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Become Monster Online~ゲームで強くなるために異世界で進化素材を集めることにした~  作者: 亜掛千夜
第二三章

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第六六三話 ハイエルン領のダンジョン

 零世界ならともかくBMOのダンジョンは緊急性もないため、ブラットは設置してから今まで、ほとんど放置していた。

 ほぼ一本道の広い洞窟を、テンプレモンスターを倒しながら進み、最後にテンプレで用意されているボスモンスターが出てきて、それを倒せばお終い。

 途中でトラップもなければ、解かなければ進めない凝ったギミックもない。装飾もせず、道も手を入れず、迷う余地すらないそれを人はダンジョンとは言わない。ただの長い洞穴だ。


 これが普通のプレイヤー産ダンジョンであれば、「つまんな」の一言で終わり、二度と足を踏み入れないだけで終わっていたことだろう。

 しかし人気プレイヤーともなると、話は違ってくる。何かしてくれるだろうという、勝手な期待を押し付けられる。

 そして往々にして勝手に期待してきた相手の中には、その期待に応えないと怒りだす者もいる。



「一種の有名税ってやつだな。俺はその言葉、好きじゃないけど」

「はぁ。それでオレはどうしたらいい? そっちで作りたいって言うなら、権限渡すけど。

 こっちもこっちでやったら絶対に面白いことできそうなんだけど、時間がなぁ。

 そういう意味ではぶっちゃけ、はるるんも忙しいよな……? いろいろ頼んでるオレが言うなって話だけど」

「それはまぁ俺が好きでやってることだから気にするな。ダンジョンの方も今は興味ないって言うなら、そういうのが好きな奴もいるから俺にっていうより百家争鳴に権限を渡してくれるならこっちで良い感じのを作っておくことはできると思うぞ」

「ほんとにいろんな人がいるなぁ、はるるんのとこには」

「おかげさまでな。曲者ばかりで毎日楽しいったらないよ」

「そりゃよかった」



 ハイエルン領にやってきたブラットは、さっそくはるるんと合流し、邪魔にならないところにと適当に隅の方に設置したダンジョンの前に二人で並んで立つ。

 ダンジョン設定にアクセスし、ブラットはひとまず承認権限を、はるるんにも渡しておいた。

 これでいちいちダンジョンマスターになっているブラットを通さずとも、はるるんが承認したプレイヤーがこのダンジョン製作に関われるようになった。



「ありがとさん、これで俺側でもなんかできるようになった。けどな、せっかくだしブラットの足跡というか、ブラットだからこそのものが欲しくはある。

 なんといってもここのダンジョンに入るプレイヤーは、皆ブラットっていうプレイヤーに期待して挑戦しに来てるわけだしな。何かないか?

