表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】人手不足で過労の俺、異世界では”要領の良さ”を活かします。  作者: なまこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/12

新人冒険者研修

二週間後。

朝の光が差し込む草原に、簡易テントと訓練用の魔道具が並べられていた。

ギルドの旗が風に揺れ、周囲には緊張した面持ちの新人冒険者たちが集まっている。


黒田は資料の束を抱えながら、深呼吸した。

(いよいよ今日から新人研修か……)


隣でリーネが明るく微笑む。

「黒田さん、準備は完璧ですね。今日の進行は私が担当しますので、見守っていてください」


「頼りにしてます」


リーネは胸の前で手を組み、草原の中央へ歩み出た。

新人たちの視線が一斉に彼女へ向く。


「皆さん、おはようございます!新人冒険者研修の進行を務めますリーネです。まずはジョブ別講習を行い、その後はチーム講習を予定しています。」


リーネは表情を和らげ、横に立つ黒田へ視線を向けた。

「そしてこちらが、今回の研修をサポートしてくださる黒田さんです」


黒田は前に出て、軽く頭を下げた。

「今回、新人冒険者研修をサポートします黒田です。自分もまだ新人なので、皆さんと同じ立場で学びながら成長できればと思っています。本日はよろしくお願いします」


黒田の挨拶が終わるとリーネは少し表情を引き締めた。

「魔物はもちろんですが、最近は魔物以外の危険も増えています。特に――若い女性の焼死体が見つかる事件が続いています。」


新人たちがざわつく。


「だからこそ新人の皆さんには、外の世界に対応できる基礎力を身に着けてほしいのです!」


真剣なリーネの表情は少し和らいだ。

「皆さんが安心して冒険者として歩き出せるよう、私たちも全力で支えます。それでは、講師の方々をご紹介しますね」


声が草原に響き、空気が引き締まる。


リーネが手を向けると、赤毛の青年が歩いてきた。

爽やかな笑顔、整った顔立ち、背筋の伸びた姿勢。

まるで優秀な若手社員のような雰囲気だ。


「まずはメイジ講師、レオンさんです!」


レオンは軽く杖を掲げ、柔らかく微笑んだ。

「魔力は怖いものではありません。正しく扱えば、皆さんの力になります。今日は“魔力の流れを感じる”ところから始めましょう」


新人たちから感嘆の声が漏れる。

「優しそう……」

「教え方うまそう……」


黒田はその様子を見て、素直に感心した。

(見た目も雰囲気も完璧な講師だな……)


次に、金髪のロングヘアーを揺らしながら女性が歩いてきた。

白いローブをまとい、落ち着いた雰囲気を纏っている。


「ヒーラー講師、セリスさんです!」


セリスは柔らかく微笑み、両手を胸の前で組んだ。

「治癒魔法は“心を落ち着けること”が第一です。焦らず、ゆっくり学んでいきましょうね」


新人たちが安心したように頷く。

「美しい……」

「癒し系だ……」


黒田も思わず頷いた。

(ヒーラーはこういう雰囲気の人が向いてるんだな)


次に、ずんぐりとした体格の男性が歩いてきた。

背は低いが肩幅が広く、筋肉が鎧の上からでも分かる。

髭を蓄え、どこかドワーフのような雰囲気だ。


「タンク講師、ドワンさんです!」


ゴルドは胸を叩き、豪快に笑った。

「タンクは“仲間を守る”のが仕事だ!今日は防御姿勢と踏ん張り方を叩き込んでやるから覚悟しろ!」


新人たちが少し怯えたように笑う。

「こわ……でも頼りになりそう」

「タンクって感じだな……」


黒田は苦笑した。

(見た目も声も説得力がすごい……)


リーネは最後に、草原の奥へ向けて手を広げた。


「そして最後に――アタッカー講師の方です!」


風が吹き抜ける。

銀髪が光を反射し、草原の向こうから一人の女性が歩いてきた。


軽装の鎧、鋭い眼差し、しなやかな動き。

その姿を見た瞬間、黒田は息を呑んだ。


「アリシェラさん……?」


リーネが嬉しそうに頷く。

「はい!アタッカー講師はアリシェラさんです!」


黒田は思わず声を上げた。

「アリシェラさんって……Aランクだったんですか!?」


アリシェラは肩をすくめ、軽く笑った。

「なんでも屋になる前は冒険者活動をしていたの。言ってなかったっけ?」


黒田は呆然とした。

(なんでも屋のアリシェラさんが……Aランク……?そりゃ強いとは思ってたけど……)


アリシェラは剣を軽く掲げ、爽やかに言った。

「新人さんたち、よろしくね!今日は“武器の持ち方”から教えるわ!」


新人たちが歓声を上げる。

「かっこいい……!」

「絶対強い……!」


黒田は胸の奥に小さな誇らしさを感じた。

(すごい人と一緒に仕事してたんだな……)


こうして、頼りになる講師と新人冒険者が揃い、

期待と不安の新人研修が始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