第二幕 第一場
朝日が昇りおっぱい王国を明るく照らし出す頃、お城のとある一角では小間使いの女達が右往左往していた。そこは巨乳姫マンスロートの部屋の前であり、小間使いの女達はしきりにドアを叩き、巨乳姫の名前を呼んでいる。だがしかし返事はない。
そこへ男の子の従者キュルトヘンがやってきた。
「いったいこれはどうしたんですか?」
「キュルトヘン」小間使いの女の一人が言った。「姫様が部屋から出てこないのよ。声を掛けても返事は返ってこないわ」
「私たちでは恐れ多くて無断で部屋に入る事はできない」別の小間使いの女が言った。「だから姫様の従者であるあなたに様子を見てきてほしいの」
「わかりました」キュルトヘンはドアをノックする。「おはようございますマンスロート姫様。起きていましたら返事をお聞かせください」
返事は返ってこない。
「仕方ありませんね」
キュルトヘンはドアを開け部屋の中に踏み入れる。
「マンスロート……姫……様?」
部屋のどこにもマンスロートの姿はなかった。
「姫様?」あわてて部屋を見回すもやはりどこにも姿はない。
「私はかごの中の小鳥」その声は部屋の窓の外から聞こえてきた。「いつか自由になる事を夢見て歌うの」
「姫様!」
キュルトヘンは窓に駆け寄ると外を見渡す。するとそこには鵞鳥を連れて歩く少女の姿があった。
「違う姫様じゃない。鵞鳥番のリーゼルさんだ」
鵞鳥番のリーゼルは、お城の裏手にあるおっぱい山へと向かって歩いていく。
「どこですか姫様」
キュルトヘンは部屋のあっちこっちを探し始める。窓の横に束ねられたカーテンのふくらみを調べるも誰もいない。次いでベッドの下を覗き込むもやはり誰もいない。
キュルトヘンは舌打ちした。「どこへいったんだ姫様は」
キュルトヘンの焦る声を聞いて小間使いの女達が部屋へとやってくる。
「ああ、キュルトヘン」小間使いの女の一人が言った。「姫様はどこにおられるの?」
「いないんだよ姫様が。どこにもいないんだ」
キュルトヘンは苛立った様子だった。
「ああ、なんてことなの」別の小間使いの女が言った。「姫様がいなくなるなんて一大事だわ」
さらに別の小間使いの女が言う。「まさかご結婚が嫌で逃げ出したのでは」
その言葉を聞いた一同が顔を見合わせた。
「大変だわすぐに王様に知らせなくては」
そう言って一人の小間使いが部屋から出て行く。
「……まさか姫様」
キュルトヘンの顔がみるみる険しくなる。
「そこまで思い詰めていたなんて。どうして僕はそれに気づけなかったんだ」
くやしさのあまり拳を力強く握った。




