第七一九話 サメさんとの交換
ブラットが想像していたこととは随分とかけ離れた状況になってしまっていたが、HIMAも落ち着いたところでようやく会いに行けるようになった。
けれどサメさんは現在、調子に乗り過ぎたせいでHIMAを恐がらせてしまったことを後悔し、恥じてプールの底に引きこもってしまっている。
「なんでも会いに行ける海の守り神を目指してるらしくて、あのプールの中は水中行動のバフが付くようになってるわよ」
「なんだか随分と気安い守り神なんだね……顔は恐いけど」
「うん。性格はBMO屈指の良キャラなんだけどな」
せめてちょっと恐いくらいなら逆にギャップが良いと人気が出る可能性もありそうだったが、なんの運命のいたずらか、そういう次元の見た目ではない。
ホラーゲームにも精通しているブラットやHIMAからしても、なかなかあのレベルの面相には出会えない、実に筆舌に尽くしがたい造形のサメさんだ。
だが人形師たちによって着ぐるみという新しいアイテムを手にしたことで、皆に親しまれる守り神になれるかもしれないと、本人はかなり張り切ってるらしい。
それこそ祭壇の間に陸上の民も来られるようにするためだけに、自分の力を使ってしまうほどに。
「まぁ、サメさんからすれば大したことでもないんだろうけど」
「ええ、範囲も絞ってるし、寝てても維持できるらしいわ。それでもまだ、全盛期の頃の力には及ばないらしいけど」
「本当に海の守り神の名に相応しい力を持ってるんだね。それなのに、あんな芸まで私たちに見せてくれるなんて……最後はホラー過ぎたけど」
もう直前までの見ごたえある派手なサメさんショーは、最後のワンシーンに全て塗り潰されてしまっている。
HIMAの何とも言えない表情にブラットとフランソワは苦笑しながら、祭壇の間の中央プールへと三人で飛び込んだ。
フランソワの言った通り、水中でも呼吸ができ、服も濡れない。重力に引かれるように、どんどん沈んでいくが、水圧による圧迫感も感じない。
「海の生き物もかなり戻ってきてるな」
「危険な魔物もサメさんが近づかせないようにしてくれるから、近いうちに最高のダイビングスポットとしても売り出せそうよ」
「ねぇねぇ、ブラット。そのときは一緒に海中デートしようよ」
「そうだな。きっと綺麗な海になるだろうし、見ごたえも良さそうだ。
……というか、海岸からそう離れてないのにめちゃくちゃ深くないか?」
「ここは海の中が崖みたいに急に深くなってたのよね。だからここに神殿を建てたっていうのもあるんだけど」
「あれ、底にも何かあるんだ……サメさんの像?」
「そうよ。それも本人の希望で、可愛い方のね」
「来てほしいなら、そっちの方が子供ウケも良さそうだしなぁ。祭壇というか、テーマパークのマスコットキャラみたいな像だし」
そのまま光も届かぬ深さに来たが、サメさんの力によって視界が暗くなることもなく、見渡すこともできる。
なので離れていても海底を目視することができたのだが、そこに可愛いサメさんの像を飾りたてるための、本当の祭壇の間があった。
その祭壇は中央のプールと同じサイズの白い円形の床に、海底から咲いた巨大な花のような祭壇が中央に立っている。
それは大きな八枚の花弁が開いているような形で、白い貝殻と半透明の魔水晶でできており、海底にありながら神秘的な光をともしている。
それは実にファンシーでありながら、神秘性もあるデザインだ。サメさんの像は、その花弁の上に設置されている。
イメージとしては海底に巨大な白い聖花が咲き、その中心からサメさんが現れているといった感じか。
そして一番重要なサメさん像の体は緩やかに上を向き、片方の胸びれを前へ差し出して、その上に小さな女の子の人形が座っていた。
