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散文詩 99 「年を取るということ」
日々、心に残ったことを文字にしてみた
「年を取るということ」
母は手先の器用な人で、いろんなことをしていた。
刺繍、編み物、オルガン、籐細工、ミシンもよく使っていた。
紅茶キノコも育てていた。
日本舞踊も習っていた。
しかし今は何もしない。
食のための買い物をして、病院に行き血圧の薬をもらい、
テレビを見て、食べて寝る。
編み物など勧めても、目が悪くなったし、
疲れるから何もやる気が起きないと言う。
興味や好奇心がなくなり、生命を維持する活動のみが残される。
個人特有の関心、興味がなくなり、個性が消えていき、一人の人間に返っていく。
年を取るということはこういうことなのかと思う。




