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散文詩  作者: 今日乃けふ
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114/125

散文詩 114 「オーバーツーリズム」

日々、心に残ったことを文字にしてみた


「オーバーツーリズム」


10年ぶりに浅草に行った。

私は東京の下町で育ったので、出掛ける、町へ行くという時、それは浅草だった。


伯母は寄席が好きで、よく浅草演芸場に連れていかれた。

私たちが寄席に入ると「おっ、僕!」と舞台の手品師が客の私に声を掛ける。

伯母は「男の子じゃないよ!女の子だよ!」と返答する。


私はショートカットでスカートを履いたことがなく、常に男の子と見られていた。

客席と舞台のやり取りが普通に交わされる。


花やしきに行ったり、雷おこしを買ったり、モツを食べたりして帰った。

参道の裏道界隈は、ちょっと怪しい人のいる怖い雰囲気のある場所だった。

でも伯母の手を握っていれば私は安心だった。

懐かしい思い出である。


ところがである、今の浅草は日本ではない。

浅草寺も雷門も、建物は昔のままだが、そこにいる人はみんな外国人である。

ものすごい人数の外国人が、日本の建物の中に溢れかえっている。

参道を歩くことさえままならない。


これがオーバーツーリズムなのだろう。

私が遊んだ浅草はもうない。






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