血痕
前書き
血は、
命の証だ。
だから人は、
血を見ると死を思い浮かべる。
でも。
血が流れたからといって、
必ず死んだとは限らない。
希望と絶望は、
案外よく似ている。
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Appearing
― 突然、君からのメッセージ ―
第45話
血痕
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午後一時四十分。
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海鳴町。
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旅館「松風荘」。
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「海岸で血痕が!」
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若い警察官の声が、
旅館中へ響いた。
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榊原が立ち上がる。
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「案内せぇ!」
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「はい!」
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宮本も資料を掴む。
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悠はメアリーを見る。
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「行けるか?」
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メアリーは少しだけ迷った。
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それでも、
ゆっくり頷いた。
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「……うん。」
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十分後。
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海岸。
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黄色い規制線。
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パトカー。
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鑑識。
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制服警官。
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騒然としていた。
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潮風が強い。
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「こっちです!」
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若い警官が指差す。
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岩場。
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波打ち際。
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赤黒い染み。
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鑑識が写真を撮っている。
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「量は?」
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榊原が聞く。
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「少量です。」
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「DNA鑑定へ回します。」
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宮本がしゃがみ込む。
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岩を見る。
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「争った跡があります。」
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確かに。
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砂が大きく乱れていた。
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靴跡もある。
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だが。
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潮でほとんど消えていた。
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「くそ……。」
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榊原が舌打ちする。
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「もう少し早ければ。」
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その時だった。
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メアリーが海を見つめる。
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「……。」
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呼吸が止まる。
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「メアリー?」
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悠が声を掛ける。
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返事はない。
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彼女は、
一点だけを見つめていた。
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古い桟橋。
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今は使われていない。
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木は腐り。
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立入禁止になっている。
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「……あそこ。」
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小さく呟く。
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「私。」
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「行った。」
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榊原が振り返る。
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「祭りの日か?」
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メアリーは静かに頷く。
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「鑑識!」
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榊原が叫ぶ。
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「桟橋も調べろ!」
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警官たちが動き出す。
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悠たちも後を追う。
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ギシ……
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ギシ……
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古い板が鳴る。
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桟橋の先端。
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波が激しく打ち付けている。
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その時。
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レイが立ち止まった。
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「……なぁ。」
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「どうした?」
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「これ。」
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指差す。
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木の柱。
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そこに。
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ナイフで彫られた文字。
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M+H
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その下。
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小さなハート。
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メアリーの瞳が揺れる。
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「……。」
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「春人先輩。」
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悠の胸が締め付けられる。
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ここは。
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思い出の場所だった。
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「つまり。」
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榊原が静かに言う。
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「ここで待ち合わせしとった。」
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メアリーは涙を流しながら頷く。
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「……うん。」
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「花火終わったら。」
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「ここで。」
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「会う約束やった。」
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静寂。
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つまり。
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メアリーは、
偶然ここへ来たわけじゃない。
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誰かと会う約束をしていた。
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その相手は。
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春人。
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しかし。
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春人も失踪している。
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「じゃあ。」
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悠が呟く。
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「春人も被害者なのか……?」
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その瞬間。
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「刑事さん!!」
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鑑識が叫ぶ。
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「こっち!」
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全員が走る。
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桟橋の下。
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岩の隙間。
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ビニール袋。
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潮で半分埋まっている。
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宮本が慎重に拾い上げる。
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中には。
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一冊の手帳。
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黒い革表紙。
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ボロボロだった。
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「学生手帳……?」
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榊原が開く。
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ページは濡れていた。
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それでも、
一ページだけ読めた。
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そこには。
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神崎 春人
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全員が息を呑む。
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春人の学生手帳だった。
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しかし。
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最後のページには、
震える文字で、
たった一文だけ書かれていた。
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「信じるな。」
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その下。
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さらに小さく、
走り書き。
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「あいつはまだ笑っている。」
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風が吹く。
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海が荒れる。
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榊原は手帳を閉じた。
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「……。」
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そして、
ゆっくり悠を見る。
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「黒瀬。」
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「はい。」
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「この事件。」
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静かな声。
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「思っとったより、ずっとデカい。」
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その時。
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海の向こうで、
誰かが双眼鏡を下ろした。
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顔は見えない。
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黒いパーカー。
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フードを深く被った人物。
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その人物は、
ポケットから古いガラケーを取り出す。
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短くメールを打つ。
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“見つけたようです。”
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送信。
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そして。
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静かに、
姿を消した。
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― 第45話・終 ―
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後書き
第45話でした。
今回は、第2章のスケールをさらに広げました。
重要なポイントは、
* 優斗のものと思われる血痕が発見される。
* メアリーと春人は桟橋で会う約束をしていた。
* 春人の学生手帳が見つかる。
* 「信じるな」「あいつはまだ笑っている」という謎のメッセージ。
* そして、現在も誰かが悠たちを遠くから監視している。
ここで物語は「過去の事件の真相」だけではなく、現在も暗躍する第三者の存在が明確になりました。
次回、第46話 「監視者」では、ついに「誰が悠たちの動きを追っているのか」という新たな謎へ踏み込みます。