 面倒ならもうボスとして、コピーAIを君臨させるとかでいいんだろうが。どこにでもいるテンプレボスよりはマシだと思うぞ」

「ふっふっふ、それについては我に秘策ありだ。ちょっと待ってくれ、今確認してるところだから」

「お、なんだよ。そういうのあるなら、もっと早く言ってくれって」



 ブラットはボスの設定一覧を出してリストに視線を滑らせる。

 これには自分のクローンをボスとして、コスト0で設定できるというシステムがあるのだが、意外とこの『自分』という範囲が広いことをブラットは知っていた。

 なにせ進化前の──それこそ原初の最弱モドキだった頃も含めて、七次進化までの自分だけでもう「八種類」の選択肢があった。

 さらにTSポーションを飲んだ後に見て見れば、ちゃんと女性版のブラットも増えていた。

 それだけではない。【マテリアルチェンジ】で体を変容させた、差分のようなブラットの形態まで事細かく設定できるようにもなっていた。


 ならば、さっき作ったばかりのサブキャラだって、「自分」と認識されているのではないか。そう思ったのだ。

 そしてその予想は正しかった。



「やっぱいた。あんな夢の中の形態まで再現するとか、BMOの運営細かすぎだろ」

「ん? 何がいたんだ。俺にも教えてくれよ」

「はいはい。じゃじゃーん、クロミアちゃんでーす」



 ダンジョンの管理UI画面を共有し、そこに表示された「クロミア」の姿をはるるんに見せる。

 最初はなんだこいつ?という視線をクロミアに送っていたが、そのプレイヤーネームを妹が昔使っていたことを思い出す。



「これ……クロミアって、お前が初期にちょっとだけ使ってた名前だよな。え、何、サブキャラ? どうやってこんな」



 ブラットをベースにしていることは分かったが、これまでの女性版や差分キャラ、退化バージョンとは明らかに毛色が違うと、はるるんはすぐに気が付いた。

 BMOはサブキャラ、もしくはセカンドキャラなんていうものは、今のところ存在していないし実装する予定もない。

 それなのに法の抜け穴を見つけたかのようなキャラクターを見せられ、はるるんはその裏技が知りたくて知りたくて仕方がなかった。


 ブラットもここまで協力してくれている兄に隠すことはなく、夢という属性に手を出しはじめたこと、そこで夢と現実を混同しないようブラットと対になる対照的な存在「クロミア」を作る必要があったことを伝えた。



「ここまで凝った作りにすれば、オレの中に強い印象として残ってくれるだろうし、やって良かったと思ってるよ」

「そうか……夢か……。適性がないと本当に取れないタイプのやつだな、それは。

 ブラットの考察が正しいのなら、後付けで夢の属性を取り入れるなら狂夢人ルナリス系を進化素材に使ったりするのがいいか……。ふむふむ。中々面白い情報だ。

 夢属性持ちは俺の知り合いには今のところブラットしかいないから、なんかまた新しい情報が手に入ったら教えてくれ」

「いいよ。散々世話になってるしね。その分、情報で恩を返させてもらいますとも」



 互いにニヤリと笑いながら握手を交わす。その後ろで静かに二人のやりとりを見守っていたサクラが、「やっぱ仲いいわね、この兄妹」と生暖かい視線を向けていた。

 しかしクロミアを彼女に見せると、はるるんよりもそちらのキャラにサクラの方が食いついた。



「なにこの子! 可愛い!! このちょっと生意気な顔してるのに美人さんってズルい! あぁ……創作意欲が湧いてくる……。これが夢限定ってもったいなさ過ぎるでしょ!」

「さっそくファンができたな。けど割と冗談抜きで人気でそうなビジュなんだよな、このキャラ」

「キャラクリにそこそこ時間かけたからな。渾身のできだ。この子をこのダンジョンのボスにしたい」

「うんうん、良いと思う! ちょっとこのダンジョン、私も興味出てきたかも。作るの手伝ってもいいかな? ブラットくん」

「いいよ」

「あとこの子の服なんだけど、ちょっと上半身の方が寂しい気がするの。それにこのオーバースカートも裾の部分に──ショートパンツもねここ、分かる? ここのね──」

「お、おお?」



 さすがデザイナー志望なだけあり、デザイン画まで描きながら、素人のブラットが作った服よりもさらにキャラが映える服装案をサクラが出してくれた。

 ブラットとしてもそれが気に入り、今度そっちにバージョンアップしておくことにした。



「このクロミアちゃんは、どんな子とか設定はあるの? こんな素敵な子なんだもの、どうせならこの子を主体にブラットくんのダンジョンを作っていくのがいいと思うの」

「設定? うーん、特にそこまでは。でもそういうコンセプトを決めてなりきるっていうのも、夢と現実を切り分ける助けになるかも。考えてみようか」



 ただ夢の中の仮初めの姿ということしか考えていなかったが、サクラに言われもう少しクロミアというキャラを肉付けしていくことにした。

 まず大前提として、このキャラのはじまりは夢と現実でブラットと対になる存在として生み出したことを思い出す。

 まったく関係のない設定をつけてしまうと、それはそれで逆に使いづらくなりそうな気もしたため、「対の存在」という部分をコンセプトの中心に据えてみることにした。

 さすがに他にやることが多すぎて、BMOのダンジョン製作に拘っている暇はないが、せめてこれくらいは名ばかりのダンジョンマスターとして、これからのダンジョンデザインに影響を与えるであろう、ボスの設定を考えていく。



(ブラットといえばまず何が思い浮かぶ? 灰天使? は……あんまり一般的じゃないし、対として分かりやすい要素もないからパス。

 戦闘スタイルをできるだけ変えずに、ブラットの対っぽさが出せる要素って言うと…………選定勇者?)

