#37 クリスマスデート~前半~
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「静かな恋愛~朝にしか会えない君と~ 」をどうぞ!
大野宮さんをクリスマスに誘った日の放課後、かつてないほどの
うれしさを胸に帰る準備をしていた。
琴音「あっ、朝からずっとうれしそうだけど
もしかしてあの先輩と何か進展があったのか?」
俺「うん、昨日琴音に相談して決心がついたからとうとうクリスマスに
誘うことができたんだよ。それがうれしくて」
俺は興奮気味に琴音に語る。すると琴音は一瞬悲しそうな顔をしたが
次の瞬間にはいつもの笑顔に戻って
琴音「良かったね……その時に告白するの?」
俺「うん、会えなくなるなら後悔はしたくないからさ」
まさに昨日、琴音に言われて俺は気づかされたのだ。
琴音「凌の恋愛がうまくいくように願ってるよ」
好きな人の恋愛を応援する……それ以上に心苦しいことはないはずなのに
琴音はここまで俺のことを想ってくれている。本当に人に恵まれてるな。
俺「ありがとう……まあ結果はあまり期待してないけど」
愚痴るような感じで俺はそう言って学校を出る。
それからの朝はとても楽しい時間になった。
大野宮さんとクリスマスどこへ行くのかと予定を立てるために
一緒に調べたり"こんなことしたいね"なんて語り合ったりして
気が付けば手と手が触れるくらいの距離感になったこともあった。
その度に俺は胸の鼓動が抑えられないくらいになっていた。
大野宮さんと一緒にいて思う。俺はこの時間が最高に好きだと。
そして時間は過ぎていき、あっという間にクリスマスイブになった。
すでに冬休みに入っており大野宮さんとはメッセージでやり取りをしている。
しかし俺は電車に一緒に乗ってやり取りするあの時間の方が好きだ。
クリスマスの行き先は通っている学校からそこそこの距離にある
遊園地だ。SNSで有名になっており近くにはイルミネーションも
行われているようでまさにクリスマスには最高のところだと思った。
俺はいつも以上に電車の時間や予定などを頭に叩き込んで
いつもより早く寝ようと思ったのだが、大野宮さんとの会話が楽しすぎて
結局日付が回るぎりぎりまでメッセージでやり取りをしていた。
大野宮さんが寝るということで俺も寝ようとしたがなかなか寝付けない。
しかしその時に、"大野宮さんが引っ越しをする"という嫌なことを
思い出してしまった……もともとは引っ越しする前に一つでも
良いから楽しい思い出を作りたいと思って誘っていた。
しかしこのクリスマスが終わったら大野宮さんは新年早々に
引っ越しをしてしまう……その後の俺は上手くやって行けるのだろうか?
毎朝、大野宮さんと紙で会話しているあの当たり前すらも
過去のものとなってしまいあたり前ではなくなってしまう……
そう考えると未来が怖くて仕方がなかった。
いや、そう考えても何も変わらない。とりあえず明日は楽しもう。
そう思うと俺は無事眠りにつくことができた。
翌日、12月25……待ちに待ったクリスマスだ。
俺は暖かい恰好をして待ち合わせ場所まで電車で向かう。
ホームに降り立つと大野宮さんがいた。
俺「おはようございます!もう少し暖かいところで待っていても
良かったのですが」
「おはよう!楽しみだからついね!」
そう紙を見せて笑ってくれる大野宮さん。
その楽しそうな笑顔を見て俺は思わず見惚れる。
俺「じゃあ行きましょうか」
俺がそう言って先に進んでいくと大野宮さんはその場に立ったままだった。
「手つないでほしい……寒いから」
大野宮さんの甘いリクエストに俺は様々な考察が脳をよぎる。
一体どういうことだ!?大野宮さんってこんな甘えるキャラじゃないよな……
何度も手を出してはひっこめて出してはひっこめてを繰り返して
俺はやっとの思いで大野宮さんの手を握る。
大野宮さんの手は年上なのに小さくて女子……というより女の子と
言った方がぴったりなサイズだった。それに手がとても冷たかった。
一方、俺は顔面を真っ赤にしながら大野宮さんの歩幅に合わせて
電車の中まで向かう……ただその間大野宮さんの顔を見ることはできなかった。
……この状況恥ずかしすぎる……電車内は暖房がついていたが
さっきまでの俺の状況から少し暑く感じた。
「ありがとう」
頬を赤らめながら大野宮さんは丸くかわいい字を見せる。
やばい……いつもより大野宮さんがかわいすぎて耐えられない。
絶対にそんなこと口にしたら嫌われるかきもがられるんだよな……
なんてせっかくのクリスマスなのに嫌な気分を想像しながら乗り続けること
十数分、遊園地の最寄り駅に到着する。
電車から降りると大野宮さんは何も言わずに俺の手を握ってくる。
その行動にまた俺の顔は赤くなりながらも手を握り返した。
それから無言のまま遊園地の入り口までたどり着く。
入場券と乗り物券を購入した俺たちは遊園地に入場する。
園内はクリスマスの装飾が施されており赤と緑のランプが
照らしていた。まだ夜じゃないのにかなり幻想的な風景だ。
大野宮さんが俺の袖を引っ張ってジェットコースターが
ある方向を指さす……あれに乗りたいってことなのか。
読んでいただきありがとうございました!
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




