幕間 其の三
「信じらんねえ」狼が言った。「本当に巨乳派と貧乳派の争いじゃねえか」
「なんてこったい」狐が言った。「そんなことで本当に争っていたとは」
「どこまで人間はおっぱいが大好きなんだ」兎が言った。「僕には理解できないよ」
「いったいこの先どうなるんだろ?」狼が言った。「まったく予測がつかない」
「巨乳派に貧乳派」狐が言った。「さらには悪魔に魔女」
「おっぱい王国はどうなってしまうんだ?」兎が言った。
ちょびヒゲを生やしタキシードを着た男が、楽しそうな笑い声を漏らした。
「どうやらみなさん、ずいぶんと話にのめり込んできましたね。いい傾向ですよ。そうでなくては話をする私もつまらないですからね」
「あ、そうだ!」狼が言った。「どうして貧乳姫は魔法が使えたんだ?」
「そうそう」狐が言った。「どうして貧乳姫は魔女なんだ?」
「もしかして姉である巨乳姫も魔法が使えるの?」兎が訊いた。
「みなさん落ち着いてください」
男ははやる動物達をなだめる。
「知りたいという気持ちはわかりますが、あせらないでください。お話を最後まで聞けばわかりますから」
「早く聞かせてよ!」狼は待ちきれないといった様子だった。
「聞かせて! 聞かせて!」狐もまちきれないといった様子だ。
「早く! 早く!」兎が飛び跳ね、続きを催促する。
「みなさん、待ちかねているようですね」
男は言った。
「続きは大いに期待していいですよ。なにせ、ようやくシュヴァンツ王国から第二王子のローラントが花婿としておっぱい王国にやってくるのですから」
「ローラント王子が花婿?」狼が言った。「ああ、たしかそうだったね」
「それってつまり……」
狐が思案げに唸る。
「『おっぱい王国の花婿さんの乳選び』という、お話の題名にある花婿さんとは、ローラント王子のことなんだね」
「とすると」兎が言った。「花婿さんの乳選びとはどういう意味なんだろ?」
「わかった!」狼が大声をあげた。「ローラント王子もおっぱい王国の陰謀に一枚噛んでいるんだ。乳選びとは巨乳派と貧乳派の、どちらかの派閥選びってことだよ」
「なるほど」
狐が感心したかのようにうなずく。
「いずれおっぱい王国の王となる人物だ。派閥争いには敏感ってことか。いったいローラント王子はどちらの派閥につくんだろうな」
「僕たちの予想あたっているでしょうか?」
兎が得意満面といった様子で訊いた。
「そいつは答えられないな。答えてしまえば話がつまらなくなってしまうからね」
男は楽しげに笑う。
「答えを知りたければ話の続きを聞く事ですね。それでは話を再開しましょう——」




