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第四十七話 招待ですわ!

国家騎士は綺麗に横並びになって、男の後ろに整列した。


「何の様だ?貴様」


 にゃあ吉は威圧する様に、睨みながら相手に問いかける。


「お、落ち着いてください。何も危害を加えようってわけじゃないんです」


「当然だ、そのつもりなら容赦はしない。早く要件を言え」


 相手の男はひどく慌てた様子を見せていた。

 にゃあ吉はそれをみてもなお、警戒を解こうとはしない。


「えっとですね。リア様をナギア城へ招待したいと思いまして、ですね」


「断る」


 そう言ってにゃあ吉は、私の腕を掴みその場を去ろうとする。


「ちょ!ちょっとお待ち下さい!」


 男は大きな声を出しながら私たちの前にたち、深く頭を下げ出した。


「そこを退け」


「何卒!話だけでも‥お願いします!」


 必死に頭を下げる相手を見て、にゃあ吉は歩くのをやめて立ち止まる。


「ありがとうございます。‥申し遅れました。私はナギア王の側近をさせていただいておりますジニアと申します」


 そう言って、ジニアと名乗る男は頭を上げて、乱れた服を整えた後説明を始めた。


「では、早速ですが、説明させていただきます。リア様を城へ招待したいと言ったのは、我が国ネフスト王国国王ナギア様でございます」


 私は酷く動揺する。

 

 (え‥王様に呼び出されるって私‥何してもうてん)


 私はあわあわと、焦りを見せ始める。


「リア様ご心配なさらず、ナギア王はリア様にお聞きしたいことがあるだけのご様子です。直ぐに用事は終わるでしょう」


 そうは言われても王様に聞かれることがある覚えはない。

 一体何を質問されるのだろうか。


「だとしたらこの騎士達はなんだ?私たちを脅している様にしか見えないが?」


「滅相もございません!これは私が王の使いであると言うことの証明のために付けさせてもらったのです」


 「なるほど‥確かに先程の理由で、城へ招待するなんて言われても。本来信頼できるはずがないからな」


 にゃあ吉も納得した様に見せる。


「納得してもらえてよかったです。あっ!そういえば、リア様。先ほど偶然お見えになったのですが、何かを探しているご様子ですね」


 男は何かを閃いた様にして話し出す。


「え、はいですわ。‥人を探してるんですわ」


「でしたらお城に来てくださればお礼として、その方を代わりに探して差し上げます。それでいかがでしょうか」


 この質問を私に投げかけているが、ジニアさんは私よりもにゃあ吉の顔色を伺っている様子だった。


「リア。やめておこう。やはり急に聞きたいことがあるから、城へきてくれなんて無茶を言う王など聞いたことがない。何か裏があったら面倒だ。探し人は私たちで見つけるとしよう」


 正直私も何か怪しい部分があると思ってならない。

 にゃあ吉と私は同意見と言ってもいい。

 けれど‥


「なぁにゃあ吉‥出来れば怒らんと聞いてほしい」


「どうしたリア」


 私は深刻な顔をしてそう告げた。


「私、お城に行って見たいねん!」


 にゃあ吉は呆れた顔を見せる。

 そのにゃあ吉の耳に顔を近づけて小声で私は話し始める。


「実は前から言ってるゲームで、お城の中がちょっとだけ描かれててん。それがめちゃくちゃ綺麗でな。一度入ってみたいと思ってたんよ」


 実はこの街に来た理由の一つに、あわよくば城の中へ入れないかなと言った、淡い願いがあったのだ。


 相手の誘いにのるのに、リスクはあるかもしれないが、相手は評判の良い王様だ。

 特別酷いことをされるなんて事は万が一もないだろう。


「でもなぁリア‥」


 嫌そうな顔を浮かべるにゃあ吉は、私は手を合わせて小声で「お願い」と言い続けた。


「はぁ‥わかった。けれど危険と判断したら城を破壊してでも撤退するからな」


 そうなれば私たちは犯罪者になるだろうな。


「と、言うことは‥来て下さると言うことでしょうか?」


「はい。よろしくお願いします」


「‥よかったーー!断られたらどうしようかと思いました。全くあのお方はいつもいつも人使いが荒いんですから」


 そう言ってジニアさんは地面に崩れるように座り込む。

 よっぽど日頃から王様には振り回されているみたいだ。


 


「それでは、もうすぐ日もくれてしまいますので、明日またお迎えにあがらせてもらいたいと思います。それでよろしいでしょうか?」


 男は少ししてから立ち上がり、私たちに問いかける。


「はい。それでお願いします」


「ありがとうございます!ではまた明日よろしくお願いします」


 そう言ってジニアさんは頭を下げた後、連れてきた騎士たちを引き連れて、帰って行った。


「全く、街へ来て早々面倒なことになったな」


「ほんまやな。一体何の用があるかはわからへんけど。まぁお城の中入れるんはめっちゃ嬉しいわ!」


 明日についての会話をしながら私たちは宿泊先へ向かった。

 着いた頃には、すっかり日も暮れてしまっており、少しばかり眠気を感じ始めていた。


「遅いですよリア様。また何かに巻き込まれたのかと思いましたよ」


 宿泊先に着くと、出入り口付近で私たちを待ってくれているアリアがいた。

 ホッとした様な顔を浮かべている。

 遅くなってしまったから、心配をかけてしまったのだろう。


「ごめんアリア遅くなって‥それでな‥実はやな‥アリア」


 私は王様に城へ誘われたことを伝える。


「何で来て早々に、そんなことになるんですか!」


 アリアは声を荒げて、驚いた顔を見せる。


「ごめんアリア」


「いえ‥今回はリア様に非はない様ですしいいんですが、はぁ‥どうしてナギア王がリア様に?‥理解ができません」


 アリアは首を傾げる。

 アリアもにゃあ吉も、本人である私も、呼ばれた理由が全く思い浮かばない。


 やはり少し不安だ。


 そもそも王様とはどう言った人物なのだろうか。

 ゲームでは、国民に人気な人徳者としか説明がなかった。

 明日の為にも早く体を休めるべきだろう。


 私は宿屋の扉を開けて、寝室を探そうとするが、目の前のある光景に目は奪われた。


 豪勢な料理が並んでいたのだ。

 そういえば今日は殆ど何も食べていない。


 寝る前に食事を取るとしよう。


 私は飛び込む様にして、席へ座る。

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