#36 決心のとき
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「静かな恋愛~朝にしか会えない君と~ 」をどうぞ!
大野宮さんから衝撃の事実を告白されて俺は漠然とする。
それからお互い、無言のまま数分が過ぎる。
「もしかして前に元気がなかったのって引っ越すからですか?」
紙でも俺は恐る恐る大野宮さんに聞く。するとうなずいて
「うん、まさか高校を卒業する前にここを出てくのはびっくりしたし
親友はもちろん、こうやって優しくしてくれている凌君と
離れるのも寂しいし……それに生まれつきこんな体質だからさ
向こうでやっていけるのかも不安でいろいろなことが重なって……」
"大丈夫ですよ"なんて無責任な言葉を投げれるほど愚かではない。
でももしかしたら大野宮さんは誰かに愚痴りたかったのかもしれない。
「でもこんなところでクヨクヨしていても仕方ないよね!
残り一か月ちょっとだけどこれからもよろしくね」
できるだけ前を向いて歩いている大野宮さんを見て俺はうなずくことしか
出来なかった。胸に秘めたこの想いをどうしようかと考えるばかりだった。
それから大野宮さんはまるで何もなかったかのようにして
いつも通りふるまってくれた。本当は引っ越さずに俺を驚かすための
ドッキリではないかとも思うほどだった。
「いってらっしゃい!」
俺「はい!行ってきます!」
いつも通りの会話を交わして電車から降りる俺。
しかし大野宮さんがいなくなったからか一気に寂しさというか
悲しさが俺を包んだ。そんな憂鬱な気持ちで学校へ向かう。
俺の気持ちが沈んでいると絶対に言ってくるのは琴音だった。
琴音「お、おはよう……ってだ、大丈夫か?」
俺「おはよう……いや全然大丈夫じゃないむしろだめかもしれない……」
今の俺は大野宮さんから聞かされた事実を受けてただただショックで
本当に何もやる気が起きていなかった。
琴音「……と、とにかく歩け。は、話はその後だ」
あまりの出来事に俺はその場に立ち止まっていたらしい。
後ろから琴音が教えてくれるのに気が付いて俺はようやく歩き出す。
そして学校に到着すると俺は申し訳なさがありながらも琴音に話す。
俺「てことがあったんだ……ごめんな、こんな話聞きたくないよな」
琴音「……そ、そりゃあそうだけど……でっ、でもここまでやられてる
凌を見るとし、心配……そっか……」
俺「なあ琴音、俺どうしたらいいと思う?」
"琴音が俺のことを好き"ということすら忘れてそんな質問をする。
琴音「りょ、凌は告白しろ!でないと絶対に後悔する!
きっ、気持ちは伝えられるときに伝えないと……
ふ、振られるより心えぐられるぞ」
俺「……でもよ、振られたらさ……」
嫌な未来しか見えなくて自分が嫌になってくる。
琴音「だっ、大丈夫……わ、忘れたのか私、凌に振られてるぞ……
で、でもこうやって……恋愛相談のってるし……」
琴音のその言葉に"ハッ"と気づかされる。確かにそうだよな……
琴音だってこの状況は今の俺よりもつらい状態なのに
それよりも俺のことをきにしてくれている。
その状況で何もしないのは漢として……いや人としてどうなんだ。
自分自身に問いかける。
俺「……そうだよな、琴音の言う通りだ。絶対に後悔する……
アドバイスありがとな。琴音のおかげで自分が次に
やるべきことが決まったよ」
ショックが完全になくなったわけではないが琴音に気付かされた。
琴音「う、うん……頑張れ!」
そう言って俺に微笑みかける琴音。この笑顔だ、毎日
幼馴染が励ましてくれるこの笑顔。
それからは何回も計画を練っては白紙に戻しを繰り返す。
あっという間に時間は過ぎていきとうとう12月に突入する。
その日の俺は多少の緊張に襲われながら電車に乗った。
大野宮さんが引っ越すと話したあの日から練りに練ってきた……
人生で初めて俺は好きな人をクリスマスに誘う……
大野宮さんが乗ってくる駅に近づくと息が詰まって行く。
それでも何とか緊張を和らげようと俺は必死になる。
「おはよう!めちゃくちゃ寒いね~」
いつものように笑顔であいさつをしてくれる大野宮さん。
「おはようございます。今年一番の寒さらしいですからね」
大丈夫か今の俺……緊張でなんかおかしくなってないよな。
「そっか~、手がかじかんでてて文字が変になる」
声もなく笑いながら大野宮さんは紙を見せてくる。
確かにいつもよりもミミズに近い形になった文字が見える。
でもそれが大野宮さん自身の可愛さをより一層引き出しているように感じた。
……なんかいつもより変な感情になってる……落ち着け俺。
しかしそんな俺の気持ちとは反対に大野宮さんはいつも通り
話してくれる。うれしいけど、誘うタイミングがつかめない。
すると神様が狙ったかのようにしばらくの沈黙が入る。
ここしかチャンスがない……そう思った俺は言いたいことを紙に書き込む。
「大野宮さん、もしよければクリスマス一緒に過ごしませんか?」
今の俺の顔は極限状態に近いほど赤くなっていると思う……
恥ずかしさを我慢しながら大野宮さんを見る。
すると大野宮さんはほんのわずかに頬と耳を赤くしながら
「いいよ」
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




