#33 文化祭
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「静かな恋愛~朝にしか会えない君と~ 」をどうぞ!
翌日、俺はわくわくとした足取りで電車に乗る。
「おはよう!」
いつもの停車駅から大野宮さんが乗ってくる。
「おはようございます!」
「確か今日が文化祭なんだっけ?」
「そうです!昨日、ぎりぎりで準備が終わったので今日は楽しみです」
俺は"あえて"怪我のことについては言わなかった。
大野宮さんに心配をかけたくないのが一番だったからだ。
「私の方はもう少しでテストがあるから大変なんだよね~」
そう紙を見せながら教科書やワークを取り出す。
その瞬間、電車がガタンと揺れて大野宮さんのバッグから
教科書やノートが床に散乱する。
すぐに立ち上がって一つにまとめて大野宮さんに渡す。
その時に大野宮さんの指が触れて俺は思わず頬を赤くする。
「ごめんね、ありがとう!やっぱり凌君は優しい」
そうニコニコしながら言う顔に俺はほれぼれした。
それから文化祭の話題を話しながら時を過ごした。
「じゃあ文化祭楽しんでね!いってらっしゃい!」
俺「はい!いってきます!」
そう俺はいって少し足を引きずりながら電車から降りた。
もしかしたら今ので大野宮さん気が付いてしまったかもしれないなと
思いながらそれでもテンションは上々のまま学校へ向かった。
琴音「おっ、おはよう。足は大丈夫か?」
俺「ああ、おはよう。まあ多少痛みはあるが文化祭があると思うと
そんな痛みはないも同然だ」
琴音「むっ……無理だけはするなよ」
俺「わかってるよ」
それからしばらく無言の時間が続く。
琴音「りょっ、凌……よかったらその、文化祭回ってほしい」
後半になるにつれて琴音の声は少しずつ小さくなっていく。
俺「午前は友達と回る予定だから無理だけど午後は
もしかしたら一緒に回れるかも……後で連絡をするわ」
琴音「わっ、わかった……うれしい」
そう一言、言って琴音は近くにいた女子友達に話しかけに行った。
それから実行委員会の放送により文化祭が開幕した。
午前の一部で俺たちのクラスでは運営をするが俺は裏方なので
とくにやることがないのだ。友達も同じで一緒に回る予定だ。
俺「午後の文化祭、琴音から誘われたんだけど行っていいか?」
友達「別に俺は問題ないけど、あまり期待をさせるような行動はするなよ」
俺「わかってるよ。でも俺も恋をしているから好きな人との
時間は大切にしたいって気持ちはわかるからさ」
友達「……はぁ~、お前はどこでお人よしなんだよ」
友達にそう言われた俺は思わず苦笑いをする。
お人よしでやっているつもりはないんだけどな。
そんなことを思いながら俺たちは校内を周り始める。
友達「おっ、ここ部活の先輩がやってるクラスだからよってっていい?」
俺「わかった……迷路か面白そうだな」
そう言って俺たちはクラスに入る。
文化祭開始直後ということもあってかそこまで人が
並んでおらずすぐに挑戦することができた。
教室一つ分でやっているはずなのに体感としてはそれ以上に
難易度が高い感じがした。十数分してやっと俺たちは教室を出ることができた。
友達は受付をやっている先輩に談笑しているのが見えた。
廊下で待っていると琴音たちのグループが通りかかった。
琴音は友達と楽しそうに話していたが一瞬、俺と目が合った。
友達「お待たせ、って先の琴平さんたちのグループ?」
俺「あっ、ああ」
友達「お前まさかドキドキしているのか?」
俺「いやいやさすがにないよ。琴音とは幼馴染だぞ
最近ちょっとキャラが変わったからびっくりしたけど
それ以外は何も変わっていない。これまで通りだよ」
とはいえ、キャラが変わったことにはすごく驚いている。
これまであまり会話を積極的にしなかったのだが
今では自らやってくるときもあるくらいだ。
おそらく文化祭の準備がきっかけだろうが、
正直俺はアタックされ続けて苦しい。かといって琴音を傷つけたくない。
そんなジレンマが俺の中で発生してしまっているのだ。
俺がしばらく黙り込んでいたのか友達は
友達「まあ俺にはお前の悩んでいることなんかわからないけど
文化祭なんだし楽しもうぜ!」
そう腕を引いて俺たちは各クラスを回っていく。
こんな姿で振り回されていると前の大野宮さんとのことを思い出して
思わず顔を赤くしていたと思う。
でもそれ以上に友達が楽しもうとしてくれたため
あっという間に時間が過ぎて行った。
友達「いやぁ~楽しいな。昼だけ食べたら凌は琴平さんの時に行っていいぞ」
俺「ありがとう、そうさせてもらうよ」
その後、俺たちは昼食を食べてそのままの足で自分の教室へ向かう。
琴音は、リーダーということもありこの時間帯は自分たちのクラスで
いろいろなことをしていたはずだ。
俺が教室へ行くと友達と談笑しながら楽しそうにしている琴音の姿があった。
しばらくして俺の方に気が付いたのか琴音はこちらに走って向かってきた。
琴音「れっ……連絡なかったけど」
そうだった……完全に忘れていたな。
俺「ごめん、忘れてた。でも友達から許可取ったからいけるぞ」
琴音「あっ、ありがとう……うれしい」
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




