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散文詩 105 「憎悪」
日々、心に残ったことを文字にしてみた
「憎悪」
以前見た忘れられないドキュメンタリー映画がある。
イスラエルのユダヤ人とパレスチナのアラブ人の10歳くらいの子供たち、
それぞれの日常を追ったフィルムだった。
両者は国境を接した異なる国の異なる環境で、交わることなく育っている。
両者は子供らしく勉強したり友達と遊んだり同じように暮らしていた。
両者に同じ質問をした。
アラブ人の子供にユダヤ人について聞くと、
ここはアラブ人の土地だ、いつか仇を取ってやる、
ユダヤ人をもっと殺してアラブ人はもっと強くなる、と言う。
ユダヤ人の子供にアラブ人について聞くと、
アラブ人は動物だ、ユダヤ人の土地を奪った、皆殺しにすればいい、と言う。
お互いがお互いをいなければいいと思っている。
お互いに心底憎しみ合っていることが見て取れた。
それは様々な経験を積んだ大人ではなく、
わずか10年ほどしか生きていない子供の考えていることだ。
恐ろしく痛ましく思われた。
生まれて10年の間に刻み込まれた根深い憎悪は、
彼らが大人になった時には、もう変容することのない確固とした価値観として
形成されているのではないかと考えた。
このドキュメンタリー映画を見て、ただ現実に絶望した。




