第六七四話 灰の騎士
これ以上しつこく聞いても、何も得られないうえに彼女の機嫌を悪くするだけだと、ブラットも追及を諦める。
そうなるとアネモネが他とは違うという、親を見るような視線でブラットを見上げるミニハーピーが気になってきた。
今のブラットではまったく見分けがつかないが、彼女がそう言うのなら何かがあるのは間違いないのだろうと。
アネモネも灰天使が眷属を強化するところは見たことがないからか、まだかまだかとじれったそうに、玉座の上で体を揺らしている。
本当はもう少し他の違いを、ただ見ることだけに集中するのではなく、自分側も調整するという未知の感覚を、このミニハーピーで研究したいという欲もあったが、待たせすぎるのも良くないと行動に移りだす。
「【堕灰の叙任】」
他のミニハーピーたちは邪魔なので消し、その一体とアインとツヴァイだけを残した状態で灰天使の超位職スキルを行使する。
MPが八割ほど持っていかれ、灰翼が淡く輝き羽根が舞う。その羽根はブラットの周囲で踊るように舞いながら、差し出した手の平の上に重なるように集まっていく。
そうして羽根は二〇センチほどのミニハーピーサイズの、小さな灰色の剣となる。ブラットからすればミニチュアのオモチャのような灰剣を抓むように持ち、ただぽけーっとそれを見ているミニハーピーへその剣を差し出した。
「ドライという名前をお前に与える。剣を受け取り、オレの騎士となれ」
「キィ? キィッ!」
確かにちょっと違うかもしれないと、その反応を見てブラットも思う。これまで叙任してきたハーピーたちは、すぐにその剣に飛びついたが、この子は「?」と一瞬きょとんとした後、ようやく何のことか思い至り頷いていた。
どこか呑気といえばいいのか、反応がワンテンポ遅い。三体しか選べない現状で、本当にこの子でいいのだろうかと頭によぎる。
良く言えば「おっとり」、悪く言えば「トロ臭い」。おそらくバトロワで決めていたら、この子は絶対に選ばれなかったはずだ。お世辞にも戦闘向きではない。
しかしその一方で、この個性が翼人となることでどう変化するのか気になっている自分もいる。
それに今更違う子で──などと言えば、アネモネに怒られてしまう。ならばもういいかと、ミニチュアの灰剣を鳥足で掴もうとするミニハーピーを見守った。
「キィィ……」
剣を掴むと、それがミニハーピーの中へと吸い込まれていき、一気にその存在感が膨れ上がる。
その他大勢でしかなかった雑兵ではなく、一個の確立した騎士へと姿が膨れ上がっていく。
狂暴化しなければ可愛らしい少女のような見た目のハーピーから、アインとツヴァイと同じような、少し大人びた顔立ちの女性型翼人へと変貌を遂げた。
顔の系統は似ているが、双子というほど似ているわけでもなく、死んでしまったドライ一世ともやはり顔は違う。
簡単にそれぞれの容姿を表現するなら、アインはやや釣り目で活発そうな女の子。ツヴァイは目が少し細く真面目そうな女の子。ドライ一世はぱっちりとした好奇心旺盛そうな目をしていた。
そしてドライ二世はと言えば、ぽや~っとして、にこぉ~っと笑っている、ほわほわ系の女の子といった印象を受ける容姿をしていた。
その雰囲気に反して衣服のように身を包む羽毛はアインたちと同じく刺々しいのが、またギャップとなって印象に残った。
「なるほどのぉ。灰の眷属はそういう……ふむふむ……これは何かに使えるじゃろうか……」
(もう何か掴んじゃってるっぽいな。絶対に深淵に干渉する何かがあるな、こりゃ)
ただの魔法であれば、隠蔽してなお魔法陣を見通したのだろうと考えることもできるが、これはそういうものではない。
なにか大きな、普通は感じ取れない世界の裏側の底の底で流れているナニかの動きまでしっかり把握していなければ、そうも簡単に見抜けるわけがないのだ。
逆に言えばブラットもそれができる土壌があるということでもあり、ますます未来への展望が広がった気がした。
「して、その者は何ができる? どう違うのじゃ?」
「うーん、そう言われてもですね。アイン、ちょっとドライと手合わせしてみようか」
「キィ!」
「…………キ~~♪」
別に嫌がっている様子もなく、ただ反応するのが遅れただけ。やはりアインたちと比べると、数テンポ反応が遅いようだ。
この子は本当に戦えるのだろうかと、少し不安も感じるが、本人はやる気いっぱいだ。ブラットがナマクラを一本ずつ渡してアインとドライに持たせる。
ナマクラの大きさは普通の直剣だが、それでも小学一年生くらいの少女と同程度の身長しかない彼女たちが持つと大剣のようにも見える。
それでも膂力は十分で、小枝のように彼女たちはそれを扱える。まるで生まれながらの剣士であるかのように、ごくごく自然に具合を確かめるよう二人は軽くナマクラを振ってから、構えを取る。
