第三幕 第六場
おっぱい山の年中緑に覆われているゼムジ山。その山に住む魔法使いリンクランクは、住み処である洞窟の奥にある開けた空間で、胸の大きな少女を見つめていた。
その少女は壁から伸びる鎖によって、両手を掲げるようにして拘束されていた。少女は寝間着姿で寝息を立てている。それは巨乳姫マンスロートだった。
リンクランクはマンスロートの額に人差し指をつけると唱えた。
「ブリックレーブリット」
マンスロートが目を開けた。そしてゆっくりと顔をあげリンクランクを見る。
リンクランクが満面の笑みを浮かべた。
「お寝坊ですね巨乳姫。もう昼過ぎですよ」
「あなたはいったい誰?」
マンスロートはあわててまわりを見回す。
「ここはどこですか?」
「ここはおっぱい山のゼムジ山にある洞窟の中ですよ、巨乳姫」
リンクランクは長い白ヒゲを手で梳く。
「そしてこのワシは魔法使いリンクランクです。以後お見知り置きを」
「ご主人様」
そう言って洞窟の暗がりから姿を現したのは、ピエロの格好をした悪魔の小人だった。
「何やら外が騒がしいようで、私は様子を見て参ります」
「うむ。たのんだぞ」
悪魔の小人は洞窟の暗がりへと歩いて行く。
マンスロートは闇にまぎれていく悪魔の小人の姿を、怯えるようにして見つめる。
「あれは、私をさらった……」
「そうですよ。ワシの命令であなたをさらったきた悪魔の小人ですよ」
マンスロートはリンクランクに顔を向ける。
「私をさらってどうするつもりなのですか?」
「答えは単純明快。世界征服じゃ。その足がかりとして、まずはおっぱい王国を手に入れる」
「だから私をさらったのですね。卑怯な」
マンスロートが軽蔑のまなざしをリンクランクに浴びせる。
「だけどお父様は、そのような脅しには屈しないわよ」
リンクランクがくすくすと笑う。
「巨乳姫なにか勘違いしてないか。ワシは別にお前を人質にして、おっぱい王国を手に入れるつもりではないぞ」
「だったらどうして私をさらった」
「ワシの子供を産んでもらうためじゃ」
その言葉を聞いたマンスロートの顔には恐怖が浮かぶ。
「い……いや。や、やめて!」
「初々しいの」
リンクランクは舌なめずりをする。
「魔法使いのワシと魔女の血を引くお前さんとの間に出来る子供は、さぞかしすばらしい魔力の持ち主になるぞ」
「……えっ?」マンスロートは惚けた声をあげた。「魔女?」
「なんだ知らなかったのか巨乳姫」
リンクランクはさも楽しそうに言った。
「自分が魔女の血を引く事に」




