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父は本当の愛を見つけたらしい  作者: 雷ライ
〜サラ〜
23/33

誘拐って本当にあるのですね

女性から女性への暴力表現があります。


苦手な方は注意してください。


母にあった帰り道、平民の区画でも目立たないような格好をして、ケティとトムにも少し離れて護衛してもらっていた。


馬車は徒歩10分のところに停めてある。


そんなに長い距離でもないと油断していたのが悪かったのだろうか。


馬車が見えて来たと思った瞬間、目の前に別の馬車が止まり引きずり込まれた。


あまりの早業に叫び声を上げる暇もなかった。


でも、後ろからサラ様ってケティの焦った声が聞こえたことまでは覚えている。


そこから先は気絶させられていたので何もわからない。





目を覚ますが真っ暗。


目隠しをされていて周りが見えない。


振動は感じないから馬車ではないみたいだ。


本当はすぐにでも動きたいが下手に動いて起きたことが知られれば何をされるか分からない。


運良く横にされているので動かないでじっとしていることにした。


ケティとトムの前で攫われたのだ。


きっとトムは私が乗せられた馬車を追尾して、ケティはグレイ兄様に知らせにいっただろう。


下手に動いて迷惑をかけてはいけない。







しばらく横になったまま動かずいると部屋の扉が開いた音がした。


コツコツという靴の音が私の方へと近づいてくる。


止まったと思った次の瞬間、ドスッと勢いよくお腹を蹴られる。


「ウッ、ッ」


思わずうめき声が漏れる。


「いい加減起きてください」


なんとなく聞き慣れた、嫌いな女の声が聞こえる。


「サラ様?起きてくださいましたか?」


そう言って女は私のお腹をもう一度蹴る。


私が縛られた足や手を動かそうとすると、それで起きていることを確信したのか女は1人で話し始めた。


「サラ様が悪いのよ?私の思い通りに不幸になってくださらないから。


サラ様わかる?私、初めて貴方に出逢ったとき全身の血が逆流するような高揚感を覚えたの。


だって、ずっーーーーと復讐したかった男の娘がすぐそこにいたのよ?


興奮するなという方が無理よね。


サラ様、怨むなら貴方のお父様を怨んでね?


私を怨むのは間違いよ?


だって、先に私を傷つけたのは貴方たちなのだから」


何言ってんだとこいつと思うと同時にやっぱり父が原因かとも思う。


口が塞がっているため言い返すことは出来ない。


そんな私に女は更に話し続ける。


「貴方だって聞いたら絶対に貴方のお父様が悪いって思うわよ。


だって私と私のお父様からお母様を奪ったんですもの。


なんてことない普通の日だったのよ?


大好きなお母様に会おうとお母様の部屋に向かえばお母様付きメイドから止められるの。


でもね、お母様の部屋からはお母様の苦しそうな声が聞こえてくるの。


大好きなお母様が心配だった私はメイドが止めるのを振り切ってお母様の部屋に向かったわ。


近づけば近づくほどお母様の苦しそうな声は大きくなるの。


でもね、私それが怖くなってしまってまず隙間からそっと部屋を伺うことにしたの。


そしたらね、大好きなお母様と知らない男性が裸で抱き合っていたのよ?


当時は幼かったからなんなのか分からなかったわ。


しかも、乳母が走ってきて私を自室へと連れていくものだから本当に何も分からなかったの。


でもね、今ならわかる。


大好きなお母様がお父様を裏切っていたって」


そこで一旦区切り女は私の髪を掴み、私を起こす。


引っ張られた髪はかなり痛い。


「大好きなお母様の裏切りはもちろんショックだったわ。


だけど、それ以上に大好きなお母様を誑かした男に殺意が湧いたの。


その男が誰なのかは直ぐに分かったわ。


かなり有名な色男なんですもの。


それで私は確信しましたの。


あぁ、お母様は騙されたのだと」


被害妄想も大概にしてほしい。


なんで父のことで私がこんな痛い思いをしなくてはいけないのだ。


それに色男の娘から言わせてもらうと、この女の母親が騙された訳がない。


父は女癖は悪いが嫌がっている女と無理矢理に関係を持ったりしないし、誘ってこない限り近寄るかもない。


そんなことをしなくても女は寄ってくるのだ。


この女の母親だってきっと望んで父と関係を持ったのだろう。


「それから、どうやって男に復讐するか考えたわ。


人を雇って男の妻を騙すとか。


家を破滅に追い込むとか。


男の大切なものを破壊してみせるとか。


他にも色々考えたの。


考えているうちになかなり時間が経ってしまったわ。


でも、この時間は神様が私に与えた大切な時間だってことに貴方に会って気づくことができたわ。


男の娘が私と同い年で、平民の愛人との間に生まれた子だと知ったときは喜びしかなかったわ」


その時のことを思い出しているのか笑い声が聞こえる。


扉が開いた音が聞こえると、男の声が聞こえる。


「お嬢様準備が整いました」


「分かったわ。サラ様!行きましょう、私は貴方を不幸にして絶対にあの男を殺してやるわ」


父は私が傷ついても不幸にはならないと思うが。


そんなことを思っているとまるで荷物ように持ち上げられ運び出される。


また移動するのか。


トムいると思うから無駄だと思う。









急展開だったかもしれません。


あまりにもサラがやる気がなく危機感がないので、危機感抱いてもらおうと思ったのですが。


ヒーローが出てこない。

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