カップル"という解けることのない魔法でつながれる手に

若干の恥ずかしさと多くのうれしさに心臓はバクバクいっていた。

俺たちは何も話さずその心地よい時間をかみしめながら遊園地を後にする。


電車に乗ると大野宮さんはウキウキの様子で何やら紙に書き込む。

「それで今日の私どうだった?」

ニコニコしながらそう質問する大野宮さんに俺は苦笑いしながら

「どうって、びっくりしましたよ。前から告白するって決めていたのに

 そんな工程をすっ飛ばすようなことをずっと大野宮さんが

 するんですから……とくに関節キスなんて他の人には

 絶対にしないでくださいよ。俺も恥ずかしかったですし」

そんなことを書いていると顔が真っ赤に染まりそうだ。


「もちろん凌君意外にやるわけないよ。凌君は特別だし。

 でも、少しからかっていたから面白かったけど」

そういたずらっぽく笑みを見せる大野宮さん。

「やっぱりからかってたんですね!」

「まあまあ、でもまさか凌君が私を想っていてくれてたなんて。

 夢みたい、しかも私よりも先になんてね」


「実は大野宮さんと会う前に振られたばかりだったんですよ」

気が緩んだのか俺はそんなことをカミングアウトする。

「えっ!?そうだったの!?やっぱり凌君はすごいなぁ~

 私だったらあんな元気に人と接せれないよ」

「確かにいつもの俺だったら同じだったんですけど

 好きなアーティストの曲を聴いていたら大野宮さんに出逢ったので」


「ほんと運命ってすごいよね~……でも付き合ったら余計に

 引っ越したくなくなっちゃった~」

小さい子のように駄々をこねる大野宮さん。

「俺も大野宮さんとこうやって過ごせなくなるの寂しいですよ。

 でも毎日メッセージで話しましょうよ!いつもの登校の時間に」

「だね!大好き!」

そう不意打ちの文字を見せられてさらに電車内だと言うのに

俺に抱き着いてくる大野宮さん。


俺「ちょっ!?大野宮さんっ!?」

あまりの出来事に俺は少しばかり声を大きくしてしまう。

しかし大野宮さんはそのまま抱き着いて離れない……

大野宮さんが体をあずけてくれているってことは

このままハグしていいよな……大丈夫だよな。

こんな慎重になっている自分がキモイとは思いながらも

大野宮さんとハグしあう。


それからどれくらいの時間が経ったのだろう

大野宮さんが体から離れて隣に座る。頬を赤くしながらにこっと

笑うその姿に俺はさらに惚れるのだった。


そして大野宮さんの家の最寄り駅に着く。

俺「送りましょうか?」

「大丈夫だよ!一応、先輩なんだけど!

 しばらく会えないかもしれないけどいっぱい話そう!」

俺「はい!」

そう言うと大野宮さん小さく手を振った。

読んでいただきありがとうございました!

コメント(感想)をくださるとうれしいです!

それでは次回お会いしましょう!アオでした~!

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