「選定勇者?」



 頭の中だけで考えているつもりが、いつの間にか最後の言葉を口からこぼしていたことに、はるるんの声で気が付いた。



「ああ、ブラットっていえば、選定勇者ってイメージがそこそこ強い気がするんだけど、そこんところどう思う?」

「プレイヤー間の話で言うなら、ブラット=モドキが一番のイメージだけどな。けど選定勇者っていうのも、プレイヤーたちの中でも広まっているイメージはあるな」

「ならクロミアは魔王っていう設定にしよう。選定魔王は名乗るとヤバそうだからなし。んで、ダンジョンのコンセプトは魔王城! とかどうかな」

「あははっ、選定勇者の領土に魔王城? 斬新すぎでしょ──ふ、ふふふっ」

「けどプレイヤーたちには、サクラみたいにウケそうだな。意味分からないところが最高にブラットらしい」

「……なんか悪口言われてる?」

「誉め言葉だ」



 笑顔でサムズアップされ、はるるんにそう言われたがブラットは半目で彼を睨むも、時間の無駄だと思考を戻す。

 ゲームなんていうのは、面白ければ勝ちなのだ。零世界と違いBMOでは、遊びも重要だ。



「ああ……でも、うちに本物の、冤罪なんだけど魔王がいるし、魔王の疑似復活体がうろついてるし、さすがに魔王城とかあっちゃヤバいか?

 なんか最初の頃は選定勇者の国だ!って周辺国も喜んでくれてたのに、だんだん距離置かれていってるし」

「ダンジョンなら別にいいだろう。表側に入り口が設置されるだけで、あとは全部別空間に生成されるわけだし」

「むしろ神様が狂夢人ルナリス対策として、皆を強くなる試練として作った物ってことになってるし、魔王っていうのは相応しい相手なんじゃないかな?」

「あーね。神様があえて用意したみたいな感じに持っていけばいいのか。

 オレの試練のために~みたいな方向性に持っていければ、オレに似てるっていうのもドッペルゲンガーと戦わせるようなものに近い──みたいな?」

「やや強引な気はするが、ダンジョンのコンセプトのためのフレーバーなんだ。そのくらいのザックリとした設定でも誰も文句は言わないだろう。

 それにそういう『ブラット』周辺の魔王っぽい要素を全部、クロミアに吹っ掛ければブラットはクリーンなままでいられる……か?」

「疑問形やめような。でもそれもやってみる価値はあるかもしれない。魔王っぽい要素は夢の存在であるクロミアに背負い込んでもらって、オレは公明正大な選定勇者でいよう」

「そんなに上手くいくのかなぁ? あ、魔王城型ダンジョンつくるなら、チュニちゃんに声かけない?」

「チュニちゃん?」

「魔王大好きっこで中二病のチュニちゃん。魔王関連について、いろいろと調べてる百家争鳴のメンバーなの。絶対のりのりでやってくれるはずだよ」

「そっちのチュニなのね……。うん、でも専門家がいるなら、その人に中身はお任せしようかな。課金とか必要なら、なんかオレのグッズ?のお金があるみたいだから、そこから払っちゃってよ。はるるん」

「ああ、あの無駄に溜まってるやつな。いいのか? 将来のために貯金しとけばいいのに。いや、それを加味しても──か」

「ブラットくんのグッズの人気凄いよね。私の大学の友達も、普通に持っててびっくりしちゃった」

「オレもクラスメイトが、普通にカバンに俺のグッズ大量に付けててビビったな……」



 色葉としては自分がブラットのグッズを欲しかったから、BMO側の打診を受けてグッズ化をOKしたのだが、気づけばあちこちで自分のグッズを持っている人を日常の中で見つけ、少し恐くなってきていたりする。

