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九環配信の澪 〜誰も帰らない絶景を〜  作者: 妄幽
第一章

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プロフィールと設定

キャラクター紹介



主人公 天瀬 澪 

挿絵(By みてみん)



同僚(探高1年) 三枝 凛

挿絵(By みてみん)



先輩(探高2年) 七瀬 朱音

挿絵(By みてみん)



先輩(探高2年) 浅見 遥

挿絵(By みてみん)



先輩(探高2年) 水瀬 蓮

挿絵(By みてみん)



第一層の全体図イメージ

挿絵(By みてみん)



第一層 一環(初心者の狩場)

挿絵(By みてみん)


※適正Lvは、標準的な6人パーティーの平均Lv目安。

※単独探索の場合、同じLvでも危険度は大きく上がる。

※第六環以降は、正規攻略ルートではなく外縁・異常域扱い。

※第五環が次層へ降りる正規ルート。



<第一層>《零れ空の庭》


1環 適正Lv Lv1〜5 

2環 適正Lv Lv4〜8 

3環 適正Lv Lv8〜15

4環 適正Lv Lv14〜24

5環 適正Lv Lv22〜32

6環 適正Lv Lv34〜44

7環 適正Lv Lv44〜56 

8環 適正Lv Lv56〜70

9環 適正Lv Lv70〜88


第一層は初心者層と呼ばれるが、それは主に第五環までの話。

第六環以降は外縁扱いで、普通の学生探索者が単独で入る場所ではない。

第九環は、第一層でありながら未帰還者が多い危険域。


<第二層>


1環 適正Lv Lv28〜36

2環 適正Lv Lv34〜44

3環 適正Lv Lv42〜52

4環 適正Lv Lv50〜62

5環 適正Lv Lv60〜74 

6環 適正Lv Lv72〜86

7環 適正Lv Lv84〜100 

8環 適正Lv Lv96〜115 

9環 適正Lv Lv110〜130


第二層は、毒、拘束、視界不良、寄生、群体戦が増える。

単純な戦闘力だけでなく、継続探索能力と撤退判断が重要になる。


<第三層>


1環 適正Lv Lv52〜64 

2環 適正Lv Lv60〜74

3環 適正Lv Lv70〜84 

4環 適正Lv Lv82〜96 

5環 適正Lv Lv94〜110 

6環 適正Lv Lv108〜126 

7環 適正Lv Lv122〜145 

8環 適正Lv Lv140〜165

9環 適正Lv Lv160〜190 



<第四層>


1環 適正Lv Lv82〜96 

2環 適正Lv Lv94〜110

3環 適正Lv Lv106〜124 

4環 適正Lv Lv120〜140 

5環 適正Lv Lv136〜158 

6環 適正Lv ???

7環 適正Lv ???

8環 適正Lv ??? 

9環 適正Lv ???



<第五層>


1環 適正Lv Lv120〜140(暫定)

2環 適正Lv ??? 

3環 適正Lv ??? 

4環 適正Lv ??? 

5環 適正Lv ???

6環 適正Lv ???

7環 適正Lv ???

8環 適正Lv ???

9環 適正Lv ???