アインは強気に正眼に構え、ドライはだら~っと右手にぶら下げるように持つだけで、とくに構えようとすらしない。
顔もにっこにこで、とても戦おうという雰囲気はないのだが、どこか近寄りがたい気配を放っている。
「キッ」
それでも勇敢な性格をしたアインは、迷わず正面から突っ込んでいく。翼も使い、床を滑るように距離を詰めたアインは、叩きつけるようにナマクラを振り下ろした。
ドライはニコニコしているだけで何もしない──かと思ったら、右手をすっと挙手するような気軽さで腕を軽く動かし、アインの剣を受け流す。
実に無駄のない動きに、ブラットは目を丸くする。アネモネはやはりとばかりに、口元の笑みを深くする。
「キッ──キィィ、キィィッ」
「キ~~ィ~~イ~~♪」
ふわふわと剣と踊るようにドライは舞う。動きはゆったりとして見えるのに、アインはその守りを一切崩せない。その全てが受け流される。
ブラットは眷属との繋がりを使い、無言でツヴァイにも動くように指示を出す。アインの攻撃を防ぐその一瞬の隙を狙い、ツヴァイが動き、ブラットがナマクラを投げ渡した。
ツヴァイはナマクラをキャッチし、二度のフェイントを交えて、ここだというタイミングで剣を横薙ぎに振るった。
しかし──それも後ろに目があるのかというほど見事に受け流される。
「視野が広いな」
ブラットが小さな魔刃の手裏剣を投げようとすると、ニコリと笑うドライと目が合い止める。
彼女は俯瞰で見ているように、戦場の動きを細かく把握していた。そのまま二人掛かりの攻撃を凌ぎ切り、絡めるようにアインのナマクラを弾き飛ばす。
しかしそのまま勝負ありかと思いきや、ドライはこれまでの動きからすると嘘のように下手くそな動きでアインに攻撃をしていた。
腰も入っておらず、アインは馬鹿にしているのかと思いながらさっと回避する。ツヴァイも戸惑いながら、その明らかな隙を狙い逆袈裟掛けに斬り上げるも、そちらは達人のように軽やかに受け流して見せた。
「もしかして……攻撃が苦手なのか?」
「キ~~♪」
えへへ~♪とばかりに顔をへにゃりと緩めるドライに、ブラットは苦笑する。
守りを抜きにして、ただ剣を振るだけならドライにもできる。しかし守りからの攻めに繋げる方法が致命的に下手だった。なのでこれは、決してふざけているわけではない。
これ以上はここですることでもないと、ブラットは翼人同士での戦いを止めた。
「ふむ。しかしそんなものは後から教えれば、いくらでも身につくことじゃろう。生まれながらにして、その才能。さすがワシ自らが選び出した個体というものじゃ」
「ですね。ありがとうございます」
ややピーキーではあるが、なんの経験もなしに才能だけで、あの視野の広さと守りの堅さは目を見張るものがある。
今、見せてくれたのはゴールではなくスタートライン。毎回呼び出される度にリセットされる、ミニハーピーと違い学習し成長していくブラットの騎士たちだ。
現にアインには、英傑召喚で未だにブラットが勝てていない異界ヴェラニア最強の騎士イリスの大剣剣術を。
ツヴァイにはゼインの友であり、魔伐早雲流師範──藤崎早雲の剣技を、それぞれ覚えさせている。
二人とも呑み込みが良く、ブラットが体で覚えている二人の剣技を教え込めばスポンジが如く吸収し、既にそれなりの形を見せてくれていた。
先ほどの戦いでも本物と比べれば未熟ながらも、最低限それっぽくはなってきた剣技は使っていたのだ。
それなのにドライは才能だけで、既に学習をはじめている先輩たちの攻撃を容易く凌いだ。
今はまだ攻める術を知らぬ剣士の卵なれど、この守りの堅さを下地に育て上げれば、よほどブラットが下手なことをしない限り大成するのは目に見えている。
惜しむらくはブラットの知っている英傑の中に、守り主体の剣士がいないことだろうか。
(それも世刻奇剣で、そういう剣技を使ってた人を当てれば、その人の剣技でどうにかなるかもしれないね)
世刻奇剣複製師は、複製した剣の記憶を辿って元の持ち主の剣技を用いて、戦況に合わせた無数の戦い方ができる。
ヴァルンもベースとなる自分の槍術はあるが、槍の記憶を上手く引き出して、その槍を扱うのに最も最適化された槍術を使う傾向があった。
つまり複製した武器に、自分の戦い方を寄せる。むしろそれが正道な複製師の在り方である。
ブラットのように、複製した剣がオレの剣技に合わせろとばかりの我が儘スタイルの方が珍しい。
(まぁ順当な手順で取得してたら、私もそういう系統の使い方になってたのかもしれないけど)
もちろん参考になりそうな動きは取り込んではいるのだが、そこまで剣の持ち主の剣技を重要視してこなかった。
だが今回はあえて剣の記憶に頼ることで、ドライに適した剣技を見つけてみようという考えが浮かんでくる。
(あれ? でも待てよ。世刻遺言を疑似的に発動させられるなら、その剣の記憶も私を通せばあの子たちも共有できないかな?)