 とはいえサンプルとして送ってもらったグッズは、全て大切にしまっているのだが。



「BMOはまだまだ世界で一番人気のゲームだからな。

 日本だけじゃなく、海外にもブラットのファンがいるから、数パーセントの取り分でも凄いことになってる。

 運営も気合入れて作ってるのか、出来もかなりいいし。大金だから親に預けてるが、必要ならいつでも父さんたちに言えよ。お前だって欲しいものあるだろ」

「うん、分かってる。けど、めんどうな手続きとか全部やってくれてるし、はるるんも使っていいからな」

「別に俺はいいっての。それ以外で稼がせてもらってるし」



 実際にブラットのマネージャーのようなことを、はるるんはしているが、グッズの売り上げにまで手を出す気はなかった。

 そもそもチャンネルの収益からして、ブラット関連の動画によるものが多いのだ。彼からしても、怖いくらい既に妹に稼がせてもらっている。

 面倒なことを引き受けるのは、妹が可愛いからというのもあるが、その礼もかねてのものだった。


 とはいえブラットはブラットで零世界で稼いだお金が大量にあるため、そこまでグッズ売り上げの取り分に興味はなかった。

 しかしこういう兄や周囲にもバレる形での課金要素が出てきた際に使えるお金ではなかったため、ちょうどいいとハイエルン領のダンジョンを作るための資金源スポンサーになることにした。



「まぁ、本人がいいっていうなら、このダンジョンのためにいくらか使わせてもらおう。課金要素が使えるなら、自由度は桁違いにあがるしな。

 グッズを買ってくれたファンに還元したよアピールも、できるかもしれないし」

「まあ、そういう人たちも喜んでくれたら嬉しいか」



 第三者からすれば今まで放置していたのにどの口がという話だが、はるるんもサクラもブラットがいつも忙しそうにしているのも、学業とちゃんと両立していることも知っているため、そんなことは口に出さない。