サメさんはその人形を優しく微笑みながら、見つめているポーズをしている。
サメさんの頭部に真珠と淡い桃色、水色の珊瑚、水晶を組み合わせた花冠で飾り立てられ、中央には大粒の真珠が輝いていた。
首元には人形たちから贈られた──という設定の、真珠の首飾りが掛けられ、その中央にはサメを象った水晶の飾りが揺れている。
さらに背中から尾にかけて淡く光り輝く桃色、水色、白色の半透明なリボン状の装飾が幾重にも重ねられ、海中の水流を受けているかのように優雅にたなびいているよう。
サメさんの背後には真珠と珊瑚、水晶で作られた巨大な円環が浮かび、その頂点には星を思わせる大きな水晶が輝いている。
円環は聖なる後光を表現しているようで、周囲には小さな真珠や水晶の雫が浮かんでいた。
サメさんの足元……というか尾びれの下には、白く半透明な魔水晶の波が渦を巻き、それ自体が花弁と繋がっている。
そして花弁の台座の周囲には白や淡い桃色の珊瑚、貝殻、ヒトデ、真珠、水晶が花畑のように配置され、海底に巨大な花が咲いているようになっている。
全体の色調は白を基調にして、淡い水色、桃色、薄紫を差し色に。可愛らしさを印象付けながらも、海中で淡く輝く魔水晶によって神秘的な雰囲気を保っている。
「全体的に女の子が好きそうなデザインなのに、ちゃんと神様っぽさも表現してるの普通に凄いな」
「他の人たちのリアルは聞いたことないけど、本職のデザイナーが何人か混ざってそうなのよね。けどまだ製造途中だから、あんまり見ないでちょうだい」
「え? これでまだ作りかけなんですか?」
「よく見れば、まだ作り込みが荒いところが残ってるでしょ? サメさんの表情も少しぼやけているし、台座下の花なんて手抜きもいい所よ。もっとディティールを上げていかないと、完成なんてとてもではないけど言えないわ」
「「はぇ~」」
素人からすればこれでも十分な完成度だが、確かに指摘されて細かく注目していくと、裏側が削られずにのっぺりしていたり、装飾が左右で偏っていたりと、確かに気になるポイントはあった。
それでも人に見ないでというほどの出来ではないと、二人は断言できたのだが、BMOでガチで職人をやっているプレイヤーからすれば、到底納得できる領域にないのだと察することはできたので、それ以上口を挟むことはなかった。
そもそも二人は、彼女たちの作品を鑑賞しに来たわけでもないのだ。
「それでサメさんはここにいるって話だったけど……いったいどこにいるんだ?」
「海底の更に下よ。基本的に寝たり一人になりたいときは、この祭壇の下に潜り込んでいるらしいわ」
「でもさすがに、この下に潜り込むとなると私たちだと穴を開けないといけなくなりますけど、どうしたら……」
「そういうときのために、そのサメさんの像に向かって話しかければ、地底にまで音が届くように設計してあるから問題ないわ」
ここまでの作品の中に、そんな仕掛けまで仕込んでいるとはさすがである。
そんな感想を抱きつつ、ブラットはHIMAに呼びかけるように言う。今サメさんが気にしているのは、HIMAを恐がらせてしまったことに対してなのだ。
彼女がもう平気だと伝えれば、反省中のサメさんも早く出てくれるだろうと考えたというわけである。
そういうことならと、HIMAも納得してゴージャスなサメさんの像に話しかけていく。
「あの……私はもう何とも思ってないので、出てきてくれませんか。私とも、ブラットたちと同じように仲良くしてくれませんか?」
「………………本当かい?」
まるで像が話し返しているかのように、その口元からサメさんの声が届いてきて、ブラットとHIMAは少し驚いた。
声が届くだけでなく、このような仕掛けまであったのかと感心しつつ、HIMAは「本当です。出てきてください。頼みたいことがあるんです」と用件を端的に伝えてみれば、数秒の沈黙ののちに地底を掻き分け、本来の姿でその姿を現した。
