嘘をつく町
前書き
人は、
幽霊よりも、
人間に嘘をつかれる方が傷つく。
幽霊は、
最初から理解できない存在だ。
でも、
人間は違う。
笑って、
挨拶をして、
親切にしてくれる。
だから、
その人が嘘をついていたと知った時、
世界は静かに音を立てて崩れる。
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Appearing
― 突然、君からのメッセージ ―
第53話
嘘をつく町
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午後六時四十分。
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海鳴町。
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神社。
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監視者は消えた。
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残ったのは、
一枚の写真だけ。
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三年前。
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神社。
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そこに、
悠が写っていた。
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「ありえねぇ……。」
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悠は何度も写真を見る。
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「俺、
三年前は神戸にいた。」
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レイも頷く。
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「俺も知ってる。」
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「お前、
夜勤してただろ。」
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「毎日氷結飲んでた。」
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「だよな。」
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榊原が写真を受け取る。
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裏返す。
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印画紙。
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現像番号。
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メーカー。
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全部、
本物だった。
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「合成やない。」
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宮本も写真を見る。
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「年代も一致しています。」
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「加工ではありません。」
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静寂。
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榊原が時計を見る。
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午後六時四十五分。
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「聞き込みや。」
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「今日は町の人間だけを回る。」
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交番
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小さな木造交番。
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当直。
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駐在 大石俊郎(58)
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海鳴町一筋三十年。
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穏やかな人柄。
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町の誰もが知っている。
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「神崎春人?」
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少し考える。
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「ええ子やった。」
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「メアリーちゃんも。」
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「優斗も。」
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「悪さする子らちゃう。」
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榊原が聞く。
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「事件当日は?」
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大石は静かに答える。
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「祭りで忙しかった。」
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「喧嘩もあった。」
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「酔っ払いもおった。」
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「でも。」
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少し黙る。
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「殺人事件なんて無かった。」
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「……。」
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榊原はその一言を聞き逃さなかった。
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「“無かった”?」
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「失踪事件やないんか。」
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大石は一瞬だけ固まる。
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「……。」
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すぐ笑う。
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「言い間違いや。」
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その笑顔が、
少しだけ不自然だった。
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交番を出る。
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榊原が小さく言う。
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「聞いたか?」
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悠が頷く。
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「殺人事件って言いました。」
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「誰も。」
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「殺人なんて言うてへん。」
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空気が変わる。
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理髪店
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「いらっしゃい。」
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店主。
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柴田一誠(65)
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町で一番古い床屋。
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ハサミを動かしながら笑う。
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「事件?」
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「知らん知らん。」
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「昔のことや。」
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その時。
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テレビ。
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地方ニュース。
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海鳴町夏祭り特集。
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画面に、
十二年前の映像が流れる。
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人混み。
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屋台。
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花火。
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そして。
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一瞬だけ。
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画面の奥。
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監視者の青年。
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悠が立ち上がる。
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「止めて!」
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テレビを巻き戻す。
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店主も見る。
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「おや。」
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「この子。」
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「昔からおるよ。」
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静寂。
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「え?」
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「写真屋の弟子や。」
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部屋が凍る。
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悠。
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レイ。
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榊原。
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宮本。
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全員が同時に振り向く。
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「写真屋の……弟子?」
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「うん。」
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柴田は当たり前のように言う。
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「中村さんとこ。」
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「昔、
高校生がおった。」
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「よう写真撮っとった。」
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榊原の瞳が鋭くなる。
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「名前は?」
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柴田は考える。
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「確か……。」
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「秋山。」
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「秋山……。」
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「秋山透。」
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その名前を聞いた瞬間。
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写真館の老人が、
「知らない」と言っていたことを、
悠は思い出した。
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つまり。
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老人は嘘をついていた。
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その時だった。
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ガラン!!
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外で大きな音。
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全員が飛び出す。
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写真館。
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中村写真館。
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入口のガラスが割れている。
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老人が倒れていた。
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頭から血を流しながら。
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榊原が駆け寄る。
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「救急車!」
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老人は、
震える手で榊原の袖を掴む。
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息も絶え絶えに、
最後の力を振り絞る。
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「……秋山は。」
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咳き込む。
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血が滲む。
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「敵じゃ……ない。」
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悠が身を乗り出す。
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「じゃあ誰が!」
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老人の瞳が、
ゆっくりと写真館の二階へ向く。
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そこには、
割れた窓だけが見えていた。
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老人は、
最後に一言だけ残した。
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「現像室を……開けるな……。」
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その瞬間。
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二階から、
ギィ……
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と、
ゆっくりドアが開く音がした。
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全員が息を呑む。
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誰も、
階段を上がろうとはしなかった。
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――第53話・続く。
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この回で大きく動いた伏線
* 駐在の大石が「殺人事件」と言い間違える。
* 監視者の青年の名前が判明する。秋山透。
* 秋山は「写真館の弟子」だったことが判明。
* 写真館の老人が嘘をついていた。
* 老人は「秋山は敵ではない」と証言。
* そして、新たな謎として写真館二階の現像室が浮上します。
ここからは、第2章のクライマックスへ向けて、「現像室」に残されたものが事件の核心へ繋がっていきます。