 第一、そんなことをする義務はないのだから。あくまでファンサの一環である。



「だったらブラット本人がボスとしていたほうが喜ぶ人もいそうだが、それじゃあ普通過ぎるしな」

「本人と戦いたいなら、公式のPVP大会で会おうってことでいいよ。これからも可能な限り、毎回出るつもりだし。

 てなわけで、クロミアの話に戻ろう。内装は任せるけど、この子の戦闘設定とかはオレじゃないと無理だろうし」

「なんのスキルか分かってても、ブラットくん独自の使い方とかあるからね。隠しておきたいのとかもあるだろうし」



 自分のコピーをそのままボスにすることもできるが、使ってほしくない、不特定多数のプレイヤーには隠しておきたい切り札を使わないようにと設定することもできる。

 さらに課金が可能なら、その戦闘スタイルから性格までも自由に設定することだってできてしまう。



「まず選定勇者の剣とか持ってたらおかしいし、勇者っぽいスキルも禁止。ナマクラも含めて普段よく使ってる剣は封印しようかな。

 精霊関係の装備も勇者っぽいし、鎧もなんか適当にそれっぽいのを見繕っておくとして──」

「剣まで封印して大丈夫か?」

「剣技は普通に使うからいいよ。けど、クロミアはどっちかというと魔法メインで戦う感じにして──」



 剣は【世刻奇剣クロノソード複製師レプリケーター】でいくらでも出せるため、魔王っぽい世刻奇剣クロノソードを探して持たせればいい。

 戦闘スタイルも近接というより中遠距離で魔法を使い、近づけば剣で反撃するスタイルを基本に設定した。



「負けるようだったら、本来の戦闘スタイルに近づければいいしな」

「いうてブラットは、魔法だけでも化け物みたいに強いからな?」



 剣士というイメージが強くなっているが、魔法だけでも今のプレイヤーで勝てる者はいない。

 むしろブラット自身、今は剣技をサブとして使ったときの自分の戦いを、AIがどう再現しようとするのか、参考までに見てみたいという欲求があっての設定だ。

 性格は傲慢とまではいかないが、プライドの高いお嬢様系。けれど安い挑発に乗らない──なんていうような感じで、性格を課金で書き換えていった。



「よし、決定! これでいいかな」

「うん、ちゃんとできてるね。クロミアちゃんに、ピッタリなダンジョンを作ってみせるからね。

 私はクロミアちゃんの玉座とか、周りの調度品のデザインとかしたいなぁ」

「チュニさんも来てくれるらしい。あとは俺たちに任せてくれていいぞ。悪いな、いきなり呼び出して」

「いいよ、オレの所のことだし。むしろこっちこそ、ごめん。それに、ありがとう。楽しみにしてる。あと何度も言うようだけど、グッズの資金も使っていいから」

「ああ、常識の範囲で使わせてもらうよ。楽しみにしててくれ」



 最後に別れのあいさつを交わし、ブラットは課金拠点に戻った。

 BMO内の日付が変わってしまう前に、【英傑召喚】をこなしておきたかったからだ。



「やっぱり増えてるね。昨日は見れなかったけど、今日は……どうしようかなぁ」



 新たに縁ができた二人が追加されていた。一人は『沸裂』の咎人──ワーアイアン。冤罪で魔王にさせられた英傑だ。

 そちらはまぁブラットも気にしない。むしろ彼とは戦ってみたかったくらいだ。

 問題なのはもう一人。変態の称号をほしいままにする、夢を自在に扱う桃色真君。

 ただのエロジジイであったのなら、そこまで何とも思わなかったが、この桃色真君に限っては、英傑召喚という仮初めの存在であろうと致命的な何かをしてきそうな怖さがあった。

 最悪課金アイテムで元の状態に戻すなんて言う裏技もできるが、できればそういうアイテムはあまり使いたくはない。

 それになによりも、あの頭を取られたのが少しトラウマになっていた。



「けどビビってたってしょうがない。英傑召喚の方はどうなのか、試してみないと。よし──」



 TSポーションは在庫があるため、スキルで女形態には一応なっておく。

 最初はケチるべきではないかとも考えたが、どうせ男だとバレるなら関係ないだろうと。

 深呼吸して心を落ち着かせてから、ブラットは英傑召喚で桃色真君を選択し、試練の間へと入っていった。



「やっほ~、ブラットちゅわ~ん。おっそいよ~。じぃじ、待ちくたびれちゃったぞ♪」

「──え」



 これまでの英傑たちは、まず自分が仮初めの存在であり、選定勇者の試練をするために呼ばれたと認識する所からはじまっていた。

 しかし目の前の桃色真君は、最初からブラットという存在を知っているかのような口ぶりだ。

 そう──あの山で分かれた桃色真君が、そのままここにいるかのような、異様な雰囲気を持っていた。



「……ま、さか……本物?」

「だいせいか~~い! なんぞ、面白そうな気配を感じてのぉ……来ちゃった♪

 ブラットちゃんもぉ、偽物じぃじより、本物の方がいいじゃろぉ?」

(いくらなんでも自由過ぎるだろ! なんなんだよ、この爺さんはっ!?)



 ブラットは相手が強いからだとか、そういう真っ当な理由でなく、ただただ未知すぎる相手への恐怖で、久しぶりに体が震えるのを感じていた。

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― 新着の感想 ―
この空間自体が、普通はあり得ない、夢みたいなものやもんな。
げぇ、本物が来た!?->夢属性なら仕方ないね。 桃色真君は夢属性の使い方の良いお見本を見せてくれましたね。
自分のアバターが魔王として認識されたらそのうちほんとに選定魔王になりそう名もなき剣とか謳われぬ剣とか認識が重要な世界っぽいし 良いか悪いかで言えば多分悪いことなんだろうけどこの仙人様に認識されて面…
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