それはまるで海の底から現れた、終末の大魔獣にしか見えない登場の仕方だった。申し訳なさそうな顔をしているのが、余計に世の中を恨んでいるように思えてしまう。
とはいえ、さすがに可愛らしい着ぐるみから、いきなり飛び出したときの衝撃と比べれば可愛いものだ。
HIMAは笑みを崩さぬまま、「出てきてくれて、ありがとうございます」と、視線をちゃんと合わせて伝えてみれば、サメさんの顔がぱぁと輝くように嬉しそうに笑った。
ただそれすらも「どう食べてやろうか」と獲物を見つけた殺人ザメにしか見えないのだが、素の彼のことを知っていれば脳内でちゃんと翻訳することはできる。
あんなに酷い恐がらせ方をしたのに、自分に笑いかけてくれるHIMAに、サメさんは「なんていい子なんだ!」と感動していた。
そうして顔合わせしてから、軽く互いの自己紹介も済ませておく。HIMAへの印象もかなり良かったことで、サメさんも終始ご機嫌だ。
そのままの勢いで、ブラットたちは今回きた目的をサメさんに話していった。
「白鬼の法衣、そんなものがあったんだ。そして、そのために僕の素材が欲しいと、そういうことだね」
「そうなんだ。サメさんも聖獣に分類されるって言ってたよな?」
「そうだね。魚類ではあるけど、聖獣の一つと考えてくれていいはずだから。けど不安なら、そこの子に聞いてみたらどうだい?」
「そこの子? あ、そういえば」
あまりにも気配がなかったので忘れていたと、ブラットは自分の額から生えた一本の鬼角に触れる。
すると姿と共に気配までも消して寝ていた、小さな白蛇が目を覚ます。
それは破山巴が聞きたいことがあるのならと渡してくれた、彼女の髪からできた小さな白蛇だ。
どうやらブラットの鬼の角から、巴の気配に似たものを感じ取ったようで、ここが落ち着くとそこへ巻き付き話しかけられるまで眠り込んでいた。
巴というよりは、その更に上である覇天鬼の気配を感じ取ってのことだろうと、ブラットはすぐに察してそれを許す。
これもブラットたちが、巴に接触したと百目鬼虚侶にできるだけ情報を渡さないための策らしい。
「お呼びですか?」
「ああ、ちょっと聞きたいんだけど、目の前のサメさんは今回必要とされる聖獣という条件を満たしているか?」
「そうですね。少し力を落としているのも、もう一つの黒葛鬼の素材と離れすぎない、ちょうどいいバランスになるかと。
むしろこれ以上の条件は、ないのではないでしょうか」
「そこまでか。ならこっちのアルビノの毛皮はどれくらい必要とかも分かるか?」
全身毛皮ではなく、確定ドロップであろう通常の綺麗に切り取られた毛皮を白蛇に見せて量も確認する。
これで実は大量にアルビノ毛皮が必要になると言われたら、また狩りに行かなければならなくなってしまう。けれどそれは杞憂に終わる。
「その一枚で問題ありません。一度に必要とされる量は決まっていますし、むしろ少し余るくらいです。
むしろよく、そんなものを見つけましたね。ほんのわずかですが、奇跡の属性が混ざってますよ」
「「え?」」
「なにそれ!? いったいなんの素材なの!?」
感心したような白蛇の言葉に最も反応したのは、思わずフランソワの操作も忘れて、素の叫びがでた、その尻に敷かれたポチであった。
サメさんも「それは珍しいものだね」と、計り知れないほど長い歳月を生きてきた聖魚からみても珍品なようである。
そこでフランソワ(ポチ)に、この毛皮の出所を話せばまた驚いていた。
もはや日本サーバーでは一度も確認されないまま、狩りのブームが去って都市伝説とまで言われていた、『夜颪山鼬』のアルビノ素材なのかと。
「というか珍しいのは分かるけど、奇跡の属性なんて付くものなのか?」