毒竜王戦でみせた、半端ながらも発動させて見せた【世刻遺言】。あれはもともと混沌腕を呑み込んでいる、タヌファンネルに遠隔でやらせられないかと考えていたこと。
しかし【世刻遺言】は意外と発動条件が厳しいようで、混沌腕というブラットの要素だけでは、遠隔発動をさせることはできなかった。
それができたら事前準備は必要だが、強力な世刻奇剣が本来持つ最大級の一撃を爆弾のように敵に投擲できたのにと残念がったのをブラットは覚えている。
だが彗星のように灰天使スキルとして生えてきた、ミニハーピーのさらに上位の眷属化で流れが変わった。
このミニハーピーたちは、タヌファンネルたちのように魔法を使わせられない代わりに、剣に関してはかなり融通が利く性質を持っている。
それはブラットが〝剣〟の属性を持った灰天使だからなのだろうが、それは【世刻奇剣複製師】にも適応された。
さすがに複製まではできずとも、ブラットが眷属の繋がりを利用することで、収納本数は三分の一程度に性能が劣化するが【世碑納庫】を各自で発動でき、威力は劣化するが疑似的に【世刻遺言】も発動させることもできた。
であるなら、ブラットが世刻奇剣から引き出せる本来の持ち主が使っていた剣技の記憶も、彼女たちと共有できるのではないかと。
(もしそれができたなら、育成ハードルがかなり下がるはず。戻ったら試してみよう)
本人そのものになれるほどの記憶ではないが、その剣術がどういったものなのかというベース部分は理解できる。
翼人たちにブラットの剣術をとも考えたことがあるが、どうせ最初から育成するなら自分の劣化コピーではなく、剣を扱うにしても別系統の技があった方が役立ちそうだ。
そんなこともあって、ブラットは彼女たちには英傑の剣技を覚えさせようとしていたのだ。
ドライ一世には剣だけでなく弓の素養もあったため、義母であるミリアリアに頼んで少し指導をしてもらったこともある。
「なにやら考え込んでおるようじゃが、しっかり育てることじゃ。今のそれらはまったく強さの上限に達しておらんようじゃしの。
それにブラットの天使としての格が上がれば、強さの上限も上がるじゃろう。
長く鍛えあげていけば、ワシにとってのあやつらのように立派な側近にまで成長してくれるはずじゃ」
アネモネに立派と言われ、後ろにずっと控えていたリッカルド含め、側近たちは感極まったように震えていた。
あの域の側近になれるとするなら、育てがいもあるというもの。ただし彼女たちは死ねばそこで終わりな存在でもあるため、育てれば育てるほど失ったときの損失が大きくなる。
(でも逆に言えば、育てれば育てるほどデスしづらくなるとも言えるはず)
彼女たちの情報はブラットに紐づいているため、今の小太郎であれば零世界とBMOで共通した能力の同じ個体として再現させることもできると、既に確認済みでもある。
なのでBMOで育てればその分だけ、零世界での翼人にも反映される。最終決戦までにどこまで育てられるかは分からないが、アデルたちを守るためにも育てておいた方がいいだろうと結論付けた。
「もう灰天使のビックリショーは終わりかのう?」
「ビックリショーて。そうですね。今のところびっくりさせられそうなのは特に……ああでも、灰天使じゃないことで驚かせられそうな話はありますね」
「ほう。それは気になるのう。言うてみい。今は気分が良いからの、多少滑っても笑ってやろう」
「えっとですね、実はオレ魔王になりました」
「……………………はあ?」
アネモネだけでなく、リッカルドたちも同じように「何言ってんだこいつ」と呆れた顔をされる。
なかなかいないであろう選定勇者で魔王という珍存在というのは、アネモネにも受けるかもしれないとカミングアウトしたというのに、まったく信じてもらえていないようだった。
それどころか機嫌が急降下しはじめ、周りの気温すら下がったように感じてしまう。
「さすがに嘘は白けるのじゃが? お前の指にはめている英装は飾りだとでもいうのか、ええ?