<第六層>

伝説として囁かれている。存在するかは定かではない。




<探索者レベル帯>

Lv1〜10

訓練生・初心者。

第一層一〜二環で基礎訓練を行う段階。


Lv11〜25

新人探索者・学生下位〜中位。

第一層三〜四環で経験を積む。


Lv26〜40

学生上位・一般探索者。

第一層五環までならパーティーで安定し始める。


Lv41〜49

未進化探索者の上限帯。

Lv50の存在進化を目前にした探索者。

澪Lv46はこの段階だが、単独で第一層第七環に踏み込める時点で異例。


Lv50〜69

一次存在進化済み探索者。

第二層前半〜中盤。

久遠はこの帯にいる。


Lv70〜89

熟練上位探索者。

第二層深部、第三層前半。

国内でもかなり名が通る。


Lv90〜109

国内トップ級探索者。

第三層中盤〜深部、第四層前半に届く。

Lv100を超えれば二次存在進化者。


Lv110〜129

世界上位探索者。

第四層中盤〜深部、第五層入口付近の調査候補。

国家単位の作戦に呼ばれる。


Lv130〜149

世界トップ級探索者。

第五層への大規模遠征に参加できる、人類最高峰の探索者たち。

ただし、第五層ではこのレベル帯でも安全とは言えない。


Lv150以上

到達者が極めて少ない、ほぼ伝説の領域。

第三進化やさらなる存在変質の噂があるが、公式には未確認。


《第五層遠征》

これは歴史的な人類の敗北だった。

正式名称は、第五層国際共同調査遠征。

当時の協会本部は、そこまで楽観していない。


目的はあくまで、

第五層第一環の安定調査

第二環への進行記録

仮設帰還陣の設置

汚染の実測

第五層第五環に存在するとされる下降路の位置推定

この程度だった。

つまり、人類最高峰を集めても、目標は第五層の浅部調査にすぎなかった。


世界トップ級六パーティー、計三十人。


通常パーティー上限は六人だが、この遠征では各班五人編成にしていた。

理由は、第五層では一人でも欠けた時点で隊列を組み替える必要があり、六人固定だと融通が利きづらいから。

また、五人班を六つに分けることで、偵察、前衛、防衛、記録、撤退準備を同時に進める予定だった。


この時点で、参加者の多くはLv120以上。

中心メンバーはLv135〜145。

先代剣聖はLv144前後。


人類側が用意できる、ほぼ最高の布陣だった。


それでも壊滅した。


何が起きたのか


第五層《星を喰む廃園》は、想定と違った。


魔物が強かっただけではない。

第五層では、強い探索者ほど目立つ。


魔力が多い者。

強いスキルを持つ者。

二次存在進化済みの者。

強力な武器を持つ者。


そういう存在ほど、廃園の中で「星」として認識される。


そして第五層は、星を喰う。


遠征初日は、まだ順調だった。

第五層第一環で仮設拠点を作り、星光汚染の測定も行えた。魔物との戦闘もあったが、世界トップ級の探索者たちは対応できた。剣聖は大型の星獣を一刀で斬り、盾班は汚染された花粉の嵐を防いだ。