「それは私に言われても分かりかねます。ただ間違いなく、ほんのわずかですが奇跡の属性を感じますよ」
「うん。僕もそれは保証するよ。きっと存在することが奇跡だと、世界が認識しているくらい珍しいモンスターだったんだろうね」
「なんて豪運……オイラには絶対に無理なことだ。くぅ~」
運値を犠牲にするような形で力を得て、進化してきたポチからすると、BMOでレア中のレアモンスターに遭遇するなどあり得ない確率だと自覚しているからこそ、余計に羨ましそうにその毛皮を見ていた。
「ポチも毛皮が欲しいのか?」
「毛皮というより、奇跡の研究用に欲しいかな。そうすれば、サメさんの着ぐるみももっといい物が作れるようになるかもしれないし」
「ななななな──なんだってぇえええっ!?」
次に驚くのはサメさんの番だった。まさか自分に関係してくるとは思っていなかったようだ。
「今の着ぐるみはオイラが用意した夢素材から、神秘素材の布を作って、それで着ぐるみを作っていたんだ。
けど神秘じゃまだ足りなくて、だったらその上の奇跡しかないんじゃないかって話になってたんだよ。
それに奇跡素材の研究が進めば、お嬢様の衣服ももっと上位のものを用意できるようになるだろうし」
「つまり、僕にとっても重要な研究ってことなんだね。ブラットくん、それを譲ってもらうことはできないかな!? アルビノの毛皮が欲しいなら、僕がそこらで探してくるから!」
「え? じゃあ、さっき言ったサメさん素材とこの毛皮一枚の交換でどう?」
「ええっ!? そんなことでいいのかい! もちろん、それでいいよ! まだ本来の力を取り戻せてもいない、今の僕の素材でもいいのならいくらでも持ってくれよ!!」
「いや、二人分でいいですからね?」
「君たちは天使なのかな!?」
そうはいうがブラットは全身毛皮こそ一枚しか手に入れていないが、確定ドロップの通常毛皮は複数ドロップしている。
運の値が全プレイヤーの中で見てもかなり高いブラットといえど、もう二度と出会うことはないモンスターであるのは間違いない。
日本以外の全世界のサーバーから見ても、その毛皮は一〇枚もないであろう超レア物だ。
ブラットもそこのところはちゃんと理解しているが、それで土地神級の聖魚の素材が手に入るのなら、少なくとも払い過ぎということはないだろうと割り切れた。
そもそも助けたお礼は、既に十分すぎるほど受け取っていたのだ。なのにタダでもらうのは申し訳ないなと思っていたところでもあった。むしろこれで気持ちよくトレードできるぞと、互いの想いと利害が一致した形である。
「じゃあこれは、フランソワに渡せばいいのか? それともサメさんに?」
「フランソワちゃんに渡してくれるかな? それでいいよね?」
「ええ、それで頼めるかしら……というか、私の方こそ何も出していないのにいいのかしら」
「いいんじゃないか? 研究をするのだって時間と手間がかかるんだし、フランソワはそれを払ったとも考えられるわけだし」
「僕も同意見だよ。だからできるだけ早く、子供たちが安心して僕のショーを見られるようにしてほしい!」
子供など絶対に姿を見せることができない筆頭であり、その無邪気さに癒されながらも、遠くから見ることしかできなかった存在だ。
けれど着ぐるみに入ることで、堂々と子供たちの笑顔を見られる。それどころか、自分が笑顔を生み出せるようになる。
だが嬉しすぎて、HIMAのときよりももっと早く化けの皮が剥がれてしまうのは目に見えていた。
そのためにも、もっと頑丈で多少はっちゃけても壊れない着ぐるみを切望する。
フランソワも子供たちを、自分が笑わせたいというサメさんの純粋な願いを叶えるためにもと、ブラットから毛皮を受け取った。
「なら今度は僕の番だね。ん~~~~えいや」
