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散文詩 116 「同級生」
日々、心に残ったことを文字にしてみた
「同級生」
中学の時の同級生を思い出した。
同じクラスになったことはなかったが、よく覚えている。
彼は心臓が悪いらしく唇が紫色で顔色も悪かった。
心臓の大手術をしたとか、二十歳まで生きられないという噂を聞いたことがあった。
朝、学校に行くと、階段の踊り場でお母さんと立っているのをよく見かけた。
学校にはエレベーターがないから、
3年生の教室のある4階まで階段を上らなければならない。
彼は一気に4階まで上がれないので、踊り場で休んで上っていくのだ。
しかし彼はヤンキーのような学ランの着方をして不良ぶっていた。
男子は「あいつ、絡んでくるんだよ、息が切れて追いかけられもしないのに。」
と迷惑そうに、揶揄するように言っていた。
私の中学時代は校内暴力が吹き荒れ、金八先生の全盛期で、
下町の我が校にももれなく不良がいた。
本物の不良たちは暴れん坊で喧嘩っ早かったが、
なぜか彼をいじめたりしなかった。
ただ相手にしなかっただけかもしれないが、邪険にもしなかった。
年を取ると、昔のことが美化されて見えるのかもしれないが、
あの頃の不良たちの優しさを懐かしく思う。