問題は二日目からだった。


地図がずれ始めた。

記録端末に残した座標と、実際の帰還陣の位置が一致しない。

帰還札は発動するが、戻る先が数十メートルずれる。

仮設帰還陣は起動するたびに魔力を削られ、まるで何かに食われているように劣化した。


さらに悪いことに、第五層の魔物は、倒した後も終わらなかった。


死骸から星光が漏れる。

その光を浴びた者は、少しずつ記憶を削られる。

自分の名前、武器の扱い、仲間の顔、帰る理由。

最初は些細な違和感だった。


三日目、第五班の工匠が、自分の作った帰還補助具の使い方を忘れた。

四日目、第三班の回復役が、回復対象の名前を認識できなくなった。

五日目、第二班の盾役が、自分の盾を「敵」と誤認した。


その時点で、遠征隊は撤退を決めた。


だが、遅かった。


遠征隊を壊滅させたのは、一体のボスではない。


記録上は、複数の異常が重なったとされる。


・星光汚染による記憶損耗

・帰還陣の座標劣化

・第五層第二環から第三環への強制誘導

・味方同士の認識阻害

・星獣の群れ

・廃園そのものによる進路改変


ただし、生還者の証言には、共通する言葉がある。


「庭師を見た」


その存在は、協会資料では《星喰みの園丁》と仮称されている。


人型だったという者もいる。

鹿の角を持っていたという者もいる。

巨大な鋏を持っていたという者もいる。

顔は見えなかった、という証言だけが一致している。


園丁は、探索者を積極的に殺したわけではない。


ただ、廃園の中で伸びすぎた枝を払うように、進路を変え、帰還陣を切り、班を分断した。


剣聖は園丁と交戦した。


記録映像は三十七秒だけ残っている。

その映像の中で、剣聖は確かに園丁へ斬撃を届かせている。

だが、斬ったはずの腕は、次の瞬間には星光の蔓に変わっていた。


剣聖はその後、右腕を失った。


剣そのものも失った。


さらに悪いことに、彼は帰還後、自分の剣技の一部を思い出せなくなっていた。

肉体の欠損より、そちらの方が致命的だった。

彼は生還したが、以後「剣聖」として前線へ戻ることはなかった。


三十人中、生還者は六人。


「六人生還」と記録されているが、探索者として帰ってきた者はいなかった。


協会はこの遠征を機に、第五層を攻略対象から外した。

第五層は「未開拓領域」ではなく、「人類が挑んで敗れた領域」として扱われるようになった。


<世界とのつながり>


ダンジョンの入口は世界各地に存在する。

ただし、入口同士が自由につながっているわけではない。


内部は同一の巨大なダンジョン世界に属しているが、各国・各地域の入口周辺は、世界壁、境界霧、位相断層によって分断されている。

そのため、ダンジョンを使って別の国へ移動することは基本的にできない。


<正規ルートと外縁ルート>


探索者の一般的な攻略ルートは、各層の第五環まで進み、そこから次層へ降りること。

第六環以降へ進む必要は通常ない。


ただし、第六環以降には珍しい素材、特殊な魔物、未確認現象、特殊報酬が存在する。

そのため、一部の上位探索者や研究者、配信者、戦闘狂が外縁を目指すことがある。


澪が目指しているのも、この通常攻略から外れた第六環以降の世界。


<パーティー人数>


基本パーティー人数は最大六人。


六人を超えると、ダンジョン側の報酬判定が大きく落ちる。

経験値、ドロップ、特殊報酬、ボス出現条件などが正常に発生しなくなる。

そのため、正式な探索パーティーは六人以下で組まれるのが基本。



<経験値と報酬>


経験値は、戦闘への貢献度とパーティー人数によって分配される。


単独探索なら経験値はすべて本人に入る。

少人数探索ほど成長効率は高いが、その分危険も大きい。


自分より弱すぎる魔物や、安全すぎる領域では、経験値やドロップが大きく減る。

逆に、自分より格上の魔物や危険環境を突破した場合、成長効率は上がる。


ただし、強敵に挑めば必ず成長できるわけではない。

死ねば終わり。

危険な環境で生き残った者だけが、次の成長を得る。


<存在進化>


探索者はLv50に到達すると、存在進化の第一試練を迎える。


存在進化は、単なる強化ではない。

複数の進化候補から、今後の種族的方向性を選ぶ試練。


候補には、エルフ、リザードマン、獣人、鳥人、昆虫類、鉱人、鬼人、竜人、魔族系、精霊系など、多種多様な系統が存在する。


強そうな進化先を選べばいいわけではない。

今まで鍛えてきた技能、武器、戦闘スタイル、精神性、探索方針と噛み合わない進化を選ぶと、かえって弱くなることもある。


存在進化は、探索者にとって最初の大きな分岐点であり、第一の試練と呼ばれる。

その人間の性質によって、種族が自動で選別される


<帰還札>


帰還札は、ダンジョン内から協会管理拠点へ戻るための消耗品。

高価で、一回使うと消える。


浅い環では成功率が高いが、深い環や異常域では成功率が落ちる。

第八環以降では不安定になり、第九環ではほぼ信用できない場合もある。

第六層では、一般的な帰還札はほとんど役に立たない。


帰還札は万能ではない。

発動までに時間がかかり、妨害されることもある。

発動地点の空間が不安定だと、失敗や座標ずれが起きる。


<鑑定>


探索者は、自分の状態や魔物、素材を鑑定できる。

ただし、標準鑑定は万能ではない。


浅い情報は分かるが、隠された性質、深層由来の異常、特殊個体の本質、ユニークスキルの詳細などは表示されないことがある。


鑑定結果が「不明」や「測定不能」になる場合、その対象は現在の探索者の理解範囲を超えている。


<配信>


ダンジョン内では、探索者向けの配信が広く行われている。

協会の観測網とダンジョン内の情報伝達現象を利用しているため、ある程度深い場所でも映像が届く。


ただし、深環や異常域では映像が乱れたり、外部から干渉されたりすることがある。

特に第七環以降では、配信映像そのものが異常現象に巻き込まれる場合がある。


澪の配信名は《九環》。

その名前は、第一層第九環《空葬原》を目指す意思と結びついている。


<ボスと特殊報酬>


各層には通常の魔物とは別に、特殊個体やボスが存在する。

特に第九環には、その層の淵に関わる特殊な存在がいるとされる。


ボスや特殊報酬は、適正人数、適正危険度、攻略条件を満たした場合にのみ発生することがある。

人数を増やしすぎたり、極端に格下狩りをした場合、報酬判定は発生しにくい。



先代剣聖は、遠征時点でLv144。

二次存在進化済み。

剣士としては世界最高峰。


それでも第五層では、勝てなかった。


ただし、弱かったわけではない。


剣聖は、遠征隊が撤退する時間を作った。

園丁の進路を止め、星獣の群れを斬り、崩れた帰還陣を守った。

彼がいなければ、生還者はゼロだったとされている。


だから今でも、剣聖の名は落ちていない。


剣聖本人は帰還後にこう言った。


「俺は庭の枝を一本斬っただけだった。庭そのものは、こちらを見てもいなかった」


この言葉が、第五層の恐ろしさを象徴している。

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