「「「──いっ!?」」」
サメといえばいくらでも替えがきくことでも有名なため、その牙……というか歯をもらえると思っていた。
だがテンションが上がり、HIMAのことも気に入り、さらに稀少すぎる毛皮まで貰ったとあらば、サメさんからすれば貴重でも何でもない歯を渡すなど失礼だと思ったようだ。
彼は迷うことなく水流を操って自分の首のあたりを抉ると、血しぶきをあげながら脊椎をズルズルと引っこ抜いた。
悪魔怪獣が何かしらの呪いの儀式でもはじめたのかと思ってしまうスプラッタな絵面に、さすがにサメさんの姿に慣れていたはずのブラットとフランソワでさえ顔を引きつらせる。
一方でサメさんは脊椎を抜き取ると、「ふんっ」と直ぐに再生させ、さらにもう一度同じように首元の肉を抉って、脊椎を引っこ抜く。
「痛い痛い痛いっ」と思わずブラットたちは目をそらすような、豪快な方法でありながら、本人は実に何ともなさそうである。
むしろマッサージに行って肩こりがなくなったと喜ぶ、おじさんのような清々しさを感じる雰囲気だ。
こういうことを当たり前のようにやってしまうところも、恐がられていた原因なんじゃないかと、ブラットたちは密かに思ってしまった。
「これでいいかな? なんならもう二、三本いっとく?」
「いやいやいや、いいですから! あんまり痛そうなことしないでください!」
「HIMAちゃん……っ! 僕の心配をしてくれるなんて!! よーし、まだまだいっちゃうぞ!!」
「もう十分だってばーーー!」
「貴重な物を貰うわけだからね、遠慮しないでよ!」
「遠慮じゃないですってーー!!」
出会ったばかりの人間に、ここまで心配されたのははじめてのことで、サメさんは止めるどころかさらに張り切ってしまった。
そのまま追加で二本も脊椎を引っこ抜き、さすがにそこまですると疲れたのかサメさんは息を荒げながら、ブラットとHIMAに二本ずつ脊椎を渡してくる。
息を荒げながら、脊椎を引っこ抜くシーンは、着ぐるみから飛び出てきたときと、いい勝負になりそうな迫力であった。
「「あ、ありがとう。サメさん」」
「嬉しい!? 嬉しいかな!?」
「ああ、嬉しいよ」
「わ、私も嬉しいです。でもこんなに貰っちゃっていいんですか?」
「いいのいいの。余ったら別のことに使っちゃってよ」
「また凄い聖魚様と知り合いなのですねぇ……」
巴から預かった白蛇ですら、サメさんに少し引いていた。
しかし本人は実に満足げにしているため、ブラットたちは感謝の言葉以外、少しの間、口にできなかった。
「えっと、これでいいんだよな? 白蛇さん」
「はい。十分すぎますね。一本でもおつりが来ます。
持っていくところに持っていけば、この脊椎一本のために神社が建ってもおかしくないですし。とんでもない聖なる気が籠ってますよ、それ」
「うん、まぁ……それは手に持って痛いほど理解できるよ。けど何かしらに利用させてもらうさ。こんなに、いいものをもらえたわけだし。な、HIMA」
「そうだね。でもプレイヤーでこの素材を使いこなせる人は、今のところいなさそうだけど。どう使おうかなぁ」
「ふふふっ、嬉しいなぁ。これが友達ってものなのかなぁ。ふふふふふっ」
かなり疲れていそうなのに、サメさんは未だに興奮冷めやらぬ様子でニヤニヤして体を震わせている。それがまた、絵面の恐さを加速させていた。
どこの世界に友達に目の前で引っこ抜いた脊椎を渡す奴がいるのかと問い詰めたくなるが、これもまた言わぬが花である。
本当に見た目にそぐわぬサメさんだなぁと、ブラットとHIMAは、早く着ぐるみが完成することを切に祈った。
見た目の問題を解決できれば、きっとこのサメさんはその心根の優しさに相応しい、皆からの愛情を受けられるはずだから──と。