たとえ野良の魔王であっても、そう呼ばれるようになってしまえば、選定勇者のままでは居られぬはずじゃぞ」
「ああいや、嘘じゃないんですって。ちょっと裏ワザと言いますか、最近また特殊な力に手を出しまして」
不機嫌になった自分を見ても否定しないブラットに、これは本当に何か面白いことになっているのではないかと機嫌が持ち直る。
そのことにほっとしながら、ブラットは夢の力からはじまり選定ではない、野良魔王になったことを告げた。
「くっは──────────ははははははははははははははははっ!! くくくっ、ひっ──ふははっ──あはははははははっ!!」
そしてそれは思った以上にアネモネにウケた。見たことがないほど大爆笑している。
「選定勇者でありながら、魔王も欲するか。さすが選定魔王に教えを乞う変わり者だけはあるわ──あははっ、ははははははっ。よいぞ、よいぞ。お前のような変なのは見たことがないわっ──くひひっ」
「ありがとうございます……?」
ブラットとしても全く褒められている気はしなかったが、すこぶる上機嫌なようなのでとりあえずお礼を言っておいた。
「まさかそのような手で選定勇者を保持したまま魔王になれるとはの。興味が湧いた。ワシにもそのクロミアなる者を見せてみよ」
「夢の世界の住人ですよ?」
「なら眠ればよいのか?」
「スキルを使うことになるんですけど?」
「それがどうした。まさかワシをどうにかできるとでも?」
「ああ、いえ、ですよね~」
夢の力は特殊で危険もあるため、自分の安全のためにもこのレベルの相手に使いたくはなかっただけなのだが、これ以上ごねても彼女の意志を変えることはできそうにないと諦めた。
「では寝る────くぅ……」
「はやっ。えっとそれじゃあ……お邪魔します」
早く見たいと、玉座に座ったまま目を閉じるとアネモネはすぐに眠りに落ちた。
魔力の反応が一瞬見えたため、何か眠りに落ちる魔法の類を使ったのだろうと、側近たちの顔色を見ながら恐る恐るアネモネに近寄り、【甜帷夢訪】を使用した。
「来たか」
「さすがですね」
特に甘い夢を見ている様子もなく、先ほどまでと変わらない風景の中、いつもの玉座に座る、けれどいつもの幼女姿から妖艶な美女になったアネモネが平然と待っていた。
夢に関する能力はないはずなのだが、ブラットの夢の力がまったく通用していない。それどころか、自分の夢というのもあるのだろうが、完全にこの夢世界を掌握していた。むしろ現時点ではブラットより、扱いが上手いかもしれない。
これが選定魔王かと、改めてアネモネという存在の異様さを実感する。
一方でアネモネも、クロミアになったブラットを見て「確かに魔王じゃな」と笑っていた。
「ちなみに英装もこの通り。英装魔剣ガブリエル改め、魘装魔剣リリスです」
「お前っ──英装までそのようにっ。神を恐れぬ冒涜とまでは言わぬが、なかなかキマっておるな。くくくっ────────あ?」
「なっ」
とても上機嫌だった。魔王をカミングアウトした時ほどではないが、魘装魔剣リリスにも実にいい反応をしてくれていた。
だというのに、いきなりその目が憤怒に染まる。だがそれが向けられているのは、ブラット──ではなく、なにもない天井の方だ。
「気色の悪い……去ね! 下郎が!!」
「うひょひょひょひょ~~~~ばいば~~い♪」
「この声……マジで何やってんの……」
ブラットには全く分からなかったが、アネモネは確かに桃色真君の気配を感じとっていた。
その気配がする方へ、白黒の砂嵐のような見たことのない灰風系統であろう強力な魔法を放つが、それが当たる前にふざけた態度で声は遠のいていった。
「あれがお前が言っておった仙人か。気味の悪い奴じゃ。随分と厄介そうなのに目をつけられたの」
「厄介って……師匠からしてもですか?」
「戦えば勝つじゃろうが、そもそもアレは戦いの場に立たんじゃろうし、戦いの場に立たせるのはワシでも面倒だと思う類の異形じゃ。あまり心を許すでないぞ、喰われても知らぬぞ」
「はい、分かってるつもりです」
「だとよいがの。興が醒めた。戻るとしようかの」
そう言うとブラットが何もしていないのに、夢の世界は閉じて現実に戻された。
まさかアネモネがいる場所にまで付きまとってくるとは思っていなかったが、このレベルの相手からも笑いながら逃げられる桃色真君の実力にも舌を巻く。
(でも一目散に逃げたってことは、さっきの攻撃は有効だったってこと? ああ、もうちょっと見ておけば良かった)
あれと関わっていくのなら、抵抗する力は多いに越したことはない。
何があったのかと、あれほど上機嫌だった主の微妙な態度にリッカルドたちが視線を向けてくるが、ブラットは曖昧に笑うことしかできなかった。
そしてそのまま微妙な空気の中、ブラットはアネモネの宮殿を後にした。
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