夏祭り
前書き
夏祭りって、
終わったあとに思い出す。
花火より。
屋台より。
誰と歩いたかを。
今回は、
まだ平和だった頃の話です。
そして少しだけ、
今の話でもあります。
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Appearing
― 突然、君からのメッセージ ―
第22話
夏祭り
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午前零時過ぎ。
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東神奈川。
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悠のアパート。
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窓の外では雨が降っていた。
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机の上。
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写真。
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知らない番号からのメッセージ。
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『海へ行くな』
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『思い出したら終わる』
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悠は何度も見返していた。
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「……」
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気味が悪い。
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だが。
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それ以上に。
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腹が立っていた。
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「なんなんだよ」
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誰か知らない奴に。
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勝手に指図されるのが。
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妙に腹立たしかった。
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「悠ちゃん」
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メアリーが小さく言う。
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「ん」
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「海鳴町行きたい」
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悠は顔を上げる。
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「今?」
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「ううん」
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少し笑う。
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「いつか」
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その顔は。
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怖がっているようにも。
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覚悟しているようにも見えた。
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そして。
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その瞬間。
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記憶が繋がる。
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十二年前
海鳴町
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夏祭り当日。
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夕方。
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商店街。
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提灯。
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焼きそば。
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たこ焼き。
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かき氷。
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子供たち。
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浴衣。
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町全体が浮かれていた。
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「遅い!!」
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悠は振り返る。
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メアリーだった。
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浴衣姿。
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白地に青い朝顔。
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髪を少しだけまとめている。
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「……」
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悠が固まる。
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「なにその顔」
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「いや」
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「似合わねぇなって」
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「最低」
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メアリーが頬を膨らませる。
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その後ろ。
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「おー」
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レイが現れる。
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黒い浴衣。
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髪を後ろで束ねている。
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「珍しい」
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悠が言う。
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「なにが」
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「女みたい」
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「殺すぞ」
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レイが即答する。
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メアリーが爆笑する。
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昔から。
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この三人だった。
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騒ぐメアリー。
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口の悪いレイ。
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その真ん中で困る悠。
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変わらない。
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ずっと。
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そう思っていた。
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現在
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「……」
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メアリーが写真を見つめる。
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「レイちゃん綺麗やった」
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「今もだろ」
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「本人に言ったら殴られるやつや」
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少し笑う。
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だが。
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次の瞬間。
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笑顔が止まる。
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「……あ」
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悠が顔を上げる。
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「どうした」
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「花火」
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「え?」
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「花火見とった」
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メアリーが呟く。
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「祭りの日」
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「海の近く」
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悠の呼吸が止まる。
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「思い出したのか」
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「少しだけ」
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メアリーは頭を押さえる。
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「でも」
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「途中から変なん」
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窓の外。
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雷が鳴る。
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遠くで。
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低く。
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「変?」
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「うん」
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「なんか」
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「誰か見とった」
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部屋が静かになる。
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「誰」
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「分からん」
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「でも」
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メアリーの顔色が変わる。
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「怖かった」
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その時だった。
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ピロン。
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スマホ。
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通知。
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悠は反射的に見る。
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知らない番号。
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また。
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『祭りを思い出すな』
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背筋が凍る。
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『次は止められない』
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「……」
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今までで一番。
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嫌な文面だった。
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メアリーも見ている。
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青い顔。
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震える指。
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「悠ちゃん」
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「ん」
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「私」
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小さく呟く。
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「誰かに追いかけられとった」
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空気が止まる。
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初めてだった。
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記憶が。
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ここまで具体的に出たのは。
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「どこで」
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「分からん」
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「でも」
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「夜」
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「祭りのあと」
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「海の方」
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窓の外で。
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雷が光る。
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その一瞬。
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悠は気づく。
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机の上の写真。
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三人の後ろ。
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黒い人影。
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昨日より。
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少し近づいている。
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「……は?」
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悠が写真を掴む。
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見間違いか。
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光の加減か。
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だが。
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確かに。
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昨日より近い。
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気がした。
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メアリーも気づく。
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顔が青くなる。
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「悠ちゃん」
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「……」
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「これ」
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誰も続きを言えなかった。
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後書き
第22話でした。
今回は
夏祭り編
です。
まだ青春回想です。
でも、
* 花火
* 浴衣
* 海
* 祭りのあと
というキーワードが揃い始めました。
そしてメアリーは初めて、
「追われていた」
ことを思い出します。
ただしまだ、
犯人も事件も出しません。
怖いのは、
“思い出していくこと”
そのものです。
次回、
第23話「写真」。
写真の違和感が、
さらに大きくなっていきます。




