#35 失恋は時間の問題……
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「静かな恋愛~朝にしか会えない君と~ 」をどうぞ!
文化祭から数日後、いつものように電車に乗って学校へ向かっていると
大野宮さんが俺の隣に座る。しかしなんだか様子がおかしい。
俺「おはようございます大野宮さん」
多少は緊張したが俺は自分から大野宮さんに挨拶をしてみた。
するとうつむいていた大野宮さんが俺の方を見て笑う。
「おはよう」
「大野宮さん、元気ないように思えるんですが何かあったんですか?」
俺がそう紙を見せると大野宮さんの表情がくもる。
「うん、ちょっとね……また話せるようになったら話すね」
それからは沈黙が訪れる。大野宮さんは車窓の風景を眺めながら
ぼーっとしていた。その様子を見てきっと何かあったのだろうが
このままの様子では俺がツッコんでいい内容ではないと思った。
ひたすらに沈黙が続く……大野宮さんの顔と車窓に目線が行ったり来たりする。
すると電車はゆっくりと速度を落としていつもの学校の最寄り駅に到着する。
俺「大野宮さん、一人で抱え込まない方がいいですよ。たまには
誰かに吐き出した方が楽になるときもありますよ。
また話したくなったら言ってください、すぐに行きますから!」
俺がそう言うと大野宮さんは笑って
「ありがとう、その気遣いだけでとてもうれしい。今日も頑張ってね」
俺「はい!大野宮さんも無理しないでください!」
そう言って俺はホームに降り立った。
……ただ、ああは言ったものの大野宮さんが何か悩んでいることに
違いない。大野宮さんのあんな姿、出会ってから一度も見たことなかった。
それもあってか余計に俺自身の心配や恐怖心が大きくなる。
嫌な想像が頭の中を駆け巡るせいでその日の授業は全然集中できなかった。
ただ俺の様子を見て気が付いたのか琴音が
琴音「凌、あまり集中してないけど大丈夫か?」
俺「ああ……実は~……」
一瞬、"ちょっとな"とごまかそうともした。しかし琴音のことだ、
きっと詮索してくるに違いない。そう思った俺は今朝の出来事を話す。
琴音「……そうなんだ、ぶっ、部外者の私が口を出すのも違うかもしれないけど
その人のペースに合わせるしかないと思う……
それに凌がとった行動は相手にとってし、幸せだと思う……
人に話を聞いてもらうだけで気持ちは楽になるし。
それにわ、私の場合はそのすっ、好きな人ならうれしいし」
琴音が頬を赤くしながらそういう。
俺「確かに琴音の言う通りだよな、ありがとう」
琴音「べっ、別にあ、あたり前のことをしたまでだし……」
文化祭の一件から琴音はかなり変わった。自分からみんなを
まとめるようになった。ただ俺と会話するときはその前と同じだ。
俺「とにかく寄り添えるような形で接するよ」
琴音「うっ、うんその方がいい……」
そして翌日、大野宮さんが乗る駅に到着すると俺は深呼吸する。
……別に寄り添うって言ってもおそらくいつも通りにしておけば
良いのだがなんだか変に緊張してきてしまう。
「おはよう!」
大野宮さんが隣に座るといつもよりテンションは低いがそれでも
昨日よりは圧倒的に良い状態で話しかけてきた。
「おはようございます、元気そうで何よりです」
「まあまだ完全にはなってないし、まだ凌君にも言えないけど
くよくよしていても仕方ないなって思ったしさ!」
「それは良かったです」
とにかく大野宮さんがいつも通りに近いテンションで話してくれるため
昨日まであった不安は少しずつ払拭されていった。
その後は、いつものように好きな歌手や曲について話しながら
学校までの時間を楽しんだ。もちろん、大野宮さんが悩んでいたことに
ついては一切話さずにしていた。
駅に着くと、大野宮さんが紙を出す前に俺は
俺「いってきます!」
という。たまにはこういうのもありなのかもしれない。
すると大野宮さんは微笑んで
「いってらっしゃい!今日も頑張ってね!」
俺「はい!」
意気揚々と返事をして俺は電車から去って行った。
学校へ行くと俺は琴音にお礼を言う。
俺「琴音、昨日はありがとな。おかげで今朝はだいぶ戻ってきてたよ」
琴音「よっ、よかった……なんだかその人と凌のテンションが
し、シンクロしているみたいでうれしいし羨ましい……」
琴音にそんなことを言われて思わず俺は笑いと苦笑いが混じる。
翌日も大野宮さんと一緒に電車で話していたがほぼいつもと
変わらいテンションだったことに安堵している。
ただ何で悩んでいたのかは教えてくれない。もちろん無理に聞き出そうとは
しない……ただちょっとだけそこまで話せる仲ではないのかと
残念がってしまう自分がおりそんな自分に少し嫌気がさす。
数日後、大野宮さんが少しばかり真剣な表情で俺の隣に座る。
それは元気がないわけではなくどことなく"決心"がついたような表情だった。
「凌君……驚かないで聞いてほしいんだけど」
俺に直接語りかけるような文章の切り方で思わず息をのむ。
「……実は年明けに引っ越すことになった」
その一文を見て俺は頭が真っ白になった……えっ、引っ越す……?
ということはもうこうやって登校できない?
読んでいただきありがとうございました!
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




