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第四十八話 お城へですわ!

「お前は相変わらずよく食べるな」


「明日の為にも力つけとかないとやで。ほら、にゃあ吉も‥アキももっと食べな!」


 宿屋に着いて直ぐに、私とにゃあ吉それからアリアと共に、用意された部屋で机を囲み、食事をとっていた。


 私はひとまず目の前の料理に集中しているが、アリアと特ににゃあ吉は、思い詰めた顔をしていた。


 やはり国王に呼び出されるというのは、とんでも無いことなのだろう。

 改めて実感する。


「リア。この後話がある」


 食事に殆ど手をつけていないままのにゃあ吉が、そう口を開いた。


 私がうなづくとアリアが話を始めた。


「明日のことを話すのでしょうけど、もうすっかり夜なんですから話し込みすぎてはいけませんよ。それからお二人は別々の部屋を用意してますから、寝る時は別々でお願いします。くれぐれもお忘れなく」


 猫の姿のにゃあ吉とはいつも同じ部屋で寝ているが、人の姿だと流石に許してはもらえないらしい。


 アリアは念を押しながら、何度も私にそう注意していた。


 にゃあ吉は何とも不服な顔をしていた。





 食事を済ませた後、用意された自分の部屋へにゃあ吉と向かった。


 中はベッドに、ソファや椅子に机と何ともシンプルな物が並べられている。

 そして何より広い。流石貴族令嬢。



「それで話って何?明日の話?」


 部屋について早々私は尋ねた。


「それもあるが、まずは私の力についてだ」


 私は椅子に座ったが、にゃあ吉は座らずに話を続けた。


「リアのリングを見る限り、残り半分ほどしか魔力が残っていない。明日起きた時にリアの魔力が完全に回復していても、リングとあわせておそらく夕方まで持つかどうかだ」


 実はにゃあ吉の力は学園での事件の日に、解放されたかのように思われたが、それは一時的なものだったようで、次の日には再び力に封印が施されていた。

 もう一度あの時の様に封印を解く手順を踏めば、力を一時的に解放できるのだろうが、なるべくそれは避けたい。


 (恥ずかしいからな)


「そうか‥やったらもし明日なんかあった場合は‥」


「その通りだ。もし明日、何か私たちに危害が及んだ場合、私は力を存分に使うことができない」


 場は静まり返る。


「だからだなリア‥一応力を解放する可能性があると言うことを‥覚えておいてほしい」


 にゃあ吉は少し気まずそうに、照れくさそうにしながらそう言った。

 どう言った意味かは理解ができる。


「えっち」


「えっちではないだろ!」


 にゃあ吉は動揺した態度を見せる。

 力の解放は恥ずかしいが、もしもの時があれば私は躊躇わずに力の解放を手伝うだろう。


 にゃあ吉に言われずともそのつもりだった。


 にゃあ吉からの話は以上の様で、少し話した後すぐにおやすみと言って挨拶を交わし、にゃあ吉は自室へ戻って行った。


 なるべく早く、部屋で猫の姿になり、魔力を温存しときたいそうだ。




 今から1日足らずで、私は城へ赴くことになる。


 改めて言うがそれは、王様とも顔を合わせることになると言うことだ。

 無礼は許されないだろう。


 (私大丈夫かな‥) 


 明日の用事が簡単ならいいのだが、もしもまた何かに巻き込まれでもしたら怖いなと言う感情が押し寄せる。


 何よりまたにゃあ吉に迷惑をかけることになるのがとても嫌だ。

 もう既に迷惑をかけてる気もするが、これ以上はあってはならない。


 もしものことがあった時の為にも明日はにゃあ吉から離れないでおこう。

 力をすぐに解放する為にも。



 

 もうこれ以上はマイナスに考えるのはよそう。


 直ぐに王様と話がすめば、難解していた人探しも済むわけだし、お城の中も見れるのだ。


 そう考えれば何も苦じゃないじゃないか。

 私は自分にそう言い聞かせて、眠りについた。







「おはようリア」


 目を覚ますと朝日の光が目に差し掛かっていた。

 眩しい中、半目の瞼をゆっくりと開ける。


 そこにはにゃあ吉が立っていた。

 ベッド横から私を覗き込むかのようにしている。


「にゃあ吉おはよう。どうしたん?まだ朝早いんちゃうん?」


「あーその通りなのだが、早速お出ましだ」


 私は起き上がり、窓から外を見てみる。

 するとそこにはジニアさんと、馬車がにせき、そして昨日とは比較にならないほどの数、国家騎士達が並んでいた。


 私はそれに圧倒されてすっかり目が覚めた。


「はよ準備せな!」


「別に急ぐ必要はない。待たせておけばいい」


 にゃあ吉はそう言うが、あの数の人たちを待たせることは私にはできなかった。


 直ぐに歯を磨いたり、顔を洗ったり、服を着替えるなど、身支度を整える。


 私は再び窓を覗く。


「いよいよかぁ」


 改めて緊張が込み上げてくる。


「リア様起きてますか?ってあれ?もう起きれてるんですね」


 するとアリアが部屋に入ってきた。


「にゃあ吉様が起こしてくださったんですね。ありがとうございます」


 アリアは頭を下げる。


「それでは早速行かれるのですか?」


「うん。そのつもり、めっちゃ緊張するけど」


「どうかお気をつけて下さいね。何かあれば直ぐに逃げるんですよ」


 アリアは私そう告げる、


「アキ様。リア様のことよろしくお願いします。もし何かあれば、城を壊してでもリア様を連れて逃げて下さい」


「あー元からそのつもりだ」


 本当に、にゃあ吉はそのつもりの様だしな。


「じゃあ行ってくるわ」


 私とにゃあ吉は部屋を出て玄関へと向かう。

 アリアもそれについてくる。


 玄関前にたち、扉に手をかけて深く深呼吸をした。


「じゃあ行こかにゃあ吉」


「あー直ぐに話を済ませて帰るとしよう」


「いってらっしゃいませ」


 私は扉を開けた。

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